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モコタンとオルスク

おばさんの必殺技は 強烈だった。

しかし 発動しなければなんてことはない。

俺は テーブルに銀貨を置いてヒビらを開けようとした。


ドアノブを握る!


「バチン!!」


うわぁ ~ なんだ!


火花と共に ドアノブは手を吹っ飛ばして来た。

よく見ると 手から白い煙がモクモクと出ている。

俺の手は大丈夫のようだけど もげたかと思った。


「ふはぁふはぁふはぁ」


おばさんの笑い方が変わった。

後ろを振り返ると おばさんはお香に火をつけて吸っている。

一人で勝手に始めてしまった。

ニタニタと 鼻を膨らませ 掃除機のようにお香の煙を吸っていく。


そして 毒々しい口から煙を吐き出していた。


「ふざけるなぁ!!」 

でも 怒鳴っても笑われるだけ。

まずいぞ・・・  このまま煙が充満して、吸ってしまったら

俺もおばさんの仲間入りだ。


「ヤンヤヤンヤヤ!!ハハホッホハハァ!!」


おばさんのテンションが異常な領域に達したようだ。

両手を広げてテンションを上げながら上に持ち上げると 

そのまま自分の服を引きちぎる! そして現れたのは 肌だけじゃない・


「ま!魔方陣の入れ墨!!!」


避けた服から胸の谷間が見えたのは

胸の谷間に描かれていたのは魔方陣だった。

魔方陣は おばさんの声と連動して光を放っている。

これは タダの入れ墨じゃない。

小人や世界樹の実なんかがある世界で 魔法を警戒しないなんて!

何やってるんだぁ 俺!!


「うわぁぁぁ!!」


ドアノブを力いっぱいに両手で握った。

すると ドアを開けることに成功した。

目には煙が入って何も見えない。

でも 目から出てくる涙を手で拭うことが なぜかできないんだ。

おっかしいな~


逃げなきゃ 逃げなきゃ。

俺は 廊下を走った。

煙がなくなって、俺の目に映ったのは俺の手だった。

大丈夫だ。手はちゃんとついている。

けど 感覚がなくてしばらくは動かせそうになかった。

俺は逃げ出した。


「わおぉ~Подождите!!」


おばさんの 黄色く甘い声が聞こえる。

怖がらなくていいのよぉ お待ちになってぇ~!

みたいなことを言っているのだろう。

その声が耳について 離れなかった。鳥肌が立つ。


それにしても 体が動かない。。。

お香を少し吸ってしまったのだろう。

道具袋から 世界樹の実を取り出せれば何とかなるのだが手に力が戻るまでは

ヒモをほどくことが出来ない。

身体も 寒気を感じる。

俺は 道具袋を握りしめてその場でうずくまっていた・・・


「ペロ ペロ」


なんだ 俺は眠っていたのか?

何かにホホをなめられて目が覚めた。。

温かくて 優しい感じだ。

おまえは・・・


俺の目の前にいたのは 一緒にエリスタの街までやってきたウサギだった。


「なあ 名前付けてなかったな。 そうだな お前の名前はモコタンだ・・」


モコタンは 嬉しそうだ。

俺のホホを再び舐めてから 道具袋のヒモをかみ切って袋を開けてくれた。

ありがとう。世界樹の実を・・俺に・・、


俺は 世界樹の実を食べて 完全回復できると思った。


「モグモグもぐ・・」


モコタンは 道具袋に首を突っ込むと世界樹の実を食べてしまった。

あっちゃ・・ 食べちゃったか。。

種も実もすべて失った。

お金は銀貨数枚もっているけど 物資もほとんどないし、、薬を買うどころか

これじゃ 村に帰ることもできなさそうだ。


でも いいよ。

その代わり 今日はモコタンのモフモフの中で眠らせておくれ・・すごく・眠いんだ。。

・・・。

・・。

俺は モコタンのモフモフに包まれて 心地いい眠りについた。

モコタンは 俺がくすぐったいのかもしれないけど、アゴで俺をギュっとハグしてくれた。


朝 目を覚ますと俺は 布団に寝かされて手には包帯が巻かれている。

どうしたんだ?どこだここ?


「目が覚めたか! おぬし。あんな所で眠っておったら殺され手もおかしくないぞ」 

「すまない。昨日は怖い夢でも見ていたようだ。」

部屋の奥田から出てきたのは 白衣のような長いコードを着たおじいさんだった。


ああ なんでだろう。おじいさんの言葉は心が和む気がする。

俺は 街まで来た事情をすべて話してしまった。

そして 気が付いた。

おじいさんの言葉は、地球の言葉だ。

「お主は 何と申す?わしは オルスクじゃ」

「俺は オグマです。どうして 俺と同じ言語が話せるのですか?あなたも地球人なのですか?」


オルスクは長いヒゲが両肩に当たるくらいに首を振った。

「いいや 違うぞ。やはり お主には事情がありそうだな。オグマよ。

お前の問いに答えるかどうかはワシの頼みを引き受けるかどうかじゃ。」


俺は 結局 オルスクの頼みを聞くことになるのだが

すごい アイテムを貰うことになる。

それは言語を話せるようになれる 魔法の薬だった。

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