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TS:3 女の道は長く険しく

優里だ、今回は梨華と一緒に服とか下着とか買いに行くんだが…女ってのは怖いぜ…俺もおちおちしてらんねぇな、女として生きていく覚悟はできたんだがな…まあ取り敢えず何があったのかは読んで確認してくれ、それじゃあ本編スタートだ!

「おかえり優…兄?」


「梨華、大事な話があるちといいか?」


大好きな兄は見たことがない真剣な表情で玄関に立っていた。その表情から何か嫌なものを梨華は感じとり優里に甘えようとは思えなくなった。

優里の部屋に行くと優里はおもむろに制服を脱ぎ始めた。


「え///、ちょっ、ゆ、優兄!?」


恥ずかしさの余り梨華は両手で顔を覆うが指の隙間が開いてるので見る気満々のようだ


「え…」


だがそこには梨華が期待していたような光景はなく、羨ましい位の胸の兄の顔の美女がいた。


「まぁ、よくわかんねえけど今朝起きてたら女になってたんでな、女としての先輩である梨華に色々ご指導お願いしようと思ってな」


「………」


梨華はうつむいたまま無言でいた。


「ん?やっぱ驚くか、嫌なら別にいいんだぜ?」


そりゃまあいきなり男が女になりました何ていったら驚きを通り越して頭大丈夫?と聞きたくなる位なのに現にこうして実例を目の当たりにすればどういった反応をすればいいのかは未知の領域である。


「お…」


「…お?」


突然梨華はガバッと面を上げると目を星の様にキラキラさせながらこう叫んだ。


「お姉様!」


「なっ…!?」


梨華は叫ぶと同時に優里の豊満になった胸に顔を埋めた。


「優兄が今日からはお姉様…!つまりそれっていつでもどこでも甘えたい放題ってことよね!?そうよね!?」


異性だからこそ叔父達には目くじらを立てられていたので一応間違ってはいないが…


「おま、そういう問題か!?」


「むしろ私は優兄が優姉に変わってくれて嬉しい♪」


この妹のことを色々とあなどっていたかもしれない…。


「あ〜…まあ話が早くて助かる。」


「じゃあ、とりあえず服が必要だよね下着も!」


梨華と優里では体格に差がありすぎるので共有はできないだろう、主に胸とか腰的に


「なら明日買いに行くか、丁度土曜日だしな」


「優姉とおっ買い物〜♪」


梨華はかなり上機嫌である。


(…ありがとよ梨華、俺を俺として見てくれて…)


だがそんな梨華のいつもと変わらぬ態度が優里にとっては何よりもありがたいものであったのは梨華には秘密である。かくして優里と梨華のデート?が確定したのであった。




***********




土曜日の昼時、二人は仲つむまじく歩いていた。梨華は優里にベタベタしながら実に…


「えへへへ〜♪」


…幸せそうである。

だがまぁべったりくっつかれてる優里としては周りの視線が辛い。


「あのよぉ…いい加減離れてくれねぇか?」


だがしかしそんな優里の提案も優里の右腕に抱きついた梨華は実にご機嫌なご様子でこう返した。


「だって〜、優姉と一緒にお出かけなんて6年ぶりなんだもん♪」


と、とりつく島もない。しかし既に優姉で固定されている…本当に大した娘である。


「…しょうがねぇな」

仕方ないとばかりに折れたのは優里の方だった。何だかんだで優里も妹には甘いのである。


「ふふふ…優姉大ぁ好き♪」


まぁ優里自身もこうして家族と一緒に出掛けるのは随時久しぶりの事だ。


(まっ、こういうのもたまには悪くねぇな…)


ちなみに優里と梨華が仲良くなることが気にくわないでいた叔父達は今朝家を出る際に…


「待て優里、梨華を連れてどこに行くつもりだ」


叔父は今にも爆発しそうな位に怒っていた。

同じ屋根の下に住む者同士であっても優里は酷く嫌われている。兄の息子であるというだけでだ、コンプレックスと嫉妬だけでその息子にまで負の感情を向けるのはいい歳した大人としては実に情けないことこの上なくはあるが…。だがまぁ今日は優里の方が優勢である。何せ“ジョーカー”が手元にあるのだから


「あぁ、実は俺女になってな、梨華と一緒に服とか下着買いに行くから、んじゃまそういう訳で…」


優里のとんでも発言にさっきまで怒り狂っていた叔父は唖然となる。


「……何を言ってる?」


嫉妬や妬みを通りこして疑問の感情しか沸かなかった叔父は己の意思とは関係なく思わずそう呟いていた。すると今までだんまりだった梨華が


「今日から優姉は梨華のお姉ちゃんなの!だから別に一緒にいても何の問題もないでしょ?行こっ!優姉♪」


正にごり押しである。優里は梨華に腕を引っ張られながら


「まぁそういう訳だから、夕方前には帰ってくるよ」


「………(パクパク)」


まぁ、叔父は放心してまともに聞いてはいなかったが………とまあこんな事があったのだ。


「あの時のお父さんの顔ったらないよね〜口をあんぐり開けちゃって」


梨華はケラケラ笑いながら実の父を罵倒していた。嫉妬深い父を持つと娘も苦労するのである。


「まぁ確かにあれは傑作だったよな」


あの時の叔父の顔は優里も思わず思いだし笑いする位おかしな顔だった


「でしょ〜?」


兄妹から姉妹になった二人だがその関係は以前よりも更によくなった様だ。




***********




電車を降り、歩くこと数分


「ここが目的地だよ優姉」


遂に着いたランジェリーショップ


「なんつーか女の花園…って感じだな」


右を見ても左を見てもピンクや白、黒等色とりどりの下着や綺麗な装飾の施された洋服…ここはランジェリーショップ、言うまでもないが男子禁制の女の聖地である。


「流石になんつうか…目のやり場に困るな」


元男としてはやはり恥ずかしいものがあるのだ、なんだかんだ言っても優里も健全な男の子だった訳なのだから


「優姉、とりあえずサイズ図ってもらお?」


そんな優里の心情等知るよしもない梨華は遠慮なく優里を引きずり回す、優里としてもそろそろ抵抗を諦めていた。


「だな」


梨華は近くにいた店員に優里の寸法を頼む。店員に試着室に案内された優里は試着室に入る。


「ではお客様、上着を脱いで下さい。」


「あぁ」


優里は店員の言う通り上着を脱ぎ、昨日で随分変わった素肌を晒す。まだノーブラの為脱いだ瞬間その豊満な胸が飛び出し揺れる。


「うわぁ…ご立派なものをお持ちですね…///」


その立派さに客の前だと言うのに店員は思わずそう呟いていた。


「やっぱでかいのか?これ」


男の視点とでは多少見方も違うのだ、女性の胸等グラビアアイドルや芸能人の胸位しか注意して見ることもない、まあこれは優里の偏見だが


「凄く…大きいですよ?///」


どうやら優里の胸は一般的に見ると随分デカイらしい


「そうか、とにかく頼むよ(なんか言い方が卑猥だなこの姉ちゃん)」


優里の言葉に妄想の世界に旅立っていた店員は正気に戻り


「あ、はい分かりました……では失礼します。……92…Eカップです。(うわぁ、凄いわ…私にもこれの半分でもあれば…)」


胸関係で何か辛い事でもあったんですね分かります。


「E…って、そりゃまたでかいな」


まさかそれほどとは思わなかった優里もちょっぴり驚きを隠せなかった。


「そうですね…羨ましいです。(形もいいし乳首もピンク色なんて何て羨ましい胸なの…本当羨ましいわ…分けてくれないかしら)」


「あ〜、次腰も頼むわ」


何となく店員が危ない事を考えているのを視線から感じた優里は店員を正気に戻させる為、仕事を思い出させる。


「は、はい只今」


(女の社会も中々苦労しそうだぜ小次郎…)


女は大変だな…と店員を見て悟った優里であった。




***********




ようやく計り終えた優里は梨華に

「スリーサイズ教えて」と言われたので


「B92W58H89だとさ」


意外に素直に答えた所、妹に対する信頼はやはり厚いらしい。


「うわ凄…」


優里の圧倒的なスタイルの良さに思わず梨華は絶句した。


「そんなに凄いのか?」


やはりまだまだ女としての自覚はないらしい、まぁ無理もない昨日までは普通に男だった訳だし


「だってグラビアアイドル顔負けのスタイルじゃない?」


梨華も何とかその凄さが優里に伝わる様に説明する。


「そう言われると確かにすげぇな…」


グラビアアイドルという例えは色々な意味で優里には分かり易かった様だ。だが梨華的にグラビアアイドル等という破廉恥な発言をしてしまった為急に恥ずかしくなってきた。こうみえてこの娘はかなり初なのだ、親が過保護なのも要因の一つなのだろう。


「と、とにかく優姉下着選ばないと」


恥ずかしさのあまり慌てふためきながら梨華は手頃な所にあった下着を掴む。


「ほらこれな…んか」

梨華が掴んだのは彼女を黙らせるには十分な破壊力を持っていた。


「梨華……流石に黒の紐パンはかなり恥ずかしいぞ?」


レースの入った黒の紐パンは面積も少な目で所謂勝負下着とかと呼ばれている下着である。


「うひゃあ///」


梨華は顔を真っ赤にしながら大慌てで下着を元に戻す。


「で、でも、優姉には黒が似合うと思うよ!」


取り繕う様に言い訳するが黒も十分アブノーマルだぞ梨華


「…とりあえず落ち着け」


だがまぁ確かに優里には黒は似合いそうではある。おそらくその人物を色に例えるなら?という質問に優里の知り合いなら皆が一様に優里は黒と答えるだろう。


「まぁだけど確かに黒は悪くないな、俺らしいしな」


何だかんだで下着の色には賛成なのだ。


「そ、そうよ、優姉にはやっぱ黒が…」


先程の暴発で多少勢いの弱まった梨華は心なしかしょんぼりした様にも見受けられる。


「ほら、落ち込んでないでとっとと選ぶぞ、頼りにしてんぜ梨華先生?」


「う、うん…任せて優姉」


その後、優里が上手くフォローしながら姉妹は仲良く下着、洋服を選んだ。




***********


(おまけ)



優里が下着と服を選び終え、会計をしに行くと


「合計で2万4千98円になります♪」


「高っ!?」


優里の女のとしての道は長く険しい様である。

ジョシュア「読者の皆さんどうも、本編に登場できないジョシュアです」

作者「まだ三話だって」

ジョシュア「これでも一様主要キャラの筈なのに…扱いがヒドイよ!?」

作者「笑止千万、未だに名前だけの優里の義兄正(マサシ)に比べればマシだろう?」

ジョシュア「ソウダッタよ!?」

正「………(馬鹿なこの僕が…生徒会長であるこの僕が…)」

作者「この正君もまたストーリーに深く関わる時期がきますので交互期待、ではまた次回で会いましょう皆様」













棗「優里、やっぱ下着は黒なの?」

優里「ん?見るか(チラッ)」

棗「ブーッ!?」

作者「優里に女らしさを求めるのは不可能か?」

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