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人間遥か

作者: タマネギ

鯨のように、海に戻った動物は、

いつしか、腕が胸鰭になり、

尻尾が尾鰭になり、

足は退化して、

外からはわからなくなっている。


小さな骨が、その名残程度に

残っているのを、

水族館の模型で見たことがある。


鯨が、陸で暮らしていた頃は、

地球はきっと穏やかな気候で、

人間という困った動物もいなくて、

ずいぶんと、快適だったんだろう。


鯨が、牛の仲間に近いと

何かで読んだが、

わからないでもない。


大きな体になった牛みたいな動物が、

敵から逃げるために、

水の中ばかりにいるうちに、

鯨、みたいになったということか。


重ければ、水の中の方が動き易い。

鯨ほどにもなれば尚更だ。


生きてゆく場所は、

生き物によって色々ある。

人間はどうなんだろう。

中には、海に戻った種族が、

いたんじゃないかと思えてくる。


海に戻った種族、山に戻った種族、

空に飛び立った種族、

どれも人間だけど、姿はちがうのだ。


なかなか、面白いじゃないか。

お互いに人間だから、

住む場所を汚すわけにはいかず、

人間達は地球に、

優しくなれたんじゃないか。


ぼくも、鯨のように姿を変えて、

海か、山か、空に、戻れないものか。

遥かな……人間らしさに憧れてしまう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 鯨って哺乳類なのに海に住んでいて、他にはいない生き物のように思います。 ピノキオの話で鯨に飲み込まれる場面があったけど、 鯨のおなかの中に、大好きなおじいさんがいて、 あったかそうで、なん…
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