7話:塔ノ岳お宝探し1
1つ目の塔ノ岳登山ルートは大倉尾根で渋沢から登り口の大倉まで頻繁にバス
が出ていて一番楽なコースだと言われているが大倉から塔ノ岳山頂を一直線に
行くコースで別名「バカ尾根」とも呼ばれるコースで、よく調べても隠す様な
場所が見つからなかった。
2つ目の塔ノ岳登山ルートは西山林道・小丸尾根経由ルートで大倉から西山
林道を進み鍋割山を目指すコースで小丸尾根を経由して塔ノ岳を目指すコース。
コースの難所である小丸尾根は距離が短く眺望も素敵ですが傾斜が厳く
なっていて、お宝を隠すための適当な場所がなさそう。
3つ目の塔ノ岳登山ルートは、鍋割山経由ルートで、2つの山を登頂する
もので、可能性がないと判断し、外した。
4つ目の塔ノ岳登山ルートは戸沢の出合出発ルートでバス便がなく戸沢の出合へ
、マイカーかタクシーで行き無料駐車場がありますので車を使用して行くこと
になる。距離は短いですが途中はかなりの傾斜の急な登山道。ここは可能性が
あると考えられた。
5つ目の塔ノ岳登山ルートは、戸沢の出合・政次郎尾根経由出発ルートで、
これも可能性が低いと考えた。
6つ目の塔ノ岳登山ルートはヤビツ峠ルートで4つの山を縦走する厳しいコース
で、まず可能性はないと考えた。
以上の中で4つ目は、戸沢の出合出発ルートと決め、このコースを登山る
ことに決めた。1981年4月15日に池袋の家を6時過ぎに出て新宿から
小田急で渋沢駅へ行き観光案内所で戸沢の出会いから塔ノ岳登山する途中で、
川、沢、滝、岩場がないかと聞くと戸沢山荘の近くに沢があると教えられた。
その後、タクシーで戸沢の出会いの駐車場まで15分で着き沢を見つけ流れ
の急な広いではなく上流の林の方へ向かうと隠すには絶好の場所ではないか
思える程の場所を見つけ慎重に岩、石の表面の目印を探し始めて5分してキ
ャンプしてる人も入ってこないであろう岩だらけの場所に出た。
更に上がると大きな石に傷の様な物が見えた気がしたので近づいて刷毛
と虫眼鏡を使い良く見ると←のマークの矢印があった。その方向は山の
急斜面たっだ。構わず崖を登ると一ヶ所、樹木が少ないと思われる場所
に出た。ここじゃないかという予感がし必死に目印を探すと数個の不自然な
岩が山中にあり変だなと思い良く見ると左端の岩に何かが見え刷毛と虫眼鏡
を使い詳しく観察すると☆の印に見えた。
3つ横に並んで埋め込まれた様な石を登山靴で蹴って岩をどけてみると、
土が出て来て持参したシャベルで掘り始めて数分後、何かビニールのような
物にシャベルの先が引っかかった。直ぐに手で握るとビニールのような物に
覆われた小さなプラスチックの10cm弱の立方体に近い箱が出て来た。
ビニールを慎重に剥がし乳白色で岩の色に同化した色のプラスチックを
開けると、もう一つ頑丈な箱があり開けてみると綿か布の様な物にくるまれた
、きれいな石の様な物が出て来た。