5話:大山でのお宝探し1
その後、虎吉の資産が急に増え3200万円となった。家に帰り書類を書いて、
ハンコを押し東京の貴金属店に虎吉の口座を開いた。しかし、この話は、
驚かせたくないので母にも奥さんにも聞かれるまで内緒にしようと思った。
また地図を拡大コピーして探すところを決めようと考えた。
まず人目につく所には多分ないとふんだ。そして矢印は石か岩のにつけて
あると考え岩場、滝、川の急流沿いなども探そうと思った。そう考えると
、最初に富士見平を周辺を探り、滝、沢、水辺も捜そうと考えた。次は
日向薬師の近くの大山に書店の休日の10月5日水曜日に出かける事に
した。
10月5日、朝6時過ぎに家を出て新宿から小田急で伊勢原駅へ行きバスで
大山バス停で降りて8時半に大山のケーブルカーに乗り阿夫利神社駅へ行き、
大山登山道の富士見台に9時過ぎについて捜し出したが細い山道と林、美しい
冨士山の景色で数枚の写真を撮って来たが、ありそうにないと考えて、先に
進んで大山山頂茶屋に到着して沢か滝みたいな所は、ありませんかと聞くと
、小さい滝なら少し戻った登山道の脇にあるよと言われ苔が多いので足を
滑らさないようにと言われた。
あまり行く人はいないとも言った。そこで言われた場所に行くと小さな滝
があり10月で水量が少なく登りやすいので登り7m程上がると岩場に
、よく見る、←の矢印マークが出ていて、その方向に向かうと↑の矢印マーク
があり行くと人が足を踏み入れそうにない雑木林になっていた。
その左側の岩に何か見える気がして持参した刷毛で泥を取り除くと☆の
マークのようなものが見え、その石を登山靴で何回も蹴ると、ぐらつき、
手で岩をどけると大きめの木箱が出てきた。
外側の回りをテープでふさいであり、こじ開けて見ると今度は頑丈そうな
プラスチックのケースが出て来て、その蓋を開けてみると透明なプラスチック
で中に、赤い何か小さな盆栽の様な物が見えた。10cm程の立方体のケース
を頑丈な茶色プラスチックのケースに入れてリュックサックの中に入れた。
そして音がしない様に慎重に歩いて、下りのケーブルカーに乗り下山した。
その後直ぐに家に帰ると午後4時になっていた、昼を食べてないので、
食事をして自分の部屋に入り気づかれない様に洋服ダンスの一画に空間を
作り、そのプラスチックケースをいれた。
翌週の水曜日10月12日に銀座の有名な宝石点に入り、ちょっと見て
もらいたい物がありますと言い、できたら個室で、お願いしたいと言うと、
若い店員が年輩の男性を呼んできて、その男が、こちらへどうぞというので
個室に入りリュックサックから茶色のプラスチックの箱をあけ透明のケース
に入った赤い盆栽のような物を見せると、その男が驚いた様に、これは
、すごいと言い、これをどこで手に入れたのかと聞くと、それは言えません
と答え、理由は、ある人から譲り受けた物ですと言うと、そうですかと
言った。