3話:日向薬師でお宝発見1
虎吉は家に帰って話の内容を母に電話で伝えた。しかし奥さんの田端好恵
には秘密にしておいた。そして土日の混んでいる時は探しにくいと思い平日に
休みを取り出かけようと考え、ゆっくり、捜索を進めようと決心した。
そして1:日向薬師、2:大山、3:塔ノ岳、4:御岳山の中では日向薬師が
、一番探しやすいと考えて、部屋に入り、考えを巡らせた。
まず日向薬師の本堂内部に隠す事は、まずない。次に人々が歩く目立場所も
あり得ないと考え大きな木の回りか目立たない、石、岩、草むら、施設でない
、自然の場所に隠すはずだと考え、参道の左右の林、境内の回りの林、梅林
の近辺と考えて、範囲を500m以内に絞った。
そして数日後、地図の拡大コピーをとり、探す場所に目印をつけた。
5月の連休明けの1980年5月6日水曜、池袋のマンションから
山手線で新宿、そこから小田急線急行で伊勢原へ行きバスで日向薬師に着いて
参道の仁王門から入り右側30mを探し左側の30mも探したがない。次に
境内にはいり神社の人に近くに梅林はないかと聞くと、神社を登り道に
出たところの上が梅林だと教えられた。
虎吉は梅林にありそうな気がして探し始めると石に薄くなっていたが、
何か彫った後を見つけ持参した刷毛で乾いた土を払うと←のマークが出て
来た。その後も目印になりそうな石を目をこらして探していると数m先に、
また→のマークがあり、それたどり10m程先に行くと、その先の土が少し
こんもりとしている気がした。
すると、また↑のマークがあり大きめ石が置いてあり↓のマークがみつかり
掘ってみると何かが手が当たり手で注意深く丁寧に周りの土をどけると
10cmほどの土色の長方形の薄い木箱が出て来て開けると2重のビニール袋
に入った封筒が出て来た。そこで持参したカバンにその封筒を入れて空の木箱
とビニールを入れ、わからないように土をかけて回りの乾いた土を上に
かけておいた。
その後急いで参道を下り伊勢原駅から池袋のマンションに午後2時半に
、帰って来た。そして自分の部屋に入り封筒を丁寧にハサミで封を切ると
、東京の有名宝飾店のマーク入りの便せんに1948年5月8日、真田鋭一
のサインと実印が押してあり何かの番号が書いてあった。
翌日5月7日、神田の本屋に出勤し昼休み急いで、その店に行くと最初、
応対してくれた店員が店主らしき男を呼んできた。そして店主らしき人が、
名を名乗り、ちょっとこちらへと言われて奥の個室に連れて行かれてた。
そして、これをどこで見つけたのですかと聞かれ真実を話し自分が認知
されてない実の子供だというと驚いた様に、私の顔を見た。
ちなみに真田鋭一さんの葬儀の日はいつですかと聞かれメモ帳を見て
、1979年7月10日と答えると、その通りですといった。そして
金地金5kgありますが持って帰りますか、それとも換金しますか、
または継続して、お預かりして金価格が上昇した時に換金しますかと聞くと
、虎吉が、どうしたら一番、私にとって得でしょうかと逆に聞くと、
もちろん金価格が高い時に売るのが一番、お得だと存じますと言った。