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12話:お宝が全部売れた。

 田端虎吉の長男の正一は地元の中学1年生で戸山高校を狙っていた。小さい時

から算数が得意で近くのソロバン塾い通い、既に全珠連1級の免状をもっていた。

 高校に入ると統計に興味を持ち英語は父の持っていた古い洋楽を聞かされ、

興味を持ち始めていて社会、政治経済以外は、かなり優秀な成績で戸山高校に

入っても、クラスベスト10には入る成績だった。


 そして中学時代からの親友の今治富雄の父が東京都庁の職員をして、

そこでのギスギスした人間関係に嫌気がさして。仕事が終われば、すぐ帰って

来る人で、その当時、珍しく株投資をしていた。そして若いうちに金を貯めて、

アーリー・リタイアメント「早期退職」を夢見て旅行や新しい体験を夢見ている

個性的な人だった。


 奥さんも同じ都庁で働き幹部の秘書をやり、ほとんど定時に家に帰って

きて家事をこなしていた。その今治家に頻繁に遊びに行っていたので影響を受け

、株投資やるなら数学が大事で標準偏差、確率を勉強していると良いと言われ、

数学に興味を持った。そして仕事をしながら金を貯めアーリー・リタイアメント

「早期退職」を夢見て旅行や新しい体験をしたいと考えるようになった。


 そのため大学、就職についても両親よりも今治富雄の父の今治哲人さんに聞く

様になった。1981年9月21日に東京の宝飾店から鼈甲「べっこう」が全て

売れましたと電話が入り9月30日水曜日に店に伺うと虎吉が伝えた。9月30日

10時過ぎに東京の宝飾店に行くと社長と担当者が明るい顔で出て来て、あれが

意外に早く高く売れましたよと笑いながら言うので、そりゃ良かったと言った。


 日本では鼈甲「べっこう」素材、そのものが全くないので、取り合いに

なり値段がつり上がりオークションで1枚8百万円で売れたのですと説明し、

合計4千万円。では売買手数料2割800万円で残り3200万円ですねと

言うと社長が鼈甲「べっこう」製品を作らせようと思っていたので、その手数料

も考えていたので8百万円と言わず1千万円をいただけませんかというので、

契約書を交わしたのだからダメとと言うと契約書を25%に書き換えましょうと

言った。


 そして最後に、あなた様ももう一声と言って引き取り値を上げたじゃないですと

言い担当者と2人で頭を下げるので武士の情けだと言い虎吉が了解したと言うと

、既に新しい契約書を作成してハンコを押して欲しいと言われて、しぶしぶ

ハンコを押して前回の手数料20%の契約書を目の前で処分した。


 そして担当者が1年に1人300万ずつですよねとニコッと笑った。その後、

足立さんから何も言ってこないので黙っておこうと虎吉は決めた。すると

足立和男さんから電話が入り、あの件どうなりましたかと言われた。


 そこで、とぼけたふりして、あの件とは聞き返すと、お宝探しの件ですよ

と言うので、あなたの言うとおり丹沢の山に登ってみましたが雲をつかむ様な

話で駄目でしたと言うとやっぱりね、世の中、そんな甘い話なんてないですよね

と笑うので、そうですねと笑いながら電話を切った。これで日向薬師の金、

大山の赤珊瑚、塔ノ岳の宝石、御嶽山の鼈甲「べっこう」で合計7560万円

となった。

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