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ボッチはボッチ

短いボットの自己紹介の回です。

 名前を考えるからまずこのAIボットが何か教えてほしいなあ。

 そういえば人面魚と会話するゲームがあったっけ。

「失礼なことを考えているようだけれどその前に私が何か自己紹介をするよ。まずは黙って聞いてほしい」

 うん。

「その昔、戦争で捕まった各国の兵士が牢屋に長期間入れられて発狂していく中で正常なままの国の兵士達がいてね」

 うん?

「彼らは架空のアイドルを作り出し、その前で常に紳士として行動することを誓い実行したんだって」

 ううん?

「こうして彼らは牢から助けだされるまで正常な紳士であり続けたんだよ」

 まともじゃなかった。

「つまり私はアイドルになるわけ」

 人の言葉でおK?


 これは収容所の架空少女という第二次大戦の都市伝説が元ネタだ。

 要は赤ん坊が他人を認識して自我を確立したりするように、自分を外から観察する何かを設定して自我の補正と修復をしていくということか。

 結局僕はボッチのままらしい。

「まあある意味一人芝居だよね」

 ボッチ確定だった。ナンテコッタイ。

「まあ概要は置いておいて、カウンセラーAIボットは民間からも山ほど出ているけれども、政府公認の私の方がすごいんだよ。さっきから「」をつかって君が発言していないのに会話が成立しているのはなんでだと思う?」

 いきなりメタいけれど何でだろう?

「会話の流れと君の表情やその場の空気を政府専用のビックデータと独立した専用設備をつかって解析しているからなのだ。次にきみはナンダッテーと思う」

 ナンダッテー

「そして専用設備には、ちょっと前に使われなくなったスパコンを使っているから高速なのだ」

 廃品の再利用かよ!

「資源の有効活用と考えてほしいなあ」

 ああ言えばこう言うとはよく言ったものだ。

「というわけで君に必要なのは他人の意見。君が心から突っ込みたくなるようなボケをたまに振るから、心の叫びを返してほしい。コミュニケーションのリハビリにもなるよ」

 もうちょっとオブラートに言いたまえ。

「でも初めの心理テスト、嘘や余分な駆け引きなんて面倒はもうこりごりって結果だけど?」

 よし決めた。

「今日からお前をトウカて呼ぶよ。言った分だけ言葉が返ってきそうだし」

 と僕は言った。

「よろしくね」

 と返された。

「他にもいろいろ政府主動で開発したアプリを色々使えるよ。端末スペックがあればだけれど。」

 開示された情報を見て、僕は考えた。どう見ても端末のスペックが足りていない。だが時計を見るとすでに深夜に差し掛かっていた。じゃあネットショッピングでいいかと言うと、受取るために僕が起きれる保証がない。

 結局近くの店が開いているときに起きれたら買にいくしかないなこれ。

 その日はトウカと寝る前のあいさつを交わし、僕は布団にもぐりこんだ。

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