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ボッチとパーツ

少しグロイです。センシティヴな内容が含まれています。ご注意ください。

 お昼を食べに外に出たわけなのだが、スマホの時代から変わらない事がある。歩きスマホ、歩き端末。

 ズボンのポケットに入れていることって案外少ないのではないだろうか。

「安全上はあまり良くないよね。かといって鞄の奥底だとかだと、私が外を見れないし」

 お得意のビックデータとやらでなんとかならないのでせうか?

「複合振動感知とかもできるけれど、会話の表情とかは直接見た方が確実だからね。君は気持ちが顔に出やすいし」

 そうですか。

「体の末端から神経に流れる微弱な電流を読み取って体の動作状況を知る方法もあるけれど、専門の測定器がないから体に電極を刺さないと無理だし」

 なにそれ怖い。

 結局端末のハジのレンズが出るように胸のポケットに入れることで決着がついた。

「でもこれだと話づらいよ」

 結局カメラに顔は直接写らないからな。魚眼レンズでも取り付けるか。

「顔を合わせて話もできないしあまり好きじゃないなこの状態。VR眼鏡とかないのかな」

 ああ、あれか。少し前までなら流行っていたけどなあ。

「なにかあったの?」

 歩きながら動画に没頭してこけたり事故が多発するからメーカーが自主回収してしまったんだよな。

 今ではモーションセンサー付きでほとんど動かない場合にしか使えないものか、ナビ用に簡単なシンボルしかでないものしか置いていない状況だよ。

「じゃあちょっと難しいね」

 一時期は町中眼鏡だったけどね。情報量にこだわるやつはワンレンズにしていたし。

「サイバーパンクっぽいの?」

 そういうのはあまり流行らなかったな。普通の服装に合うフレームなしの眼鏡が一番多かった気がする。コンタクトレンズ型もあったけれど、機能が少なすぎたしなあれ。

 まあそれはそれとしてマイクとかイヤホンも必要だったら購入していくか。

「ねえ、あそこに中華料理店があるよ」

 こんなところにあったっけ。新しくできたのかな?

「チャーハンの味が見てみたい」

 トウカさんの場合文字どうり味見だから困るんですけれど。


 店に入ってチャーハンと五目野菜炒めを頼むと、壁にかかったモニターのニュースを見て時間を潰すことにした。

「培養脳の人権問題に国際的決着か、ってこれは何?」

 それか。数年前に人間から培養した脳を積んだ武装不審船テロがあってね。

 A国では普通に不審船として撃破、N国では培養脳には人権は適応されないとして生ごみとして処理[ということになっている]ってことがあったのだけれど、O国では培養脳の人権をめぐって議会がもめて軍が動けなくってね。沿岸近くまで接近されて攻撃を受けちゃったんだよ。

「そもそも意識があるかもわからないのに人権って発生するの?」

 生まれたからには誰もが生きる権利があるんだってさ。

「生まれるということの定義とは?」

 精神が停止したまま生まれてきても脳死だしね。精神活動があっても自立的に生命活動ができない状況では人口臓器で生きているとみなされるわけだし。精神活動発生の有無なのかなあ。

「それだと新しい技術が出てきたら体がいらなくなる場合も出てくるのでは?」

 時代によって生まれるということの定義がかわっていくのか・・・

 

 結局その場で結論が出るようなことではなく、途中でチャーハンがやってきた。

 家のAIさんは火を通しすぎと辛口判定を下すのであった。

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