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視線の先  作者: 東雲 葵
1/4

きっかけ

 つまらない授業、聞いてるだけで暑くなる蝉の声、代わり映えのしない毎日。変化なんてせいぜい教科が変わるくらいで、どの教師もただ教科書をなぞり読むようなつまらない授業しかせず、生徒たちの眠気を誘っている。とくに歴史の時間は最悪で、教師の声が念仏のように聞こえて来るほどだ。今日はどの授業もなんとかその眠気に耐えてきていたが、昼食後の歴史の授業は満腹感からくる眠気と合わさり、とんでもない威力を発揮していた。


 眠い――。瞼が自然と落ちてきてしまう状態に古元萌花は困っていた。周りを見渡して見ると眠気に抗おうとしているのが数名、残りは既に夢の世界へと旅立ってしまった様子だった。かくいう萌花自身も耳に届く教師の声は聞こえているものの、何を言っているかを内容を理解する事を頭は放棄していた。


 それでも、完全に寝てしまっては教師からの印象が悪くなる。萌花はもう三年。もうじき受験なのだから、それだけはまずい。何か意識を保てそうな、面白いものはないかと授業中の教師の目を盗みながら教室内を見渡してみる。ふと、目に付いたのは斜め前の席の派手な金色の髪。手を動かしているから真面目にノートでも取っているのかと思ったが、よくよく見てみると指先の動きがおかしい。文字を書いているようには見えない。それどころか、彼は両手を動かしているように見える。何をしているのか、興味が湧いた。


 今まで気にしたこともなかったクラスメートの事だから、萌花はすぐに名前を思い出すことができなかった。記憶を辿りクラス名簿をなんとか思い出しながら、ようやくその人物が上岡翔吾だという事にたどり着いた。一度気になると、何をしているのか詳しく知りたくなってしまうのは人間の性質か。目を凝らして手元をまじまじと眺めてしまう。


 教師が黒板に書いた内容を消して、新しく文字を書き始めるのが視界の端に見えた。この教師の授業は特に教科書そのままな傾向が強い。今日帰ってから復習しても十分理解は間に合うだろう。そう判断して、萌花はノートを取ることよりも上岡の行動観察を優先させた。


 よくよく彼の動きを見てみると、糸を何本か持っているように見える。しかし、さすがに授業中のためか何かを作っているというようには見えない。二色の糸が絡まっているのを解いて、糸の色の選り分けをしているように見えた。目を凝らして見ようと思ったが、黒板を書き終わった教師がこちらを振り向く。上岡の事は視界の端に止めつつ、ノートを取るふりをする。


 既に眠気はどこかへいっていた。

甘酸っぱい青春ラブストーリーの予定で進めていきます。予定は未定。


スマホからの投稿で字下げ出来ていなかった部分を修正しました。

(2017/7/25修正)

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