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みじかん 〜花のヒト〜  作者: ななな
1/5

出会い

初投稿です!!!!


初なのでいろいろ変な所があったりするかもしれませんが、そこは暖かい目で流してくれると嬉しいです。


題名がなかなか決まらなくて、とりあえず頭に浮かんだのが「短い時間」だったのでそれを記入しようと思いましたが、失敗して「みじかん」になりました。意外としっくり来たんでなおしてません(笑)


恋愛×感動を目指してます!

あと、ファンタジー系が大好きなので、入れないわけにはいきませんでしt(((

〈by???〉

わたしはお花でした。

沢山の花が咲いている大きくて広い花畑の誰にも目につかないような所で咲いていたんです。

花畑を見に来る人々は、家族、友だち、そして恋人

そんな人ばかりでした。

わたしはその人達が羨ましかったんです。歩める足があって、つなげる手があって、そして愛がある。心がある。

わたしもそういうことができたらいいのにと、そういうものがあったらいいのにと、暗い所から強く思っていました。




ある晩、わたしに奇跡が現れたんです。

フリルのついた白いドレスを着ている、綺麗で優しい雰囲気の魔法使いさん


「可愛い一輪の小さなお花さん、貴方の願いを叶えてさしあげましょう。

人間になりたいという願いを

しかし、完全な人間にまでは出来ません。人間と全く同じになれるわけではないのです。それに、貴方は一輪の花であり、普通の花と同じように枯れてしまいます。つまり人間よりも時間が少ないのです。

それでもよろしいですか?」


わたしは「はい」としか言えない、その言葉しか言うことがないのです。

わたしに口がなくても、声が出せなくても、魔法使いさんはわかってくれました。


「では、願いを叶えてさしあげます。


いいですか?花は水がなくてはすぐに枯れてしまいます。

水がなければ、一週間ほどで貴方は消えてしまうのです。覚えておいてください。

よろしいですね


素敵な出会いが訪れることを心から願います。


それと、貴方には「名前」が必要です。

貴方の名は…





・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・





〈by高木 優真〉

これは夢だ。今みているのは夢、そう夢なのだ。現実じゃない、現実ではない。

このテストという名の紙に書かれた赤い2桁の数字は夢でしかない!




…と思いたい。


机の上で石になったように固まり絶望する。本当にこれが夢ならば、俺はベットから飛ぶように起きて飛ぶようにホッとしていただろう。


「おいおいどうした優真ぁ、そんな石みたいになって、さては点数が低かったんだろ?わかるぜ…

ここは俺が慰めてやんよ、ほれみせてみ?」

「んなっ、みせねーよ!!!!!

つーかみたいだけだろ?」

「っち…バレたら仕方ねえな、俺のやつをみせてやる、その代わn「却下」


このみるからに馬鹿なこいつは『斎藤 明』(さいとう あきら) という俺の友だちだ

名前のとうりいつも明るい、何があってもとにかく明るい。

前しか見ず弱音をはかない、馬鹿ではあるがいいやつだって心から思える人だ。


「そういやお前、授業終わってから今(放課後)までずっと固まってたよな?そんな酷かったわけ?」

「まあね、結構下がったんだよ、あと言わねえよ?」

「何お前エスパー!!?」

「俺がエスパーだろうがそうじゃなかろうが、誰にでもわかると思うぞ?」


明はえっ…と小さな声をあげるが、またすぐにテンションをあげる。

こういうやつをポジティブっていうのかな…

ちなみに俺らは部活に所属していない、つまり帰宅部。

めんどくさいからというのも少しはあるが、まず興味がある部活がないのだ。

今日は(も)やることが特にないので帰ることにする。もちろん二人で





二人で話しながら歩く、話しているせいか、普段1人で帰る時よりも歩くペースが遅い。


ようやく二人の道が別れるところまでくる、明と手を振って別れ、1人でゆっくりと歩いていると、ドンっと誰かにあたってしまった。何時もなら人とぶつかってもスルーするのだが、何故か振り返ってしまう。何時もとは何かが違う、そんな気がした。


「あっ、うっ、えっと、ごめんなさっ、いや、その、すっ、すいません…でしたっ!」


焦るように謝る人は、薄いピンクのワンピースを着ていて、胸の下辺りに太いベルトを付けた女性だった。パッと見だが、同い年くらいだろう。子供っぽくて、何処か大人っぽいところもあるようにみえる。


「いっ、いいえ、こちらこそすいませんでした」


笑顔でそう返すと、彼女はパァアと明るくなり、「よかったあ!」と子供のような可愛らしいニッコリ笑顔で小さく言った。

髪は性格とあって、綺麗なクリーム色のふわふわとした癖っ毛。

彼女の足元に目を落とすと、思わず声をあげてしまった。裸足でこんな道を歩く人がいるなんて…


「あの、気にしてたら申し訳ないんですけど、靴は…その…」


言葉を探すがうまく見つからない、そのせいであまりうまく話せなかった。彼女の顔をチラ見すると、彼女はキョトンと不思議そうな顔をしていた。


「くつ? くつってなあに??」

「えっ⁈、あ、いや、えっと…」


これはもう言葉が見つからないどころじゃない。

今も彼女が知りたそうにこちらを見つめているが、こっちだっていろいろと知りたいことがありすぎて困る。


「あn「ねえ!!あれなに?! あの、えっと、なんか、お水がいっぱい出てるやつ!面白いねえ」


今度は噴水を指差して元気にこちらを見つめる彼女の顔はとてもイキイキとしていた。

俺が答える前に、彼女は噴水の方に向かって走って行ってしまう。時々何もない所でつまづいて、とても危なっかしい。

みているこっちがハラハラする。


彼女は噴水まで辿り着くと、噴き出る水に手を伸ばしていた。

無邪気な笑顔で水に触れながら遊ぶその姿はまさに「子供」

誰がみてもそう見えると思う。


いつの間にか俺は、彼女の隣まで来てしまっていた。無意識といえば嘘なのかもしれない。


「わたしね、知らないこと、い〜っぱいあるんだ。 だからわたし、消えちゃう前にいろんなこと知りないの!!」

「へえ〜、知らないこと、ね。

それも俺も同じだよ。

あとその足を噴水の水の中に入れようとするのはやめようか。」

「ふんすい!!!!これ、噴水って言うんだ〜。面白くてとっても綺麗だね!」


目をキラキラと輝かせながらまた元気にはしゃいでいる。見た目は俺らと同じくらいなのに、中身は世界を知らない子供のよう。

とても不思議な子だなと思った。

こんなこをほっといて平気だとは全く思えない。


そして今更ではあるが。あることに気付く

彼女は私服を着ている。同じ年齢くらいなんだから学校くらい行っているはずだ。

この時間帯的には普通だとは考えられない。

走って着替えて来たにしても、こんな所を1人でフラフラと歩いているだけなら、そんなに早く着替えなくたっていいはずだ。それとも、学校に通っていないのだろうか。


「なあ、あ、もうタメでもいいよね?」

「ん?う〜ん、いいんじゃないかな?」


きっと「タメ」というのも知らないだろうが彼女は笑っていた、彼女と出会ってから笑っている所しか見ていないといってもいいだろう。

そのおかげでこっちも笑うことができる。明るくなれるのだ。


「あのさ、お前、学校とかどうしてるの?」


そう問うと彼女は最初俺に見せたあの不思議そうな顔になる


「がっこう?…えっと、行ってないと思うよ?」

「えっ⁈ そう…なんだ」


彼女の言い方的に学校も知らないのかもしれない。でも今確かに「行ってない」と言っていた。じゃあ全く知らないわけではないのだろうか


「ねえ!お兄さん、お名前、なんてゆーの?」

「へっ!!?」


突然すぎて思わず変な声をあげてしまった

なんか話がコロコロ代わりすぎて疲れてしまいそうだ。


「えっと、俺は、優真、高木 優真」

「ゆーま…、ゆーまは綺麗な声だね。」

「えっ⁈」

「あのね!!ここんとこがね、ポカポカするんだ〜

ゆーまの声を聞くとね、ポカポカするの!

あったかくて、綺麗な音」


彼女は胸辺りに手をあて、子供っぽいあの笑顔とは違うふわふわとしたやわらかい笑顔で言う。

彼女の頬はほんのりとしたピンク色に染まっていた。

俺はただ黙ることしかできない。


「あ、わたしのお名前言わなきゃだよね

わたしのお名前は「あいか」、愛に花って書くんだって〜」

「へえ、可愛い名前だな」

「えへへ、なんか嬉しいな〜」


「愛花」と名のった彼女は、また子供のように笑う。

彼女の声、髪、笑顔、その全てが、まるで満開に咲く花のようだった。


裸足で世界を知らない不思議な彼女

俺は彼女のことをもっと知りたいと思ってきた。不思議すぎる彼女が、どんな人なのか、こんな興味を持ったのは久しぶりかもしれない。





この時俺は、彼女の足元の草原から小さな花々が咲いていることに気づけなかった。

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