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きっと僕の夢になる。  作者: イフジタダヒロ
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夢見る少年 PART8

 昨日の女性職員が食事を持ってきた。

反省質の鍵を開けて二人に朝食を手渡す。

「おはよう二人とも。」

「おはようございます。」

ユメは元気に笑顔で返すのに対し、ソージは暗い顔で挨拶を返す。

「おはようございます。」

いつも元気よく挨拶するソージをみて女性職員は聞く。

「ソージ君どうしたの。どっか具合でも悪いの?」

「いえ、ちょっと怖い夢をみて。」

ソージはユメをチラ見する。

そんなソージにかまわずユメは朝食を受け取ると二号室に入り朝食を食べ始める。

「気分が悪いなら学校を休みなさいよ。」

「いえ、大丈夫です。」

ソージも食事を受け取り一号室に吐いていく。

女性職員は鍵を閉めて心配そうに首を傾げながら独り言を呟き本館へと歩いていった。

「ユメちゃんと何かあったのかしら?」

 食堂では児童達がソージの事を噂していた。

「ねえ、ソージとユメが反省室だってね。」

「何でもソージが所長を殴ったらしいよ。」

しかし、それを面白く思わない人物がいた。

「おい、その話二度とすんじゃねぇぞ。」

噂していた児童のイスを蹴り脅すように言う。

その人物はユートだ。

 ユートはソージとユメが一緒に反省質に入れられたのが許せないでいた。

それはユートのイジメ相手がいなくなったのと、張り合いあう相手がいなくなったのが気にくわなかったのだ。

裏を返せばユートはソージをライバル視していて、ユメにちょっとだけ片思いしていたのだ。

 全ては出会いの時だった。

ユメの初めて見たユートはユメに一目惚れしていたのだ。

この場合ユメがソージと一緒にいるのが気にくわないと言った方がいいだろう。

 ユートはイライラしながら食堂をでていきたの児童に八つ当たりする。

弱いものイジメである。

ユメがいたときはユメだけをイジメていたけど今は見境なくいちゃもんを付けては児童達を殴って回る。

 そのうちに安堂が飛んできてユートにげんこつをお見舞いし怒鳴る。

「お前は懲りねぇな。いつになったら暴れんをやめるんだ?」

「一生やっめねーよ。」

安堂に食ってかかるユート。

他の男性職員も二人駆けつけユートを取り押さえる。

「離せこのやろう。」

ユートはそのまま反省質送り。

三号室に入れられる事となった。

これはユートにとってありがたいことだった。

隣にユメがいるし、一号室にはソージがいる。

「ユート、また何かしたのか?」

顔を会わせたソージが聞く。

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