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きっと僕の夢になる。  作者: イフジタダヒロ
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夢から覚めて PART4

「どうするのこれから?」

「ソージ君の回復を待ってからしかこちらからは動けんか。」

こうなった以上は人類は再びユメと戦うしかない。


 ユメの行く手を阻む者がいた。

ガッと足を壁に掛けユメの道を塞ぐ。

「待ちな。」

「……。」

「こんな形でお前とやり合うことになるとは思わなかったぜユメ?」

「ミーユか?」

「へー、覚えててくれてたんだね。」

ミーユは嬉しそうにユメの後ろに回りユメの髪の毛をいじりながら言葉を続ける。

「ユメ姉さん。あん時の恨み晴らさせてもらうよ?」

「お前に何ができる?」

ミーユはポケットからスタンガンを取り出しユメの背中に押し当てる。

ビリっとユメの全身に電流が走るとユメはそのまま気絶する。


 これは夢である。

「進入者発見。進入者発見。」

「異常事態発生。宇宙犯罪者がスターシップに乗り込んだとの事。」

「ただちに進入者を捕らえよ。」

「おっとここからは俺の夢にさせてもらう。」

ミーユの夢授与が始まる。


 ミーユの夢にどんどん浸食されていくユメの世界。

楽しいはずの宇宙旅行が招かざる客により暗躍の宇宙旅行へと姿を変えていく。

「これは?」

ユメは苦しむ。

「ソージ兄さん助けて。」

「ソージは来ないぜこれは俺の夢だ。すでに殺されたというシナリオだ。」

尚もミーユの夢の授与は続く。


 これは現実である。

その映像はスクリーンを通して研究室いにいるユート達が見ていた。

「夢授与の能力がここまでとは。」

「ソージさんが回復する前に決着がつくんじゃ?」

ユートとマイコは息を飲む。

実は10分ほど前に研究室にユメは連れ戻されていた。

そしてミーユの夢授与が行われていたのだ。


 夢の世界に戻そう。

「入ってくる。夢がいらない夢が私の世界に入ってくる。」

ユメは苦しみ悶えている様子。

現実のユメにもその影響が出ている。

悲痛のうめき声が研究室中にこだまする。


 現実の世界でソージの治療が終わりを迎えた頃だった。

ガバっといきなりユメが目を覚ます。

「はあはあ。」

ユメはまだボーとしている様子。

だが息づかいは荒い。

そうとうに苦しんだのであろう。


「許さない。お前たち絶対に殺してやるからな。」

不幸にするとかもうどうでもよくなりユメは殺意だけがふつふつと沸き上がる。

「ようやく本性を表したねユメ。」

ソージが足を引きずりヨタヨタしながらユメの方にゆっくりと足を進める。

「長かったけどようやくユメを幸せにできるかもしれない。」

ソージ、二十一歳の春の出来事である。

ユメは十八歳にになっていた。

「宇宙に行こう。二人で。」

「は?何言ってるの?」

ソージの意識はもうろうとしていた。

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