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きっと僕の夢になる。  作者: イフジタダヒロ
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夢見る少年 PART23

「あの時ユメちゃんの能力に気が付いていらばこんな事にならなかったのに。」

「うんうん、もういいよ。それより急にどうして押し掛けてきたの?」

「実ね…。」

ジュンコは今の夢ハウスの状況と、ユメと戦う事をトモコに離す。

「ついに人類の敵と戦うのね?」

「そうよ。」

 完全にユメは人類の敵になってしまった。

「人類の敵ってなんですか。ユメを化け物みたいに言って。」

ソージはユメを悪く言われ憤慨し強く机を叩き立ち上がる。

「落ち着けよソージ。」

「ユートお前はユメの事どう思っているんだ?」

「俺もユメは人類の敵だと思う。現にお前をはじめ他の多くの人を不幸にして殺しているんだろ?」

「それはそうだけど…。」

「ウチも思うんです。ユメは普通じゃないって。」

マイコも割って入る。

「マイコちゃんまで。どうしてユメとは親友じゃないのか?」

「最近まではそう思っていました。でも、この前学校でユメは私に本気で殺意を向けたんです。」

マイコは体をブルブル震わしながら頭を抱える。

そして涙も流していた。

「マイコちゃん。」

トモコはマイコ肩にソっと手をやり慰める。

「マイコまでもがあの悪魔に。」

「ソージ君これでわかったわよね。ユメは人間じゃないのよ。」

ジュンコの形相は鬼のようにこわばっている。

 マイコの父親のアツシが暖かいココアをみんなに振る舞う。

「みんな肩に力が入りすぎているね。これでも飲んで落ち着きなさい。」

「ありがとうございます。」

 ソージたちはココアを一口飲み一息付いた。

「夜も遅い事だし今日は泊まっていくといい。」

「本当にここまでしてもらってありがとうございます。」

ジュンコは深々と頭を下げる。

 

 その深夜一時を回った頃ソージたちの部屋の壁の向こうからなまやしげな吐息が聞こえてきた。

「はあはあ…ソージさん…。」

 自分の名前を呼ぶ声に思わず返事をしてしまうソージ。

「どうしたのマイコちゃん?」

「あ、その…こっちへ来て下さい。お話があります。」

ソージは言われるがままにマイコの部屋に行く。

「ソージさん、ウチこの日をどんなけ待ち望んだか。」

ソージが行ってみるとマイコは全裸でいた。

「マイコちゃん?」

「何も言わずにウチを抱いて下さい。ウチの欲求不満を解消させて下さい。」

「え?ちょっと。」

戸惑うソージにマイコは抱きつく。

「ウチ、前からソージさんのこと好きだったんです。ソージさんにはユメがいるから遠慮してて…。でもでもユメが人類の敵だって分かったから今なら言えるし、それに抱いてもらえばユメにも一歩リードできるから。」

しかし、ソージはそれを拒否した。

「ごめんマイコちゃん。気持ちはわかる。でも、こんなかたちでエッチしても僕は嬉しくない。」

マイコはその場に腰を落とし泣き崩れる。

「そんな、ウチ好きな人に裸でアタックしたのにフラれるなんて。ウチどうしたらいいの?」

「キス…だけならいいよ。」

 ソージはマイコの顎を軽く持ち上げキスをする。

マイコは嬉しさと切なさで涙を更に流していた。

 その様子をソっと覗いていたユートは怒りがこみ上げてきたが拳を握り締め、ソージに静かな怒りを抱く。

「なんであいつは幸せを掴んではそれを自ら捨てるんだ?」

ユートは心でソージを殴っていたそして静かに部屋に戻っていく。

「僕は寝るよ。おやすみマイコちゃん。」 

「おやすみなさいソージさん。」

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