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きっと僕の夢になる。  作者: イフジタダヒロ
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夢見る少年 PART21

 何処へ逃げてもユメの兵隊ばかりで逃げ場を失ったソージ達は仕方なく夢ハウスの門を目指して走る。

途中途中で出くわす夢の兵隊を払いのけて突っ走る。

「もうすぐだ。」

タケルはヤクザ時代の時に培ったユメとの戦闘を活かして予めジュンコに車を用意してもらっていた。

ユメは兵隊達を門の前に集中させた。

この強固なまでのガードを突破するには二十人相手しなければならなかった。

「くそ、ここまで来て。」

ソージとユートは諦めていたがタケルは諦めないで秘策を立てていた。

「ばらまくぞこれを付けろ。」

タケルに言われるがままソージとユートはゴーグルをはめた。

そしてタケルはおもむろに催涙スプレーをまき散らした。

「ぐあ。」

当然兵隊たちは目が開けられなくなる。

「今のうちだ。車にのれ。」

「こっちよ。」

ジュンコが手招きをする。

タケルはまだ襲い来るユメの兵隊たちをなぎ倒しながらソージ達を車に乗せた。

二人が車に乗り込んだ事を確認しタケルも車に乗り込もうとしたが安堂に足を捕まれてしまう。

「く、安堂。」

足で安堂の手を振り払おうとしたが安堂は離さない。

「お前達だけでも逃げろ。」

「でも、タケル。」

「いいから行け。」

「く…。」

ジュンコは車を走らせた。

「絶望の方が勝ってしまったわ。」

ジュンコは悔しそうに言う。

「どう言うことです?」

ソージは聞く。

「タケルはねあなた達だけでも逃がすように言ってきたの。ユメちゃんは最早人類の敵なのよ。」

「人類の敵って大げさじゃないですか?」

「あの子は普通の人間じゃないわ。凄く強い能力を持って人を不幸のどん底に陥れて最後はその人を死に追い込むのよ。」

「じゃあ、俺は死んでてもおかしくはなかったって言うことですか?」

「そうよソージ君。そしてユート君も例外じゃないわ。」

「俺もすか?」

「うん。」

ジュンコは少し考え込む。

そして、二人にとても重大な事を言う。

「今日分かったことらしんだけど、あなた達二人のどっちかが夢耐性っていう唯一あの子に対抗出来る能力を持っているみたいなの。」

「え?」

ソージとユートは顔を見合わせる。

「それってユメと戦えるってことですか?」

「そうよ。タケルはその唯一の望みを人類に託してくれたのよ。」

ジュンコは続けた。

「そして、夢自由型っていう能力と夢共有ていう特別な能力者を探さなくてはいけないの。そうは言っても宛はないけどね。」

ソージは考え込む。

「俺、不思議なことあって実はよく他人の見た夢を自分も見てたってことあるんですけど。」

ジュンコはそれを聞いて頷きながら納得した様子で言う。

「灯台もと暮らしってこのことね。ビンゴよソージ君。タケルも薄々は気づいていたようだけど自信がないって言ってたけども。それがまさに夢共有の能力よ。」

そして、バックミラー越しにユートを見るジュンコ。

「必然的にユート君は夢耐性の保持者になるんだけど。」

ユートは自分が能力者という自覚はない。

「俺も不思議な点が一つあって一回も夢を見たことないんだよなぁ。今日初めて夢と言うものを見させられたっていうか。」

ジュンコはタケルの言ってたことと一致したためユートを夢耐性と認識した。

「これで二人そろったわけだけど。後は夢自由型の能力者が何処なのか分かりかねるわ。」


 その頃マイコは夢のトレーニングをしていた。

「ウチ、今度はソージさんとデートする夢みようかな。」

マイコは夢ハウスで起こっている地獄絵図を知らない。

そして、必要とされていることも全く知らないで夢自由型の能力を使って好きな夢を見るのである。


 一方でタケルは拷問されていた。

「あいつらは何処に向かったの?」

「誰が言うかよ?」

タケルはユメの顔に血混じりの唾をかけて断固としてユメに逆らう。

「貴様あたしの顔に唾をかけやがって。」

ユメは金属バットでタケルを何度も殴り付ける。

「ふん、人間じゃねぇのにプライドだけは一丁前だな。」

殴られながらも尚刃向かうタケル。

「あら、人間じゃないのはあなたでしょう?」

ユメは虫の息で地面に這いつくばるタケルに対し金属バットを頭に振り落とした。

それはとどめの一発となりタケルの意識を無くした。

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