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きっと僕の夢になる。  作者: イフジタダヒロ
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夢見る少年 PART20

 夕食後にユメはソージを裏庭に呼び出す。

「まずいよユメ、こんな時間に二人きりじゃ。」

「あら、怖いの?」

「怖くはないけど。」

ソージは近寄ってくるユメに対し両手で押し退ける。

「やっぱり兄さんはあたしが怖いのね。でも、安心してもう一人来るから。」

暫くするとユートがかったるそうに来た。

「なんだよユメ用事って?」

 その瞬間ユメはソージに抱きつきおもむろにキスをした。

それを見たユートはブチキレた。

「見せたいものってこれか?」

ユートはソージを殴り倒す。

ソージは何がどうなったのか理解出来ないでいた。

ファーストキスが憧れの女の子で、それをライバルの男に見られるシチュエーション。

ソージは戸惑う。

「どういうことだよユメ?」

ユメはクスっと笑いソージ達に背後を見せて嘘泣きしてユートに言う。

「兄さんがあたしにキスさせろってせまってきたの。だから、あたし怖くてキスをしたの。」

その言葉を聞いてユートは逆上する。

「貴様そう言うことが目的で今までユメと連んでいたんだな。許せねぇ。」

ユートは片思いの女の子の唇を無理矢理奪ったソージが許せなかった。

しかし、これはユメが描いたシナリオでソージは全く悪くない。

そんなユメに対しソージは助けを求める。

「ユメ何を言ってるの。冗談でしょ?」

「兄さん…信じてたのに兄さんのバカ。」

ユメはその場を走り去りながらクスクス笑っていた。

「ざまあみろ。男は単純でバカな生き物。わざわざ夢を操って不幸にするまでもないわ。」

そのころ、取り残されたソージとユートは大ゲンカに発展する。

「だから、ユメが俺をハメたんだって。」

「嘘つけ。」

「言っても聞かないなお前は。」

「信じれるかよ。」

お互いに一歩も譲らないケンカ。

ユメの手で踊らされた少年達。

しかし、ソージは突然手を止めた。

「ユート殴れよ。それで気が済むなら殺したっていいよ。」

「なんだよ急に?」

ユートはソージのその言動に手を止める。

「俺は死んでも誓うよ。これはユメの陰謀て事を。」

「そうかよ、なら死んどけ。」

ユートはとどめの一発をソージの顔面にたたき込む。

「………。」

ソージはビクともしない。

「どうしたよ、俺はまだ死んじゃいない。」

ソージは大声を張り上げる。

その迫力に押し負けたユートはソージの言ってることが本当だと思えてきた。

「もし、お前の言ってることが本当だとしても、俺はオメェを殴っちまった以上止めるわけはいかねぇんだよ。」

ユートは殴り続けた。

それをただサウンドバックのように受け止めるソージ。

三十分ぐらいたった頃ユメがまたここに戻ってきた。

「ユート君、大丈夫?」

ユメはソージじゃなくユートを心配する。

「あたし怖くなって逃げちゃってごめんね。」

「………。」

「どけ。」

ユートはユメを押し退ける。

「もう、観念しなよユメ。」

「お前の企みは分かってんだよ。」

「やっぱ、ユメは俺を不幸にしたかったんだな?」

しかし、ユメはしらを切る。

「兄さんが何を言ってるかわかんないよ?」

「しらを切っても無駄だぜ。」

そこへタケルが姿を現した。

「あら、タケル先生までいらしゃったんですか。」

部の悪いユメは切り札をだす。

「兄さん裏切るの?」

恐怖の言葉がソージをまた襲う。

「ユメ止めてくれ。」

それを見たタケルはソージとユートを連れて逃げ出す。

「ヤバい逃げるんだ。」

しかし、夢ハウス全体は既に監獄になっていた。

周りはユメの兵隊たちで溢れかえっていた。

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