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きっと僕の夢になる。  作者: イフジタダヒロ
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夢見る少年 PART19

 夕ご飯までの間ユメはソージに接触する。

ソージはタケルの忠告を無視する形でユメと会話する。

そこまでソージはユメの事を大切な存在として見ているのだ。

「ユメ、本当に俺の事を不幸に陥れようとしているの?」

「何を言ってるのかしら?」

「そうだよな、人の夢を操って他人を不幸にするなんて出来っこないよな。」

「そうよ、タケル先生達兄さんとあたしの中を裂こうとしてるに違いないわ。」

「そうだな、ここは男子と女子が不純に交際したらいけないからな。」

「そうよ。」

ユメはソージに言い聞かせるかたちでこの場をやりすごした。

「ふん、バカな奴ね。あたしが本当にお前を不幸のどん底に陥れてるとは夢にも思ってないだろうな。」

ユメ心笑う。

そして心底おかしくてたまらなかったので思わずクスっと笑いが漏れてしまった。

「ふふ。」

「何がおかしいの?」

「え、あ…何も。」

ソージの質問に目を泳がせながらあたふたと体を揺らし両手を振りながらユメはその場をごまかす。

「まもなく夕ご飯の仕度が出来ますので食堂に速やかにお入り下さい。」

タイミングよく夕食のアナウンスが入りユメはソージを食堂へ誘導する。

「あ、ご飯だ。兄さん行こう。」

ニコっと作り笑顔をとりソージの手を引っ張る。

「そんなに慌てなくても。」

ソージはあまりにもユメがグイっと手を引っ張るからフラつき倒れそうになった。

「兄さん大丈夫?」

「うん、なんともない。それよりユメなんか君おかしいよ?」

「え、何が?」

「さっきから話を反らそうとしてる。やっぱり君は…。」

ソージが真相を言おうとしたときユメから恐怖の言葉が飛び出た。

「兄さんあたしを裏切るの?」

それは、以前に見せられた恐怖の夢だ。

ソージはそれを思い出しフラッシュバックする。

「うああ、ごめんユメ俺が悪かった。」

「それで良いのよ兄さん。」

絶対的な恐怖をソージに植え付けているユメ。

このキーワードを言えばソージは恐怖心でユメに逆らえなくなってしまうのだ。

まさに夢の洗脳である。

「さあ、行きましょう兄さん。」

食堂に向かう二人の背後からユートが走ってくる。

「どけ、飯だ飯だ。」

真っ先に食堂に入りたいユートはソージとユメの間をこじ開けて食堂に走り込む。

「よし、一番乗り。」

そんなユートに対しユメは少しムとし怒る。

「ちょっとあなた何を慌ててるの?」

「お、なんだやろうってんの?」

「お前はすぐにケンカで決着つけようとするな。」

ソージは立ち直りユメの味方をする。

「け。いけすかねぇな。何かあったらお前が邪魔をする。」

ユートは拳を納め自分の席に座る。

「ユメもあいつに関わらない方がいいよ?」

「うん。ありがとう兄さん。」

ユメはまた心の中でためらう。

「どうしてだ、こいつは何故洗脳を解いてる状態であたしを庇ったり助けてくれるんだ?」

ユメはどうしてもそこが理解できなかった。

ソージの優しさはユメを逆に精神的に追い込んでいるのだ。

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