夢見る少年 PART9
そんなソージに対しユートは無言でソージのみぞうちに拳を叩き込む。
「うぐ…。」
ソージはその場に腹を抱えてしゃがみ込む。
殴り返したかったが職員達がいたためここはグっと堪え殴るのを我慢した。
「コラ、ユート。」
またもや、安堂はユートにげんこつをする。
「すまんな。ソージこいつなんだか機嫌が悪くてな。」
「いえ、いいんです。」
ソージは立ち上がりユートを睨む。
ユートもソージをにらみ返す。
「ほら入れ。」
無理矢理三号室に入れられるユート。
「今日は学校行くのはやめておけよ。」
安堂がユートに言う。
「頼まれたって行くかよ。」
売り言葉に買い言葉。
「ソージ、具合は大丈夫か?」
「問題ないです。」
「学校行けるな?」
「はい。」
安堂はソージの頭を軽く平手でポンポンと二回叩く。
「よし、いい子にしてるんだぞ。そうすれば所長も許して下さるだろう。」
「はい。」
ソージはユメを待っていた。
安堂はユメも反省質からだす。
「ユメ出ろ。」
ユメはソージを見るなり抱きつき、ソージをわざとらしく心配する。
「兄さん大丈夫なの?」
「うん、昨日変なユメ見ちゃって。でも、もう大丈夫だよ。」
「よかった。」
ユメはソージの手を取り仲良さそうに夢ハウスを出て学校に行く。
「いってきます。」
「がんばってこいよ。」
安堂が見送る。
その時安堂の後ろから肩をポンと叩く人物がいた。
「安堂、オッス。」
「タケルか。オッス。」
安堂の職員仲間であるタケルと言う人物。
「ユメは、またソージと一緒か?」
「さっき仲良く学校に行ったぜ。」
「そうか。」
タケルは顔をこわばせる。
「どうした、考え深そうなツラして?}
「いや、何でもにない。」
タケルと言う人物は元ヤクザで安堂とタメを張るぐらいの実力がある。
しかし、滅多に手を出さないが怒ると怖いので児童から怖がられている。
それに付け加え「元ヤクザ」の肩書きも手伝っているため職員からも恐れられている。
タケルはユメの能力を知っていいる唯一の人物である。
それは過去に自分の弟分をユメに殺されているためである。
タケルはその復讐の為に児童福祉の資格をとって夢ハウスの職員になった。
そしてタケルもまた夢操りの能力を持っている。
全てはユメへの復習の為にである。