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第一部【きっと僕は夢の中。】
思い描いた夢が壊れる。
そんな恐ろしい事がこれから巻き起こるとしたらあなたはどうしますか?
これは少女に夢や希望を失わされた少年の記録である。
ソージは希望校へ入学する高校生だ。
何もかもが夢と希望に満ちあふれていた。
入学式が終わりソージは公園で昼寝をしていた。
これは夢であり現実ではない。
ソージは夢の中で「ユメ」という少女に出会う。
年の項は12・3歳といったところだ。
ユメの微笑みは怪しくも癒されるものであった。
その笑顔にソージは幸福さえ感じた。
「お兄ちゃん、あたしを見捨てたらダメだよ。」
ユメは悲しげにソージを見つめる。
ソージはその意味が今は理解できいでいた
ここで夢は終わりを遂げた。
これは現実でありゆめではない。
目が覚めると親子連れの家族が歩いていた。
女の子が後ろを振り向きソージの事を見つめていた。
「おい、どこをみている行くぞ。」
その少女は父親に連れられ公園を出ていった。
ソージはこれから起こる不幸の幕開けに気づいてはなかった。
この出来事から三年後の春…。
ソージが学校か夢ハウスに帰宅した時にその出会いがあった。
たまたま気分転換で裏庭にきたときだ。
施設の問題児ユートが二人の子分を連れ一人の少女をイジメていた。
「お前この施設のルールってものを教えてやるよ。」
それを見たソージはその少女を助ける。
「おい、ユート達やめろ。」
「げ、ソージだ。」
ユート達はその場から逃げていった。
「君、大丈夫?」
「あの…ありがとう。」
少女ははまだオドオドしている様子だ。
「大丈夫だよ。僕はあいつらとは違う。見ない顔だけど今日この施設にきたの?」
「うん。」
「名前は?」
その少女の名前を聞いてソージは驚いた。
「ユメ。」
あの時みた夢の少女と同じ名前だったのだ。
暫し沈黙が続く。
最初に口を開いたのはユメだった。
「待っててくれたんだね兄さん。」
ソージはユメの笑顔に恐怖すら感じた。
背筋を凍らし後ずさりする。
「君はいったい…。」
「あの時の少女よ。」
ユメは他人の夢の中に入る事が出来る能力者である。
三年前の春公園でたまたま見かけたソージの夢に入り込み運命を操ったのである。
これからユメはソージ運命を弄ぶつもりでいた。
「これからよろしくね、兄さん。」
ユメは怪しく笑い手を差し出してきた。
握手を交わすソージとユメ。
「こちらこそユメちゃん。」
ソージの運命は狂ってゆく。