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ダイエット制動距離

作者: 朝平 夜

制動距離…車のブレーキを踏んだ地点から、車が完全に止まった地点までの距離のこと。


「あたし今日からダイエットする」

教室で、仲の良い友人と談笑している最中、いきなり梢は立ち上がった。

「何よイキナリ」

友人の由里が訝しげに梢を見やる。梢は頭を抱えるようにしながらストンと椅子に座り直した。

「実はさ、昨日ちぃ先輩とケーキバイキング行ったのね」

ちぃ先輩とは、梢の所属する美術部の一年先輩である森山千秋のこと。

「あ、食べまくって太ったんだ」

「…ビンゴ」

「ヤバいじゃん、来週は彼氏とケーキバイキング行くんでしょ?で、来月はクリスマスだから新しい服買ったんだよね、確か…」

「1サイズ小さいヤツ」

「そうそれ」

「だって仕方ないじゃん、クリスマスくらいオシャレしたいし、でも可愛いのそれしか無かったし!しかもケーキは美味しいし!」

わんわんと喚きながら梢。すると今まで黙り込んでいた友人、美和が口を開いた。

「そっか…じゃあ仕方ないよね。残念…」

「何が?」

不思議そうに梢が首を傾げる。すると、美和はカバンから何かのチケットを3枚取り出した。

「この前出来た高級ホテルのディナー券…当たったんだぁ。でも梢はダメみたいだし…2人で行こっか、由里」

「マジ?ありがと美和!…そだね、梢ダイエットだもんね」

「………やっぱり、そのディナーを体験してからにするわ、だからあたしもっ!」

しばらく考えていた梢は、とうとう音を上げた。


ダイエット制動距離…ダイエットをしようと決めてから、実際にやり始めるまでの期間のこと。

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― 新着の感想 ―
[一言] そして、ダイエットを始めてからやめるまでの期間は、「刹那」というのですよね。
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