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もう恋なんてしない!と思った私は悪役令嬢  作者: 美雪
第六章

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174 お披露目パーティー



 アルード様が手掛けた大噴水の工事が終わった。


 かつて事故が起きた場所だったけれど、二度と同じ事故が起きないように改修された。


 それを祝うため、多くの人々が招待された。


「大噴水は安全になった。これからは安心して大噴水の側で楽しめる。催事をすることもできる」


 多くの拍手が起きる。


 外側と内側の段差が目に見えて減った。


 ベンチとして利用できるようにヘリの部分の幅が増え、座りやすい高さになった。


 大噴水を取り囲む場所には段差調整のための石が敷き詰められたので、噴水の水が跳ねても周囲の土が緩んで靴を汚すことがない。


 以前よりも綺麗、便利、立派になった。


「これより安全になったことを確認するためのゲームを行う。確認役として選ばれた者は大噴水のヘリに上がるように」

「行きましょう!」


 アヤナが私の手を引く。


 私はもう平気であることを示すように大噴水のヘリに上がった。


「覚えている者もいるだろうが、大噴水のヘリを歩き、ハンカチを渡していくリレーをしたことがあった。今回はブーケを用意した」


 白いバラの花のブーケが用意された。


「これよりブーケを渡すリレーを開始する。安全を確認するためであるため、走る必要はない。ゆっくり歩けばいい」


 ネイサンがゆっくりとヘリの上を歩き、アヤナにブーケを渡した。


 女性はヒールのついた靴でドレスのため、安全を考えてブーケを渡すだけ。歩かない。


 男性がヘリを歩いてブーケを運ぶことになっていた。


 アヤナはすぐ隣にいるベルサス様に渡す。


 ベルサス様が歩いていき、ブーケを渡したのはレベッカ。


 レベッカとアクアーリ伯爵家は王宮の催事に招待されていなかったけれど、アルード様がこの催しに招待したことで許されたことが示されることになった。


 レベッカがブーケを渡すのはカートライト様。


 カートライト様はマルゴッドに。


 マルゴットはレアンに。


 レアンはエリザベートにブーケを渡した。


 長期間の不在はダメだと言われていたので、エリザベートはハイランドから戻って来た。


 でも、自分で浮遊魔法、移動魔法、飛行魔法を駆使すればハイランドに行ける。


 風魔法を向上させる気で溢れていた。


 エリザベートがブーケを渡す相手はイアン。


 この催事に出席するよう言われ、留学先のハイランドから一時帰国中。


「今度は気をつけて」


 子どもの時、私にハンカチを渡してくれたのはイアンだった。


「心配してくれてありがとう。今度は大丈夫よ」


 私は向きを変えた。


「アルード様にお届けします」


 私から白いバラのブーケを受け取ったアルード様は満面の笑みを浮かべた。


「確かに受け取った。今度は大丈夫だった」

「そうですね」

「これはルクレシアに贈る」


 アルード様は一度受け取ったブーケを私にくれた。


「白いバラの花言葉はいくつもある。深い尊敬もその一つだが、私こそあなたにふさわしいという意味もあるだろう?」


 なぜ、白いバラのブーケになったのかがわかった。


「私の隣にふさわしい女性はルクレシアだ。相思相愛だからだ」


 相思相愛も白いバラの花言葉。


 アルード様の素敵な笑顔が近づいてくる。


 最後まで見つめていられない。


 どうする気なのかがわかっているから。


 目を閉じれば予想通り。


 キスだった。


 愛の魔法が瞬時に発動する。


「愛している」

「私もアルード様を愛しています」


 私はヴァリウス様の婚約者候補だけど、王太子妃になるつもりはない。


 そのことをちゃんと示したかった。


「兄上に懇願します。ルクレシアと結婚したいです」

「いいですよ」


 ヴァリウス様が微笑んだ。


「アルードの望みを私が無下にするわけがありません。ですが、ルクレシアを私の婚約者候補にしておくのは何かと都合が良くもあります。そこで、アルードの覚悟を確認するための課題を出します。挑戦しますか?」

「もちろんです。どのようなことでしょうか?」

「ルクレシアに光魔法を教えなさい。ルクレシアが光魔法を使えるようになれば、父上も考え直してくれるでしょう」


 えーーーーーーーーーー!!!


 私の先生は容赦ない課題を出してきた。



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