記録No.00 宣戦布告
どうも、はやだきです。初めて小説を書くもんですから、誤字脱字、表現の至らないところあるかと思いますが、どうぞ温かい目で見守ってくださると幸いです。コメント、感想お待ちしております。
「武装兵器人間No.100124!東歴3024年をもって、貴様の第四時世界大戦における戦績を称え、我がドレッドノート軍からの自由を認める。」
30年にわたる第四時世界大戦が終戦した。勝利を収めた我が国は活気に満ちていた。軍の帰還の際には多くの市民が我先と大通りを進む英雄を見に来たらしい。市民に目にはさぞ美しく、カッコ良い英雄が目に映っただろう。
ただ、こんな話を聞いたことがあるだろうか。とある二人の整備士が働いていた。一人は真っ青で綺麗な作業服を着ていて、もう一人は真っ黒に汚れた作業服を着ていた。あなたはどちらが優秀に見えるかと言う話だ。綺麗な作業服を着ていると聞くと聞こえはいいが、それは逆を言えば何の仕事もしていないと言うことを意味するのではないか?何が言いたいかというと、実績と経験があるのは作業服が汚れいている方の人間だ。
話を戻そう。帰還した英雄は美しく、カッコよかったそうだ。もうわかるだろう。彼からは”何もしていない”。あいつらは無能だ。我々武装兵器人間のことは道具としか思っていない。我々が刃向かえないこといいことに、捨て駒、特攻、過労働、挙げ句の果てにはサンドバッグにされる始末だ。おかげで、残った同胞は私だけだ。我々の功績を我が物として誇り、酔いに浸っているクソどもだ。
でも、晴れて私は自由だ。どこで何をしようが指示する奴はいない。それにしても、長く戦場にいた割には案外感情が残っているモノだな。これからどうしたものか。
「おい!聞いているのか、100124!わかったなら返事をしろ」
「わかりました。」
どうせこの戴冠式に意味なんてないくせに。管理が大変で都合の悪い私を追放したいだけだろ。
「もう一つ貴様に言うことがある。誰からは知らんが貴様宛にこのUSBメモリを預かっている。受け取るがいい。」
珍しい、やる気のない上官にこんな面倒ごとをさせるなって一体いくら積んだんだ?そんなことより、このUSBメモリ誰からだ?随分と古いもの出してきたものだ。それに私に渡すなど、どっかの物好きからだろうか。
「頂戴します。わことにありがとうございます。」
まぁ、あとで中身を見てみよう。
「それではさっさと立ち去るのだ。私は忙しいのだ。」
女と遊ぶ時間がそんなに惜しいか猿。
「はい、失礼します。」
ひとまず、帰る場所もないから前哨基地に戻るか。人っ子一人残っていないだろうが。
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予想通り、モノ抜けの殻だった。ここならUSBメモリの中身を心置きなく開ける。
「ビデオメッセージ…?」
思わず声に出してしまった。今時ビデオメッセージなど古いが、手紙のような古臭さと懐かしを感じた。
カチッ
「あーあー、聞こえっかな?よし、大丈夫そうだな。よ!元気してたか?これが見れてるってことはちゃんとあんたらの手に渡ったわけだな。1000万ゴールドも積んだんだ。当然か。ま、そんなことよりお疲れ様。きっと勝利を収めたんだろう。ほんとお疲れ様。私も生き残りって祝杯をあげたかったが、なんせ憎まれる体質だからな。どうせ、上のクソどもにまんまと嵌められたんだろう。ほんと腹が立つぜ。何はともあれ、君らは自由だ。どこで何をしても咎める奴らはいねぇ。好きにするがいいさ。じゃあな。私の分まで生きろよ。」
「……………………………………」
彼女はミカエラ。唯一我々を人間と同じように扱った唯一尊敬できる上官だ。彼女が生きていたならば、我々武装兵器人間はもっと犠牲を出さずに終戦も早まっていただろう。彼女はその優秀さと平等性から多方面から嫌われ、最終的に王都にて暗殺された。何とも、上級国民どものクズ度が知れる。ちょっと待て、ビデオに続きがある。再生してみるか。
カチッ
「続きは再生するのか?やめとくんだな。これ以上再生すると私の呪いの言葉を受けることになるぜw?せっかく自由を手に入れたんだ。わざわざ自分の生きる道を狭めるのはおすすめしないぜw………」
私は一瞬迷ったが、どうせ何も当てもない人生だ。私は視聴を続けた。
「本当にいいんだな?もしかしたら小さな恋をして健やかに平和な生活が送れるかもしれないんだぜ?」
それでも…私は
「笑い事じゃ済まないからな?また、地獄に落ちる覚悟はあるんだな?」
「「それでもっ!私はあなたを…!」」
「……はぁ、あんたは昔からそうだ。どうせあんたNo.100124あんあたしか残っちゃいないんだろう、ここまで見るってことはよう。いいだろう。話してやるさ…
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私は貧民上がりだった。両親は貴族の奴らに殺されたよ。私はあいつらに復讐するために軍に入った。上官になれば奴らに近づけるからな。そんで私はあんたらの前上官の後を継いで上官になったわけだ。本当はあんたらを利用して貴族の奴らをぶち殺そうとか考えたが、抑制装置について知って。無理だと悟った。こいつらをなるべく幸せにして死のうと思ったさ。が、私は見つけちまった、抑制装置をはずせた武装兵器人間をな。やつはそこの部隊の人間を皆殺しにして、逃げていったらしい。ちなみに、事故として処理されているから探しても意味はないぞ。んで、そいつに接触しようと思ったんだが、もう命を狙われるもんでな、明日には王都で殺されるだろうよ。そこで、あんたに頼みたい。私のこの復讐を引き継いでくれないか?あんたらを復讐の道具にしようとした私が言えたことじゃないかもだが、どうか聞いてほしい。奴は北西の雪国へ逃げたらしい。もう、昔の情報だが手がかりはそれだけだ。言い訳に聞こえるかもだが、私はあんたらと過ごせて楽しかったぜ。いい戦友としてな。じゃぁな。今度こそ本当のお別れだな。そうだ、あんたに名前をやるよ、どうせ人間の時の名前なんか覚えちゃいないだろう?今日からあんたは『エル』だ。私の名前から取ってみたぜ。自意識過剰だったか?まぁいいか。こんぐらいが私らしいな!今度こ
そまたな。」
「ウッ……クッ……」
私は気づいたら泣いていた。ミカエル上官はまだ死んでないような感じがした。私はどこか喜びを感じた。私の生きる理由ができた気がした。私は閉じ込めていた、いや、少しあるれている憎しみを全て解き放ち、覚悟を決めた。ミカエル上官、貴方様の意志は必ず受け継ぎます。一緒に美しい世界を作りましょう。死んでいった仲間のためにも私…いや、エルは必ずしや復讐を果たします。
燃えたぎる夕日を背に私は遠くの空に唱えた。
今日が私の開戦日だ。
最後までお読みいただきありがとうございます。これからも続きを書いていきますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします。




