JRのあなうんす
製作期間4分です。
12月26日早朝。
“ギキキィ~~”という耳障りな金属音が響き、私の乗っていた電車が急減速した。
乗っていた乗客のほとんどがよろめいた。そして電車が止まった。
ちょっと高級な私の腕時計の針が示す時刻は7時57分。
何か異常が起こったのは、もう明らかだ。
普通なら、程なく車内放送があるはずだが、果たして・・・
“ブブッ”というマイクの電源がONされる音が、期待通りの間を置いて漏れ聞こえた。
なになに?と耳を澄ます。
「あっ、え~~と・・・いま・・・電車が鹿を敷いてしまったため・・・え~~と、安全を確認し次第の発車となります。ご利用のお客様には、大変ご迷惑をお掛けしますが、しばらく車内でお待ち下さい・・・うわ~、こりゃ、鹿・・・死んだな。ぐろっ!」
ちょっと車掌さん、独り言はマイク切ってから話しましょうよ。
それに普通は「列車が小動物と接触したため・・・」って言いますよね。
相当に慌てていらっしゃるご様子。
お声から察するに、お若い車掌さんとお見受けしました。
でも、なかなか臨場感があって、これはこれでよろしい。好感の持てるアナウンスでした。
たまにJRの車内放送に癒されることってありますよね。
例えば、女性の車掌さんに、
(お気をつけて、行ってらっしゃいませ)
なんてアナウンスをされると、ちょっと心が温かくなるような気がします。
ああ、そう言えば、あれはJR京都線を私が利用していた時代だから、結婚する前。てことは、最低でも18年以上前のことか。
京都と大阪のちょうど中間にあたる吹田駅に、電車が停車した時のアナウンス。
「停車駅は吹田、吹田(すいた~)・・・空いたドアからご乗車下さい・・・なんちゃって」
おい、いま(なんちゃって)って声、聞こえたぞ。マイク切れよな。
あの車掌さん、いまもJRにお勤めなのかしら?
ヤナギ、本日は公共交通機関のトラブルにより、ちょっと遅れて出社します。