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 封筒を開けてみると、俺の持っていた白金貨といくつかの小銭、そしてあの警官さんが書いたのであろう簡易的な地図が入っていた。


 地図にはここから役所までと、役所から銀行までが線で結ばれており、その他ポツポツと店や宿なんかも書いてある。


 なんというか、抜け目がない人だなあ。


「ん?」


 地図をよく見ると、役所や銀行の他に下の方に一つ妙なマークがしてある。地図的に都心部の外れの方にあたる。

 そして傍に小さく「きっと役に立ちますよ」と書いてあった。


 後で行ってみるか。なんか立地的に怖いが。



 その後俺は地図を見ながら無事役所に着き、少しの問題はあったものの、戸籍登録をしてもらえた。

 先程警官に話した通りのことを話して、合わせて警察にも同じ理由で捕まり釈放されたと説明したところ、大丈夫だろうと判断されたのだ。


 この世界には冒険者が多い為か戸籍の登録に住所は不要であった。ありがたい。

 代わりに戸籍カードをもらい、これを門を潜るたびに機械にかざす。するとこのカードの認証と現在地の上書きを行ってくれる。指名手配犯だったりするとそこで捕まるそうだ。



 役所を出たその足で銀行へ向かう。

 銀行では受付で白金貨を出したところ、慌てて後ろの個室へ通された。人前では出してはいけないと思っていたがここでもだったか。

 今度は戸籍カードがあったので手続きはすんなり済んだ。

 ここでは指輪を渡された。中央に小さいピンクの石がはまっている。

 効果はクレジットカードと同じで指輪をかざすと自動でお金が引き下ろされるようだ。ちなみに、これは魔法の類で指から抜けなくなっている。外せるのは対象の銀行だけだ。



 銀行をでて現在夕暮れ時。

 宿に向かう途中の商店街では人がごった返していた。

 併せて焼肉のような旨そうな匂いもする。

 明日のご飯はここで食べてもいいかもしれない。



 商店街を通り抜け宿屋に着く。

 見た目は木造建築の5階建てで、結構しっかりした作りだった。

 この時間で空きがあるか不安だったが一室だけ空いていたらしい。 ……警官さんのおかげか?


 部屋はシングルベッドの置かれた普通の部屋だ。朝・夕食付きで5000Gゴールド。支払いは先程前払いで済ませた。

 部屋に入ってから動きが鈍くなった身体を引きずり、風呂に入る。

 およそ3日ぶりの風呂は筆舌尽くしがたいほど心地よかった。寝てしまわないか心配だったが寝なかった。なんとか。


 疲労のあまりに夕食も食べずにベッドへダイブする。


 明日は、書かれていた場所に、向かってみる、か。


 「すぅー、すぴー」


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