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フヨフヨ  作者: 猫田一誠
08 死都
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055 留学生

翌朝、久しぶりの登校となったナナ達は朝食を済ませ、中庭に集合している。


ロッテ、ナナ、ジル。そして何故かミケ、クルル、トラもいる。


「ニャんだこれ!!?」

「怪獣ニャ!?怪獣ニャ!?」



目の前に止められた魔導車に驚いているようだった。


「これは乗り物なんですよ。」


ロッテは車体をつんつんしているニャンニャン達に声をかけながら乗り込み、セロの隣に座る。


「ミケ達も乗るんだ。学院に行くぞ。遊びに。」


ロッテの逆側、これまたセロの隣に乗り込んだナナは、ミケ達も学院に連れて行くつもりのようだ。


「ナナちゃん、遊びに行くんじゃなくてお勉強だよ?」



魔導車は走り出し、その内部では、動き出した景色にミケとクルルが大騒ぎしている。


「動いたニャ!?」

「どうニャっているのニャ!?」



大橋を渡り、エトワールを拾う。


「おはようございます。」


お辞儀をして車内に乗り込むエトワール。

セロはいるはずの人間がいないことに気付いて、少し元気のないエトワールに尋ねる。


「あれ?エトワール一人だけ?ルーシアさんは?」



聖壁騎士団が不在の為、人員不足の所をなんとか衛兵達の過重労働で穴埋めしていた。

そしてついにどうにもならなくなり、王城を防衛していた近衛騎士団も動員されることになった。


そんな矢先に騎士団長の帰還。ルーシアは当然のようにそちらの指揮を執ることになった。


しかし、第一王女の護衛が不在という訳にはいかない。

大勢の新たな護衛候補を全て却下して、護衛が不要であるとの主張を曲げず、現在に至る。


「という訳ですの。」

「むしろこれまでが不思議なくらいか。」


エトワールは小さく頷いて座席に座る。

そしてそのまま溜息をこぼす。やはりいつも一緒にいたルーシアがいなくなったことで気落ちしているようだ。


そんなエトワールの視界には大騒ぎするミケとクルル。


「って!!何でミケさんとクルルさんがいますの!?」


唐突に立ち上がるエトワール。

そしてジルに抱っこされているトラを発見する。


「トラさんまで!!」


一気に騒がしくなる車内。


「くるくるはあほニャ。学院に行くからここにいるのニャ?」

「だからそれが何故かと聞いているのですわ!それに私はエトワールですわ!」


「こら!くるくる!騒がしいのは淑女じゃないんだぞ?レディーの嗜みだぞ?」

「これが騒がずにいられますか!!」


「学院はペット禁止だからね。ミケ達はペットじゃなくて仲間なんだけど理解を得られるかはわからないよね。」


セロの発言にエトワールも同意する。


「そう!それですわ!私もそれが言いたかったんですのよ!?」

「大丈夫だ。脅せばなんとかなる。」


「なる訳がないでしょう!!?」


もはや口癖のようになってしまったナナの返答に反発するエトワール。


「ナナ、学院は敵じゃなくて味方なんだから、脅さずになんとか説得してみよう。」

「むぅ、兄ちゃんがそう言うなら、あたし説得してみるぞ。」


「でもミケ達なら普通に入学試験を受けても合格しそうなんだけど。」


勇者の恩恵を持つミケはおそらく鑑定されるだけで合格。

クルルとトラも有効な恩恵を所持している。しかもナナの付与術で恩恵を追加することもできる。

さらに種族特有の鋭敏な感覚も所持していることから、セロは合格確定だと考えていた。



「ほら、俺達の時もたしかどこかの偉い人がごり押しして試験が開催されることになったとか言ってただろ?」


今回もやって貰えたりとかしないかな?セロはエトワールを見つめて何気なく言った。



ぎくり。


何故かエトワールが車内の床に手をついている。


「うぅ…、わかりましたわ。できるだけのことはしてみますわ。」

「ありがとう、エトワール。俺もできるだけ手伝うから。」



学院の正門で、アランが魔導車の到着を待っていた。


門の外で停車し、皆が車を降りる。


いつものメンバーがぞろぞろと降りてくるのを眺めつつ、アランは近付いて来る。


「おっす…!?」


挨拶をしたまま固まるアラン。

皆に続いてミケ達が降りて来たからだった。


「連れてきちまったのか!?大丈夫なのかよ!?」

「あたしの説得にかかればきっと大丈夫だ。」


何故かナナは自信に満ち溢れている。


「いいのか?セロ?」

「とりあえずエストさんの所に行って聞いてみよう。」



一行は学院長室へ向けて移動を開始した。



コンコン。


エトワールを先頭に、まずはノックから。


「どうぞ。」

「失礼しますわ。」


そして入室。ミケ達には入室を待ってもらい、その姿を隠す。


「殿下、私に何か御用ですか?」


エトワールはドカドカと室内を学院長の机に向けて突進する。


(気合いと根性と勢いで押し切ってみせますわ!!)


ダンッ!


大きな音を立てて学院長の机に両手をつく。


「学院長!!今すぐ編入試験をお願いしますわ!!」

「は?」



そしてエトワールの申し出は至極あっさりと却下された。



ナナはミケを抱っこして立っている。

エトワールはクルルを抱っこして立っている。

ジルはトラを抱っこして立っている。


そんな三人と三匹をジト目で見ている学院長という構図が出来上がっていた。




「という訳なんだ。俺達の新しい仲間の入学を許可して欲しいんだけど、どうかな?」


「言いたいことは分かりました。そしてこちらの猫さん、いえ、ニャンニャン族の方が入学試験に合格可能な能力を持っていることも理解しました。」



「やっぱり駄目かい?エストさん。」


エストは盛大に溜息をつく。


「通常なら当然却下する所ですが…。」


セロやナナの願いを無下にする訳にはいかない。

可能な形で、可能な限りの便宜を図らねばならない。


(でもそれを表に出す訳にはいかない。彼らの教育上、非常によろしくないわ。自分達は無理を押し通せるんだ~、なんて考えてもらっては困ります。)


「一般生徒枠での中途入学を認める訳にはいきませんが…、辺境からの特別留学生ということで許可しましょう。」



なんと許可されてしまった。


「やったぞ!あたしの説得の成果だ!!」


ナナとミケは笑顔を向け合い喜んでいる。

エトワールとクルル、ジルとトラも同様だ。


「親分は何も喋っていないはずなんですが…。」


実際に説得したのは殆どがセロとロッテによるものだった。



「くるくる、使えねぇ。」


そしてナナの呟きが引き金となり、学院長室で騒ぐ幼年組の三人。



「まぁ、うまくいったんだからよしとしよう。」

「今回限りの特別措置ですからね!?」


学院長はしっかりと念を押す。



こうして、王立学院史上初の亜人種の学生が誕生したのだった。




幼年組の教室にナナ達三人が機嫌よく入室する。


久しぶりの姿にクラスメイト達が集まり騒ぎ始める。


「ナナちゃん達、しばらく見なかったけど何やってたの?」

「森を探検していたんだ。」


「森?兎狩りとか?」


質問した付与術士のエリンは近場の森で狩りでもしていたんだろうと予想しているようだ。


「森ゴブリンをやっつけて…、狼をやっつけて…、ニャンニャンと仲良しになって、耳長村を探検して…。」


いつものごとく正直に返答するナナ。

しかし今回はジルもエトワールも誤魔化そうとはしない。


どうせこの後やってくる留学生を見たらばれてしまうからだ。


「ゴブリン?狼?近場にそんなのいたっけ…?」


それにニャンニャンとか耳長とかって何なんだろう?

エリンは当然のように訳が分からず首を傾げるのだった。



やがて教師が入室し開口一番に言った。


「今日は、皆さんにとても重大なお知らせがあります。」



教師は王国の全体地図を貼り出し、皆に説明する。


「王国の西端にある辺境都市エッフェ・バルテがここです。」


正確にその位置を指し示すと、続けて質問する。


「ここからさらに西には何があるか、知っている人はいますか?」

「「「は~い!!!」」」


皆が一斉に手を上げる。


ナナだけがきょろきょろと周囲を見ている。

どうやらよくわかっていないようだ。



「ウートガルド大森林です!」


教師に指名されたエリンが元気よく答えていた。


「はい、正解です。王国の国土の約7倍と言われる広大な面積を持つ大森林ですね。」


教師は解答を補足し、さらに問題を追加する。


「それでは、このウートガルドに暮らす主な種族について分かる人はいますか?」


さすがにこれには答えられる者はいないかに見えた。

が、一人だけ手を上げている者がいる。


ベリス・ローランドだった。


「南東部には森ゴブリン。南西部には牙狼族。北西部には耳長族。北東部にニャンニャン族。そして中央部に森の魔女…です。」

「ローランド君は勉強してますね。よくできました。」



そして前振りが終わり、教師が説明を開始する。


「昨日まで、日冒部のみんながこちらの森で部活動を行っており、ニャンニャン族や牙狼族ととても仲良くなったんだそうです。」


学院長から知らされた事情をそのまま喋ってはいるが、教師自身とても信じられないという顔をしている。



そんな中、ジルとエトワールはひそひそと話し合っている。


「いいんですの?完全に情報公開しちゃってますわよ?」

「どうせミケちゃん達がやってきたらばれちゃうし…。」



教師の説明は続く。


「今回、特別留学生ということで、ニャンニャン族のお友達が三匹、新しいクラスメイトになります。ミケさん、クルルさん、トラさん。どうぞ。」


ミケ達の入室を促す教師。

しかし、誰も入ってくる気配はない。


生徒達が辺りを見渡し、ざわつき始めた頃。



カリカリカリカリ…。


扉を引っ掻く音がする。



「先生、ミケ達は扉の取っ手に手が届かないから開けてやらないと駄目なんだぞ?」


「あ。そういえば…。」


慌てて扉を開ける教師。そして入室するミケ達。



「「「猫!!!?」」」


ミケ達はきょろきょろと教室を見渡す。

そしてナナ達を見つけて駆け寄ってくる。



「「「二足歩行で走ってる!!!?」」」


ナナ達三人の隣に座るミケ達。


「お勉強って始めてニャ。楽しみニャ~。」

「ウチもニャニャ達が着ている服が欲しいニャ。一緒がいいニャ。」

「大人しくするのニャ。最初が肝心ニャ。第一印象ニャ。」



「「「喋った!!!?」」」


教師含め、ナナ達以外の生徒は皆、初めて目にするニャンニャン族に度肝を抜かれていた。




そして、当然のようにナナ達の周りには大勢の生徒達が集まり、質問攻めにあっている。


「ミケちゃんって言うの?可愛い!!」

「クルルちゃんモフモフで可愛いね!持って帰りたい!!」

「トラ君、抱っこさせて!!!」


「ちょっとだけニャ。ジルが寂しがるといけニャいからニャ。」


ミケとクルルはもみくちゃにされて会話どころではない様子。

ジルに抱っこされていたトラだけが返答できているようだ。



「そんでな、あたしとジルとくるくるが、あたしの付与術で猫に変身してニャンニャン村に潜入したんだ。」

「そんな付与術も使えるんだ。すごいね、ナナちゃんは。それでどうなったの?」


「あたしの爆裂拳でニャンニャン村が壊滅した。」

「ナナちゃん!?何をやってるの!!?」


衝撃を受けるエリン。


ナナの説明は大胆に間をはしょっていた為、誤魔化しも必要ないようだった。

ジルとエトワールは息をついて安堵していた。



「あの…、昨日までウートガルドにいたナナちゃん達がなんでここにいるの…?」


そしてナナ以外のメンバーはこの質問をされた時の対応を決めていたようだった。


流れるような動きでエトワールがナナの口元を押さえる。


「むぐっ!?」


続けてジルが立ち上がり、発言する。


「ナナちゃんはよく覚えてないから私が代わりに答えるね。」


ジルは森の魔女の転移魔術で送ってもらったんだと言い切った。


「!!!?」


混乱するナナに、皆に聞こえないよう小声の通信を送るエトワール。


「転移術は内緒だって、セロ様が言っていたでしょう?」


ナナは大人しくなった。できる妹であるナナはセロの言いつけを守らねばならないのだ。

すでに結構人目を気にしなくなってきているので時間の問題かもしれないが。



「行くときも森の魔女が転移で迎えにきたんだよ。森がピンチだ~って。」

「そうなんだ~。」


ただ一人だけ、ベリスは顔を引きつらせていたが、それに気付く者はいなかった。




昼食の時間になり、食堂に移動する。



「おい、本当に猫が歩いてるぞ。」

「喋るって本当なのか?」


「可愛い~!」

「頼んだら抱っこさせてくれないかな?」


ミケ達は移動中も注目の的だった。


ただし、他のクラスにも教師から留学生に関しての連絡があったようで、注目は浴びているが大きな騒ぎになるようなことはなかった。



「どうだった?人間達の学校は。」


食堂でセロ達と合流する。


「まったくわからニャかったニャ!!」

「会話はできるけど文字が読めニャいのニャ。」


「文字か。まぁ、ちょっとずつ憶えていけばいいさ。」



席を確保し、昼食をとる。


椅子に座り、ナイフとフォークを上手に使う前掛けを着けた猫達に皆が注目している。


「フォークとか、どうやって握っているの?」


思わず話しかける生徒も現れる。


「こうやって、肉球で挟むのニャ。」


ミケは人見知りしないタイプのようだ。普通に返答している。



「この分だとミケ達にもすぐ友達ができそうだね。」


何気ないセロの言葉に、ナナは以前の事を思い出す。


「兄ちゃん、友達を作るのは難しいんだぞ?逃げたりするんだぞ?」


どうやらジルのことを言っているようだ。


「そ、それは…。」

「ナナ、ジルはいじめっ子にナナが攻撃されないようにって、ナナを守る為に逃げてたんだよ?」


セロの言葉に、ナナはジルの方を向いて聞いてみる。


「む?そうだったのか?本当はあたしのことが好きだったけど仕方なく逃げていたのか?」


「う…。」


ジルは赤くなっている。




「そういえばそのスープ、玉ねぎが入ってるけど大丈夫なの?」


付近の女生徒がふと、声をかけてきた。


「ん?玉ねぎ?」


セロは不思議そうにスープを見る。

猫には食べさせてはいけないものがあるのだそうだ。


「玉ねぎとかニンニクとか、チョコや生卵…、あとなんだっけ…。」


女生徒は一生懸命思い出している。



「そうなの?トラ、みんなスープ完食してるけど、大丈夫?」


ジルは隣のトラに聞いてみる。


「大丈夫ニャ。ニャンニャン族はネギとかも平気ニャ。」


「猫とは違うのニャ!猫とは!!」

「そうニャ!そうニャ!」


ニャンニャン族は何でも食べるらしかった。




午後の授業も終わり、部活動の為に部室へと集合する。


六人と三匹の部員が揃った事を確認してから、セロは今後の活動予定を語った。



「俺からは二つだけだよ。まず一つは私事で悪いんだけど迷宮都市の問題解決。」


オルガン率いる商会員を帰還させないとそろそろ店がまずいことになりそうなのである。


「でもあっちはある程度目途がついてんだろ?」

「らしいね。でも一時的なものらしいから、放置もできない。」


商会の皆を戻し、代わりに自分達が後を引き継いでどうにかしようという考えのようだった。


「要は迷宮をどうするかってことだよな?いっそ埋めちまうってのは?」

「それができるのなら手っ取り早いとは思うけど、やっていいのかな?どう?ロッテ。」


ここにいるメンバーで最も迷宮都市の事情に詳しいであろうロッテに尋ねてみる。


「確かに有効だとは思います。ですが迷宮での狩りで生計を立てている方は多いです。迷宮の封鎖は彼らから仕事を奪うことになります。」


さらに、迷宮から持ち帰られる素材を使った製品を製造する者、それらを販売する者、消費する者。

迷宮都市が多くの失業者で溢れかえることになるのではないかとロッテは推測する。


「なら以前の状態に復旧するのがベストってことになるのかな?」


「そう思います。けど人命には代えられませんから、可能であれば、と私個人は希望します。」



少しの間、思案に耽ったセロは決断した。


「じゃあ、可能になるように俺達みんなで頑張ろう。ロッテの故郷を寂しい街にする訳にもいかないしな。」


皆が笑顔でこの意見に同意した。


「皆さん…、ありがとうございます。」


ロッテもまた、嬉しそうに礼を言う。


「ロッテ、親分に任せておけば全て大丈夫だ。悪者はあたしが倒す!」


ナナはよくわかっていないようだったが、それでもロッテは嬉しかった。


「ありがとうございます、親分。」



「具体的には、それを可能にする為の調査から始めたいと思ってる。魔物の大量発生の原因や、迷宮自体の調査かな。」


皆も異論はないようだ。


「迷宮の魔物との戦闘は、アランとエトワール、それとミケ達。サポートにジル。俺とナナは基本的に手を出さないつもりだ。」


第三層までは大した敵はいない。

セロはそう判断して、メンバーの強化を図るつもりだった。


「望むところだぜ!」

「ですわ!!」


大森林ではあまり戦闘に参加していないアランとエトワールは特にやる気になっているようだ。



「それとね、もう一つの活動予定なんだけど、衛星都市ロマリアへの潜入を考えてるんだ。」


セロは迷宮都市の問題が解決した後の予定を説明する。


「北と南の戦況はどうにもならない。停戦交渉もこの状況だとかなり厳しい条件を飲むことになると思う。」


現在の圧倒的な劣勢は交渉にも大きく影響するとセロは言った。


「そこでロマリアだ。この都市での活動にはいくつかの目的があるんだ。」



まずロッテが親父をボコる。そして今回の侵略の発案者である親父にその目的を吐かせる。


「セロさん、あの…。ボコったりしませんから…。そこは問い詰めるとか…。」

「そうだぞ、兄ちゃん。ロッテは雑魚いから逆にボコられて泣いて帰ってくるに違いない。」



ふにゅっ。


じたばたじたばた。



いつものようにロッテに捕まったナナをそのままに、話を続ける。


「じゃあ、問い詰めるってことで。」


停戦交渉前に情報はいくらあっても困らない。


何より、皆が聞いてみたかった。


王国でも屈指の大貴族であるカールレオン公爵がどんな理由で国を裏切ったのか、と。



次に、ロマリアに駐在している一万の戦力。

これを味方につけることができれば。それが無理でも、無力化もしくは中立の立ち位置に持ってこれれば。


「停戦交渉時にかなり有利に働くんじゃないかな?」

「そんなことできんのか?」


「兵士達の状態を確認してからでないと、作戦も立てられないしね。具体的には潜入後に考えるってことで。」


公爵の命令で強制されて裏切っているのか、それとも何らかの術で操作されているのか。


まずは情報を入手してから。

ロマリアに関してはそのようにまとまった。



そして皆が立ち上がる。


「ではまずは迷宮都市からですわね。」

「よ~し!!みんなあたしについて来るんだ!!」


ナナは転移門を開き、迷宮都市へ向けて出発した。

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