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フヨフヨ  作者: 猫田一誠
07 大森林
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054 秘宝返還

朝になり、朝食の席で食事を済ませた皆の顔を見回す。


ナナ以外のメンバーは皆、食後のお茶を楽しみながらそれぞれの会話に興じているようだ。


セロはここで月光石の入手を皆に知らせることにしたが、先にもむもむとやっていたナナが立ち上がる。



ごっくん!


最後のお肉を飲み込むと、ナナは収納から綺麗な石を取り出して言った。


「みんな、見れ~!」


月光石を手に持って食堂を駆けまわるナナ。


「親分、お行儀が悪いですよ。」

「フヘヘヘ!!こいつでマゾもあたしに泣いて謝るに違いない!!」


ナナはすっかり調子に乗っていた。

そして月光石の入手を知らされていなかった者達は皆一様に驚いている。



「は?それってあれじゃねえのか!?何でナナが持ってんだ!?」


あるはずのない品物を前に、思わずアランが立ち上がる。


「あれからパズルが完成して隠し場所が分かったんですの?」


エトワールは事情を知るであろうセロに尋ねる。


「いや、そっちは駄目だったんだけど、ジルが閃いてくれたんだよ。別の捜索方法を。」


本物と偽物の材質の違いに着目して、探知によって隠し場所を特定したことを皆に説明する。


「ジルは賢いニャ~。」


仲良しのトラがジルを褒めると、ジルはおもむろにトラを抱っこして赤くなっている。



「綺麗ニャ石ニャ!綺麗ニャ石ニャ!」


ミケとクルルはナナと一緒に走り回っている。



「間違いなく本物の月光石だ。我も保証しよう。」


驚愕にしばらく声が出なかったダイモスもその真贋を保証する。



「ようやく終りましたわね…。」

「そうですね。王国は現在窮地に立たされていますから早く戻らないと。」


エトワールとルーシアは王国の重鎮だ。他国からの侵略を受けている現状では仕事も山積みだろう。


「二人共、手伝ってくれてありがとう。石を渡したらすぐに王都へ送るから。」



「それがいい。この状況で第一王女と近衛騎士団長が不在なのはよろしくないでしょうし。宰相殿に過労で倒れられても困りますからな。」


ブランギルス伯爵が会話に参加する。

そしてそれに追従するようにジェイとメイサも。


「セロさん、俺達、このまま伯爵様の所で働かせてもらえることになったんだ。」


これは早い段階で決まっていたことなのだが、セロ達の問題が解決するまではと保留にしていたらしい。


「そうなんだ。なら住居と仕事の心配はいらないね。よかった。」

「本当にいくらお礼をしても足りないくらいです。ありがとうございました。」


メイサは深く頭を下げた。続けてジェイもお辞儀する。



「あとは月光石をローバルに届けるだけだ。奪われないように注意しないとね。」


そしてセロ達はそのまま王都に帰還するつもりであることを伯爵とジェイとメイサに正直に告げる。

転移術を秘匿することをすっかり忘れて使いまくっていたことで、逆に開き直っていた。



セロはメイサに預けておいた魔導具を回収。



「伯爵、今後は牙狼族やニャンニャン族とできるだけ敵対しないようにしてくれるとありがたいんだけど。」

「我からも頼む。こちらも同胞達にはいたずらに人間を攻撃しないように伝える。」


セロとダイモスは大森林の今後を見据えた提案を伯爵に伝える。


「そうですな。あの灰色の人狼の悲劇は我らにも非があります。最大の努力をすることを約束いたしますとも。」


伯爵自身も思う所があったようだ。

フォボスとアキームに関して、責任を感じているように見える。



これで三種族が仲良くなっていけたらとセロは願う。

勿論、そう簡単にはいかないことも分かってはいるのだが。


「兄ちゃん、そうなったらこの街に狼やニャンニャンが住んだりするのか?」


何気ないナナの言葉に、辺境種族の共存する姿を想像する。


「実現したら素敵だと思うよ。そうなったらこの街にも支店を出して、牙狼やニャンニャンとも商売するかな。」




皆で笑いあった後、日冒部のメンバーとダイモス、ミケ達は牙狼族の集落へと転移していった。



ダイモスを先頭に牙狼族の集落に立つ一行。

すでにローバルから色々と伝達されているのか、牙をむく狼はいない。


群れの中から一回り大きい体躯の白狼が姿を見せる。


「ロール。あたしいいもの持ってきたぞ?」

「少女よ、我はローバル…。」


ナナはローバルに月光石を返還した。

ローバルの目は驚きに見開かれる。


「なんと…。一体どうやってフォボスを…。」

「いや、そっちは無理。フォボスが石を持ってたら入手不可能だったよ。」


セロは石を手に入れた経緯をローバルに説明した。



そしてローバルは石を受け取ると、一行に対し首を垂れる。


「ダイモスの治療。そして森の騒乱の解決に尽力してくれたこと、礼を言う。」



その言葉と同時に、ナナのものでない転移門が現れた。


「ゲームクリアね。おめでとう、ボーヤ。」


現れたのは魔女。


「見事だ、少年。」


続けて牙狼形態のフォボス。


「予想以上に早く取り返されてしまいましたね。私の完敗です。」


最後にヴォロス。



森の魔女の登場に、牙狼達はローバルの周囲や背後に避難して震えている。


「あら。怖がらなくてもいじめたりしないわよ?」



「う~。」


ナナもまた、いつもなら突っかかっていくはずが、ヴォロスもいるのでロッテの後ろに隠れている。



「フォボス…。」


ローバルとダイモスはフォボスに警戒しているようだ。



フォボスと森の魔女。

どちらか一方でも暴れ始めたら抑え込むことはできない。


しかしセロは彼らが戦いに来た訳ではないであろうことを確信していた。



「先生、これでゲームが終わった訳なんだけど、結局どっちが勝ったの?」

「君の勝ちですよ、セロ。私は侵略戦の停戦交渉時まで君を足止めするつもりでしたからね。その成長、確かに見せてもらいました。」


ヴォロスの口調は、かつてのセロの恩師、エルンストのものだった。

しかしそれも一瞬。口調を戻したヴォロスは特典の説明を始めた。


「ビフレスト商会を攻撃対象外とし、魔女殿も各地の戦闘に不参加とする。これらの特典は停戦交渉終了時までです。」


セロはヴォロスの言葉に頷いた。



「兄ちゃん!先生交渉をしなければいいんじゃね?マゾ戦えない、ずっとあたしのターン。あたし勝利だぞ?」

「親分、停戦交渉ですよ?」


「駄目だよ、ナナ。停戦交渉をしないと王国が滅んじゃうよ?」


「?」



セロは王国の現状をある程度把握しているようだが、ナナはよくわかっていない。


「では勝利報酬のおまけに、私からいくつかの情報を贈りましょう。」


ヴォロスは今一度、最新情報も含めて王国の現状を簡単に説明してくれた。



「セロ君達も知っていると思いますが、南海から進軍した連邦海軍は現在、公爵領南部開拓地を制圧、占拠している状態ですね。」


海都の2号店とのやり取りによると、連邦海軍はセロとの取り決めは遵守しているようだ。


「これに帝国領を通って陸路を進軍してきた連邦陸軍が合流しています。その戦力は約二万。」


明らかにされていなかった新情報に皆が驚愕する。


「先日、城塞都市ラムドウルが帝国軍に降伏しました。白銀帝国はアムドシア要塞を司令部とし、すでに民の入植が進行中です。」


続けて北方の状況も語られた。


「帝国軍は約一万五千の大軍で都市を包囲。ラムドウルはほぼ無血開城の状態だったそうです。」


聖壁騎士団の戦力は五千。現在はこれを分割して救援に走っている。

戦力差は歴然。セロの指摘通り、一刻も早い停戦を実現できなければ国家の存亡に関わると思われた。


「さらに、この計画の立案者である静寂殿は迷宮都市の全戦力、約一万を演習の名目でロマリアに駐在させています。」


父の名が飛び出し、ロッテの顔色が変わる。


「静寂殿のお気持ち次第ですが、北か南で戦端が開かれれば援軍となって参戦するかもしれません。勿論、王国の敵として。」

「そんな…。」


ロッテはショックを受け座り込んでしまった。



「停戦交渉には間に合わないと思いますが、魔人族の戦力五千も王国南西へ向けて移動中ですね。」


「先生、質問いいかな?」

「どうぞ。」



圧倒的な戦力差。この状況だと攻めれば攻めるだけいくらでも王国を切り取れるのではないか。

外敵にとってみれば停戦などすれば大損。勝てる戦で停戦交渉等ありえない。


「なのに先生の考えでは停戦交渉の実現をすでに確信しているみたいだ。時期も予想できてるみたいだし。」

「そうなりますね。一週間程度で交渉に入れるかと予想していますよ。」


セロは驚いた表情を見せる。


「そうなの!?早すぎない?帝国と連邦は時間をかけて人員を補充すればいくらでも戦果を拡張できそうなのに。」


聞く者が聞けば、どっちの味方だと問いたくなるような発言だった。


「クフフフ。その疑問は是非とも静寂殿にぶつけて頂きたいところですね。これ以上喋ると怒られてしまいますよ。」



どうやら話はここまでのようだ。

三人は転移で何処かに去って行った。



「それじゃあ、俺達も王都に帰ろう。」


牙狼達との別れを済ませ、セロ達もまた転移で王都に帰還する。



ビフレスト商会の中庭に移動し、見慣れた光景に感慨深いものを感じる。


「数日空けただけなんだけど、随分久しぶりな気がする。」


セロの言葉に皆が同意した。



「私達はとりあえず城に戻りますわ!セロ様は病み上がりなんですから無理をしたら駄目ですのよ?」

「うん、ありがとう、エトワール。」


エトワールとルーシアは王城へと戻って行った。

それを見送った後、今度はアランが皆に伝える。


「俺も一度屋敷に戻る。リナの奴に顔を見せとかねぇと。」


そう言って帰宅しようとするアランに声をかける者がいた。


「私ならここにいますよ?アラン様?」


丁度マーサと一緒に中庭に出てきたリナがいた。


「リナ!?なんでここにいるんだ!?」


デュランは北方に援軍として派遣され、アランは日冒部の活動で辺境に。

屋敷の維持と留守番は別にリナがいなくても、他の使用人で十分間に合う。


そう判断した家令の指示でビフレスト商会に派遣されてきたとのことだった。


「ん?何で俺や親父がいないとここに派遣なんだ?」

「侯爵様やアラン様の情報がもっとも速く届く場所だからです!」


「ん?情報?」


脳筋のアランはこれでも事情が分からない様子だった。


「もうっ!みんなアラン様がまた拳云々で馬鹿なことをしないか心配だったんです!」


「アラン、毎日の夕食の時、リナも一緒に食事を運んだりしてくれてたんだよ?気付かなかった?」

「そうですよ、アランさん。私、夕食の時に毎日リナさんとお話ししてましたけど…。」


セロとロッテは不思議そうにアランを見る。

やべぇ。アランはそんな表情だ。実に分かり易かった。


「まさか…。気付いていなかったんですか?アラン様?」


「もももちろん、気付いていたに決まっている!」


挙動不審になるアラン。


「アラン様、少々お話しがございます。」


しょぼんとしたアランはリナに連行され、自宅へと戻って行った。

おそらく帰宅後はお説教のようだ。



「ママ~、お肉美味しかったのニャ。」

「ありがとうニャ。」


自然な感じでついてきていたミケ達はマーサに食事のお礼を言っている。


「猫さん達も一緒についてきたのね。うちの子になるのかしら?」


ミケ達にはすでに商会員の標準装備も配布済だ。

セロはマーサに頷く。


「部屋は俺とナナの部屋に一緒でいいよね?」


セロとナナの部屋は元々かなり広い。

自宅の三階の三分の二を占める大部屋が兄妹部屋としてあてがわれているのだ。

ロッテとハンナの居候部屋は残りのもう一部屋となっている。


「あたしが案内してやるぞ!ついて来るんだ!」


「せっかく初めての街に来たのに探検しニャいのはアホのすることニャ!」

「そうニャ!そうニャ!」

「やれやれニャ…。」


ナナとジルと三匹のニャンニャンは商会敷地内をの各所を案内され、見て回る。

新しい家族を皆に紹介せねばならない。


「家族と言えば、オルガンさん達にもミケさん達を紹介しなきゃ。」


ロッテが思い出したようにその存在を口にする。


「そうだね。辺境の状況も伝えないとだし。」


セロは早速オルガンとの通信を行う。



「てこたぁ、辺境の方は片付いたってことだな?」

「うん、俺達も動けるようになったし、魔女さんの戦闘不参加の確約も取れたよ。」


「迷宮の方も、第二層までの魔物の巣の封印処理が済んだところだ。一時的なもんらしいけどな。」

「じゃあ、早速迎えに行った方がいいかな?」


「いや、まだだ。」


オルガンは何故か迎えの転移を拒否する。


「店の在庫も明日までは大丈夫だ。なら迎えも明日でいい。今日はゆっくり休養して、明日から通常営業にするか。」

「俺なら大丈夫だよ?」


「馬鹿野郎。俺らは頑張った自分へのご褒美に迷宮都市の娼館で豪遊するんだよ。だから明日だ。」


オルガンは自らの欲望を暴露した。


「俺達は迷宮都市を救った英雄だぞ?それに相応しいサービスを受けるべきだ。だから帰るのは全てのオプションを堪能してからだ。」


「色々と台無しです…。」


ロッテはがっくりと項垂れている。


「オルさん、オプションって何?」

「ん?気になるならロッテのエロ枠魔術で調べるといい。王都の娼館情報をな。体験したけりゃロッテに頼め。そうすりゃ全てのオプションが無料で楽しめるぞ?」


「セロさん、代わって下さい。」


セロは通信具をロッテに奪われた。

そして通信越しにお説教が始まった。


「私の魔術はエロ魔術ではありません!!誤解されるような言い方はやめて下さい!!!」

「うおっ!いきなりなんだ!?ロッテか!?」

「それにせっかく頑張ったのにそうやってすぐエロに走るから駄目なんです!そんなんだからモテないんです!!」

「何てことを言いやがる!?俺はモテモテに決まっているだろうが!!」


この意見はロッテも即否定とはいかなかった。

ルーシア情報によれば女性近衛騎士達の中では意外にモテモテだったからだ。


圧倒的強者であり尚且つ身なりを整えればそれなりのイケメンであるオルガンは実は人気があったのだ。


「そっ、それはオルガンさんがちゃんとすればの話です!英雄から変態にジョブチェンジしているから駄目なんです!!」

「まったく、誰が変態だ。これだからお嬢は…。いいか、よく聞けエロッテ。」


オルガンの反撃が始まった。


「軍事、医療、そしてエロ。エロを制する者は世界を制すという格言もある。ロッテも少しは理解も示さないとセロが可哀そうだぞ?」


いつのまにか、お説教していたはずのロッテが諭されているかのような雰囲気に変化している。


「どうしてそこでセロさんの名前が出てくるんですか!!!それに私はエロッテじゃありません!!!」

「セロは大量出血で意識を失うくらい頑張ったんだろう?ご褒美はねぇのか?ん?」


「う!!!」


「仕方ねぇ、何の褒美もねぇセロの為に俺が戻ったら娼館に連れて行ってやるか。セロは娼婦達にモテモテだろうなぁ?ん~?」

「そっ、それは駄目です!!絶対に!!駄目なんです!!!」


「ほほぅ?何でだ?セロは褒美がもらえる程度の働きをしていないとでも?俺にはそうは思えないがなぁ?」


「う…、うぐぐ…。」


交渉術の恩恵を宿すロッテが、エロの話題になった途端に言い負かされていた。




「先生はそう言ってたよ。どうする?レギオンさん。」


セロは逆にロッテの通信具を使い、レギオン宰相に一通りの報告を済ませていたようだ。


「とりあえずお前らは十分よくやってくれた。セロとナナは普段の生活に戻れ。」

「え?でもこのままじゃ負けるよ?いいの?」


ヴォロスから受け取った情報によれば戦力差は如何ともしがたい。

それは宰相も十分に理解している。


「学生の、しかも子供に国の命運を背負わせられるか。そいつは大人の仕事だ。それに俺にも考えがある。」


下手に商会のメンバーが参戦することで、魔女の参戦がなくとも他の戦力が追加投入されれば不利なのは変わらない。


「その灰色の人狼とか、他にもきっといやがるんだろうしな。向こうに交渉の意思があるのが救いだ。もうそれに縋るしかない。」


王国にビフレスト商会という切り札があっても、侵略者にはそれ以上の切り札がある。

ヴォロスの言っていた停戦交渉。これを一日でも早く実現するしかない。結局、そういう結論に達した。


すでに出立を済ませている聖壁騎士団に、なるべく戦闘は避け、交渉を持ち掛けるよう追加指示を出すことになった。


「頼めるか?セロ。このくらいなら学院長も許してくれるだろう。」


ナナの魔術があれば情報の伝達は一瞬だ。セロも即座に了承した。


「ん?学院長?エストさんがどうかしたの?」

「いや、学生を戦場に駆り出すことに懸念を示していてな。まぁ、当然の意見だな。俺も同意している。」


すでに何度も会議が行われ、セロはともかく、ナナに協力を仰ぐのは後方支援のみと決定されているらしい。


「ナナは人を殺したことなんかないだろう?しかもまだ幼い。学院長が猛烈に反対してな。俺もそれに賛成した。」

「あぁ、それは助かるよ。俺もナナにはそんなことをして欲しくない。」



セロは早速ロッテにそれぞれの方向に進軍していた聖壁騎士団を枠に表示してもらい、案内から戻ってきたナナに転移枠にしてもらう。


「ちょっと行ってくる。」


そう言って転移枠に飛び込んで、手早く宰相の依頼を片付けるのだった。





大森林中央深淵部、魔女の庵。


セロ達との会話を済ませたヴォロスと魔女とフォボスはここに立ち寄っていた。



「よかったの?あんなに喋っちゃって。」


魔女はヴォロスに軽い口調で問いかける。


「むしろ情報を流さないと彼らは何をするかわかりませんからね。余計な事を仕出かさないようにしっかりと誘導しなくてはね。」


ヴォロスはわざと情報を公開して、これからのセロ達の行動を誘引するつもりのようだ。


「しかしヴォロス殿、我にはあの少年達がその予想をあっさりと飛び越えてきそうな気がしてならん。」

「それはそれで、喜ばしいことですよ。彼らの成長は大歓迎ですからね。」


満足そうに話すヴォロス。



「さて、次は静寂殿に出番を譲ることにしましょうかね。いい加減退屈している頃でしょうから。」

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