フヨフヨ学習帳 幼年1組 なな 04
あたしが最強の付与術士になるために。その4。
戦いは終わった。
マゾに敗北したことは苦い記憶となってしまった。
しかしあたしは諦めない女。
チータと友達になるためにも付与術の練習を続けるのだ。
そうだ、あたしは実戦でこそ輝くはずだ。
だからお勉強はいらないのだ。
付与術士に掛け算と割り算は必要ないのだ。
付与術:磁力
兄ちゃんがやってた磁力操作。これ、真似したらできちゃった。ウヒョ!あたし天才!
この付与術の目的は一つだ。
それはマスク狩り。
そのための手段は二つある。まず一つ目、十字架爆撃という技だ。
説明しよう!十字架爆撃とは!
とある異世界において、カイオウマン、スモール・ザ・茶道、という二人組が使用する技だ。
腕を相手の首に叩きつけるという技を、二人同時に、しかも前後から挟み込むように命中させる。まさに妙技!
しかも磁石パワーという力を利用して破壊力を増大させている!こいつら天才だ!
磁石パワーの習得は完了している。あたしの磁力付与と兄ちゃんの磁力操作だ。
てことはもう実践するだけじゃね?自作したカイオウマスクの出番だぜ!
兄ちゃんに頼んで早速やってみる。人形に紙袋を被せて、と。
あたし「硬度10、金剛アーム!!」
磁力で的に吸い寄せられるあたしたち。そして人形に、二人の腕が炸裂する。
二人「「十字架爆撃!!!!」」
決まった、決まりすぎるくらいに決まった!
そのはずが…
マスクとれてねぇし!!
兄ちゃんは、さすがに無理があるんじゃないかなぁとか言ってるし!!
わざわざ兄ちゃんに着物着てもらったのに失敗とか、そんなはずねぇし!!!
………。
あたしは切り替えができる女だ。
こうなったらもう一つの技をやってみるしかねぇ!
もう一つの技、それは十字架爆撃をさらに上回る技!
十字架爆撃を現実に実践した先駆者は数多く存在するだろうが、さすがにこっちの技を実践した者はいまい!
その技の名は…、覆面ノ終焉!
説明しよう!覆面ノ終焉とは!
十字架爆撃と同じく、カイオウマンとスモール・ザ・茶道の二人が使用する技で、
相手の顔面に前後、もしくは左右からの両足飛び蹴り。そしてそのまま磁石パワーでインパクトのままくっつくのだ!まさに神技!
しかもこの技、そこで終了ではない!なんと敵のマスクを中心にぐるぐると回転して、敵のマスクを削り取るのだ!
リンゴの皮むきのように削り取るところから、通称アップル・シェイバー!!やっぱりこいつら天才だ!!!
兄ちゃんに技の概要を説明する。
紙だと飛び蹴りで破れそうだからな、人形には革製の強いやつ被せよう。
そしてさっそく実践だぁ!!!
兄ちゃん「十字架爆撃で料理しますか?」
あたし「いいや、かねてより研究中だったあれでいこうではないか。」
兄ちゃん「覆面ノ終焉ですね!」
あたし「そうだ!」
やべぇ、テンションあがってきたぜぇ!!
磁力を併用した飛び蹴りをかます!よし!あたしも兄ちゃんも成功だ!!
上手にくっついてるな。よしよし。
ん?なんか上体が落ちる?くっついてるのは足だけだから上半身の姿勢が維持できねぇ!
兄ちゃんは全然平気みたいだ。くっ!筋肉か!あたしには筋肉が足りないのか!?腹筋に力を込める。
そして2秒で決着はついた。足だけ人形の顔面にくっついて、だらんと逆さ釣りの状態ではぁはぁするあたし。
これまでのあたしなら、ここで諦めて不貞腐れていたことだろう!だが!まだ試合終了じゃないのだ!あたしは不屈の女なのだ!
自在障壁に上体を持ち上げさせ、兄ちゃんと同じ体勢に戻す。
フヒャ!成功だぜ!
おっと、変な声が出ちまった。落ち着けあたし、これからが本番だ。アップルシェイビングの時間だ。
「兄ちゃん、回転だ!」
ふんっ、ふんっ。懸命に体をよじるけどちっとも回転しねぇ!どうなってんだ!?
でもここはさすが兄ちゃん。磁力を操ってなんかやってくれたみたいだ。二人の体が回転していく。
やったぜええぇぇぇぇぇ!!!ウヒャヒャヒャヒャヒャ!!!
だが…。よく見ると人形の足元が少し浮いてて一緒に回転してやがる!そりゃそうだ!
筋肉男は一緒に回転してればマスク無事だったんじゃね?
「ってちっがーーーーーーーーーう!!!!」
今度は人形がうごかないようにしっかりと固定してさらに補強して、と。
「兄ちゃん、もう一回。もう一回。な?」
おねだりして再挑戦だ!
すると…。今度は革袋だけが一緒に回転してやがる!!今度はこうきたか!!
筋肉男はマスクのヒモゆるめたらマスク無事だったんじゃね?
「ってちっがーーーーーーーーーう!!!!」
あたしはがっくりと地面に手をついたんだ。
そう、今のあたしはあのやられキャラと同じだ。
ハレンチな雄叫びとか言うどう考えても破壊力なさげな妙な技ばっかりのあいつと。
あたしはエロニモだ…。
そんなあたしにも兄ちゃんは優しい。
また一緒に遊ぼうねって声をかけてくれたんだ。
兄ちゃん、大好きだ!
付与術:荷重
兄ちゃんが悩んでる。強くなりたいって。
当然、ここは最強の妹であるあたしの出番だ!
さっそく資料を調べてその手段を模索する。選んだ資料は野菜の王子様。
Mっパゲを克服して、好きな女を振り向かせようとする王子様。
好きな女の名前はパンティー。なんて名前だ。アホかこいつ。
と思いきやこの女、メカとか作ってる。あたし程じゃないがそこそこ頭はいいらしいな。変な名前のくせに。
なに?掛け算と割り算ができないくせに何をほざいてるんだ、だと!?
バカモノォォォォォ!!
付与術にそんなものはいらないのだ!
うん、だからあたしは悪くない。
まぁいい、とりあえず修行の方法だ。
Mっパゲを治すために王子様が選択したのは重力室での特訓!
よし、兄ちゃんにもやらせてみよう!
そう思って重力室を再現できないかと考える。そもそも重力ってなんなんだ?
重い力?重くすればいいのか?
そうしていろいろやってたら、できたのは付与術:荷重。
フヨフヨもいねぇし、この付与術はずれか?
効果は付与した対象を重くする。これだけ。なんかちょっと違う気がするぞ?
パンツとか言う女にできて、あたしにはできねぇだと!?バカな!!そんなはずはねぇ!あたしは天才のはずだ!
とりあえず重さと言えば筋トレ、筋トレと言えば脳筋。つまりアランか。
筋トレグッズでも作ってやるか…
今回の習得付与術はこの二つだけ。
…少なくね!?
…少ないものはしょうがない。次頑張る!お魚食べてからな!




