〜ムーンメリー王国〜
1,ここは何処?あなたは誰?
「……は、…は、柚葉!!」
「はっ!き、桐ヶ谷くん!?」私は飛び起きた。
どうやら倒れてた…?らしい…
「大丈夫か?」と桐ヶ谷くんが優しく言う。
「う、うん。大丈夫。桐ヶ谷くんは?」
「大丈夫。てか、ここ、何処だ?」と桐ヶ谷くんはあたりを見回す。
「え?何処…?ここ…。」私もあたりを見回した。
「俺達、さっき、石之神神社に居て、石原が告って、俺がおーけー、し、したんだよな…」と桐ヶ谷が言い、私達は顔を赤くした。しばらく沈黙が続いた。すると…
「ほい!ほいほい!!お主ら!ちょいっといいかの?石原美幸と桐ヶ谷健人という人間を知らんかの?」私達は声のする方へと顔を向けると…
「ぎ、ぎゃ〜〜〜〜〜!!!!!ね、ねこぉ〜〜〜〜〜!?」とふたり同時に声を上げた。
「ぎゃ〜!とはなんじゃ!失礼な!まぁ猫じゃが…それより、知らぬか?」と猫?さんが言った。
「あ、石原美幸さんはこの方です。で、桐ヶ谷健人は僕ですけど、何か、用ですか?」と桐ヶ谷くんが猫さんに言った。
「そうかそうか!ちょっとついてきたまえ。」
え?ついていくの?あ、怪しい…
「ね、ねぇ、桐ヶ谷くん、この猫さんについていくの?」と不安げに聞いた。
「そうだな。とりあえずついていこう。もしかしたら、もといた場所、石之神神社に戻してくれるかもしれないし。それと、何かあったら俺が守るから。」と力強く言ってくれた。
「あぁ、言い忘れとった。ここの国の名は…
ムーンメリー王国じゃ。」と猫さんが言った。
「ムーンメリー…?ステキな名前ですね。」と私は言った。なんだか、おとぎ話の中に入ってるみたい。
「そうだな。」と桐ヶ谷くんが言った。少し、不安なのかな…?
しばらく歩くと、前にお城が見えてきた。私は思わず、「うわぁ〜!きれ〜い!すご〜い!」と言った。」
「ふふ、可愛いな。」と桐ヶ谷くんは言った。
私は少し恥ずかしかしくなって下を向いた。
「あ、あのさ、な、名前で、呼びあわない?」と桐ヶ谷くんが言った。
「そ、そうだね。な、名前。えっと…け、けんと、くん。」と私は恥ずかしながら言った。
「えっと…み、みゆき。」と桐ヶ谷、いや、健人くんが言った。
「うん。やっぱり名前がいいね。ちょっと照れるわ…」と健人くんが言った。
「そ、そうだね。」と私は言った。
「ほい。ついたぞい。」と、猫さんは言った。
そこは大きな門の前だった。
私達が近づくと大きな門のが開いた。
門の向こう側には鎧を着た人がふたりいた。
そのふたりは私達を見てお辞儀をした。
健人くんと私もお辞儀をした。
私達は顔を合わせて『クスクス』と笑った。
「おい、ふたりとも!何を笑っておるんじゃ!ほら、行くぞい。」と言われ、『はっ!」っとなってついて行った。