炎化人類 バーナーズ
今日の戦場は晴れていた。照りつける太陽がどんどん体力を消費させるなか、俺たちはグラスターで敵を一人一人殺していた。
「昨日の勇者を見て少しは期待してしていたんだがなあ」
まさかこの程度とは思わなかった。
アーリア軍は、昨日罠にかかり、殲滅寸前になったにもかかわらず、彼らはまた攻めてきた。ただの兵器では、時速180キロもでるグラスターにかすれることすらできないのに。
地雷の置いてある可能性を考え、対地雷の防御魔法を張っておいたが、無駄だった。地雷は一つもない。
「はあ、期待はずれだもういいここで死ね」
「我が望むのは帝国の勝利、我が欲するのは、雷の咆哮!この願いを天に捧ぐ!『サンダーロアー』」
第10位魔法サンダーロアーは放つと光り輝く雷が雷鳴と共に敵を襲い。さらに周りの人間の聴覚、視覚を奪う、強力な魔術だった。
「はあ、さっさと終わらせよう。総員!次はヤツらの本拠地を叩く、俺についてこい!」
「「了解!!」」
「指揮官!このままでは帝国軍の攻撃であっという間に殲滅します!ここであれを使いましょう!」
「だめだ!どんなことがあろうと空軍の力を使うことだけは私が許さん!」
アーリア軍の陸軍は空軍を嫌う傾向があった。だから敵は、あの時突撃してくると俺は信じれた。
「しかし、このままでは全滅です!」
「分かっている!だがそれでも!それでも空軍だけには頼らん!!」
彼らは迷うだろう、空軍の援助をうけるか、空軍の手を借りず、独自で解決するか。
「クソオオオオ!!!もういい分かった!!あれを使う!なんとしてでも我々が解決しなければ意味が無い!」
「は!!」
「見えてきました、敵の本拠地です!」
フローズはやはり視野が広い、一番に敵の本拠地を見つけた。
「よくやった!総員!止まれ!これより、長距離での狙撃で、敵の本拠地を壊滅させる!長かったこの戦争に終止符を打つ!総員、詠唱開始、使用魔術はブレイズバレットだ!」
しかし、その必要は無くなったようだ、よく見ると敵の拠点から火が出て煙も出てる。
「自爆?」
ここで自爆とは、どこまで間抜けなんだ敵は。
敵のいない戦場は一気に静かになった。
「そのようだな、とりあえずAR作戦の一つはクリアした。すぐに帰還...?」
「どうされましたか?隊長?」
爆弾が落ちてくる音だ。だがどこか違う。爆弾ではない。
「魔術!総員伏せろ!!」
その瞬間、激しい爆発と共に部隊の半分以上が消し飛んだ。
だが、それは、魔術ではなかった。
「あれは!まさか炎化人類か!」
この世界には通常の人間を含め18の種族が存在する。およそ2000年も前に人類が突然変異したものだ。どれも元はただの人間だったが、それらは別の種族だと考えるのがほとんどだった。
その中で炎を纏うようになり、どんな高温でも耐えられるように体が変化したのが炎化人類、バーナーズだった。
「見たか!帝国の犬共め!これが我らアーリア陸軍の力だ!」
敵はバーナーズになっていた。不死鳥のように空を飛び、炎を纏い、常に燃えていた。
「これが、我が軍の秘密兵器!『炎化薬』だ!」
高いところから我々を見下ろす形で、敵は笑っていた。
周りを見るとほとんどの仲間が死んでいるか、重傷だった。俺は防御魔術を張っていたため、助かった。
「やはり貴様が持っていたか、その炎化薬。それは我々のものだ返してもらうぞ」
口を開いたのは、エチアだった。しかし、話す言葉、声、まるで別人のようだった。
「エチア?お前はいったい何を?」
「気安く話しかけるなノミ虫!」
「ノミ虫?お前はいったい」
そして彼女は名乗った自分の本当の名を、彼女の名は
「私はクロス・S・ラフレ、貴様らから盗られた我々の技術、取り返しに来た!!」