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双子星  作者: ユエラ
23/33

任務




扉がノックされた。

「はい、起きてます」

僕がそう返事をすると扉が静かに開いた。

「おはようございます、ジェリオス様。よく眠れましたか?」

マリンさんが笑顔で僕に言う。

「はい、とても」

「それはなによりでした!早速で申し訳ないのですがミラ様が呼んでおりますのでお時間頂けますでしょうか?」

僕は頷いて服装を整えた。


ミラさんはラズさんにお茶を汲ませながら僕を待っていた。

「お、おはよう。弟」

「おはようございます」

昨日は少年で、今日は弟ですか…。

まぁ、問題ないからいいんだけど。

「いや~朝早くに悪いね」

外はまだ薄暗い。

きっとドバルなんかはいびきをかいて寝てる頃だろう。

「起きていたので大丈夫です」

「あら、おじいちゃんみたいね」

「おじいちゃん…」

僕は笑うことも反論することもできないくらいに呆気にとられていた。

そんな僕を見たラズさんが急いでお茶を持ってきて声をかけた。

「あいつの言うことは気にする必要ない。ここにでも座ってくれ」

そう言ってミラさんと向かい合う席に僕を案内した。

そしてお茶をテーブルに置く。

「まだ冷える。このお茶は暖まるぞ」

置かれたお茶は湯気を立て、不思議な香りを漂わせていた。

「それはセリアファクトでしか取れないお茶なのよ」

ミラさんが自慢げに言う。

僕はそれに手をつけずにただじっとカップの中にある液体を見ていた。

「…飲まないの?」

ミラさんがラズさんを隣に呼んで僕を見た。

「セリアファクトではお茶を星水で淹れるのが主流なんですか?」

そうこのお茶は水で淹れたものじゃない…星水、それもとても薄いものでできている。

僕はカップをとって暖かいお茶を口にした。

味自体は何も変わらない、むしろ初めて口にする味なのにとても口に合う。

「ふ~ん、ラズフェルト達が言ってたのは本当のようね」

ということは…

「僕を試したんですか?」

「まぁ、試したっていうか、あのウジ虫野郎と張り合う奴がどれくらいの力を持ってるのかなぁって思ってね」

真面目な顔でミラさんは僕を見た。

…もうウジ虫が定着しているのには驚いたけど。

「それで、僕は合格ですか?」

僕が聞くとミラさんは声を出して笑った。

「合格も何も、もとから弟達に協力する気満々よ」

「本当ですか!?ありがとうございます!!」

僕が立ちあがって深々と頭を下げると彼女はあったりまえよ、と笑った。

「それに私、あのウジ虫大嫌いなの。人さらっておいて何が世界の為よ。笑えない冗談だわ」

「ご、ご存じだったんですか?」

僕が顔をあげて聞くとミラさんは頷いた。

「私色んなところに旅行に行くのが好きなの。それでこの前にウジ虫が来た時にどんな奴らかって後をつけさせてもらったのよ、旅行がてらに。そしたら何よ、あいつら酷いことして!!」

ミラさんはテーブルを思いっきり叩いた。

掛かっていたテーブルクロスが舞いあがり、置いてあったお茶の入ったカップが倒れそうになる。

「おっと」

僕がそれを持ち上げると、ラズさんが声を出して同じようにカップを手に取った。

「…大丈夫か?」

「はい、僕は」

ラズさんが顔をこちらに向けて困った顔をする。

「落ち着いたか?」

そしてテーブルに再びカップを置くとミラさんに声をかけた。

「あ~、イライラする!!ちょっと、弟」

「は、はい!!」

「あのゴミ虫の事、教えなさい!詳しいんでしょ!?」

彼女はテーブルに身を乗り出して僕に顔を近づけた。

僕はそんなミラさんに笑いながらも話を始めた。


一通り話し終わる頃には日もすっかり昇り、鳥のさえずりが聞こえてきている。

ラズさんは聞いている間、僕の話に振り返るように時々頷いていた。

まぁ、当時僕だけにされた実験の話は彼にはしてなかったので流石に驚いていたけど。

「なるほどね。で、弟はなんでウジ虫にいたのかは覚えてないの?」

僕は目をそらさずに頷いた。

「そう…ま、いいわ。私もこっちでウジ虫の動きを観察するからとりあえず弟達はあの山に向かって」

そういって彼女が指をさしたのは窓。

そこには僕の部屋からも見えた真っ白な山があった。

「山に、ですか?」

「あそこの山には沢山洞窟があるんだけど、そのどれかに星水の原水があるって噂が最近流れてて、さすがに寒いから私も行きたくないのよね」

「面倒事の押しつけならやめてくれよ…?」

ラズさんが腕を組みながら言った。

「失礼なこと言うわね。原水があって、つい昨日ウジ虫がここまで来た…ってことはあの山に行く可能性だってあるでしょ?星水欲しくてたまんないんだから、あいつらは。それに原水を最初に発見して私達のです、とか言っちゃえば占有できるでしょ?」

ミラさんは立ちあがって背伸びをした。

「あ、そうだ。今回、メリッサは必ず連れて行ってね。そこでの仕事があるから。ラズは置いて行ってね」

そう言ってミラさんはラズさんにくっついた。

ラズさんはメリッサさんの時とは違った様子だったけどそれを拒んだ。

「や、やめ…っ!」

「え~、いいじゃん。たまにはお姉さんと遊びましょ?」

「そう言う時だけ色気使っても、普段スカートはいてるのにもかかわらず親父臭く胡坐かいて酒飲んでるの知ってるから無理だぞ」

ラズさんは彼女から離れるように手で頭をおしていた。

「い、痛いからやめて!!」

「なら離れろ!!」

隙を見て抜け出したラズさんは僕の後ろに来て肩で息をした。

まるで凶悪な魔獣と戦った後のように…。

「チッ、逃げられたか…」

「ジェリオス、俺も連れて行ってくれ!」

「おい、そこ!何言ってんのさラズフェルト!裏切んなぁ!!」

テーブルの上に乗っかってはいはいしながらミラさんは近づいてきた。

「ミ、ミラさん…あの、落ち着いてください!」

僕は目の前にいる彼女に笑いかけた。

後ろではラズさんが隠れるようにいる。

…ってか、ミラさん常識的に考えてもう少し胸元隠すべきかと。

「ラズフェルトが残ってくれるなら落ち着く」

とかわけのわからないことを…。

僕はラズさんを見た。

彼は頭を掻いて相当困った顔をしていた。

しばらくするとラズさんは大きなため息をついてミラさんの隣へ行った。

「わかったから降りてくれ…本当に」

ラズさんに言われてミラさんは子供のように目を輝かせ大きく頷くと身軽にテーブルから降りた。

「んじゃ後は誰連れて行ってもいいよ。よっろしくね~、ジェリオス」


僕が部屋に戻ると、シャツにズボンととてもラフな格好をした男が椅子に座ってテーブルに置いてあったおいしそうな料理を見つめていた。

…あれ?

僕、部屋間違ったかな?

「すみません、間違えました!」

僕が礼をして出て行こうとするとその人は立ち上がろうとして失敗し、椅子ごと倒れた。

「いってぇ…」

聞いたことのある声に僕はドアノブから手を離し、その人のもとに行った。

「…何してんですか」

「ジェリーの帰りを待ってたに決まってんだろ?」

僕の差し出した手を掴み、立ち上がったのはドバル。

僕は間違えてドバルの部屋に来てしまったのだろうか。

「おかえり。朝から散歩か?」

「違いますよ、ミラさんとラズさんとお話していたんです」

僕は椅子をもとの位置に戻した。

「ふ~ん。あ、そういえばご飯届いてたぞ!」

「…一応聞きますがここ、僕の部屋で合ってます?」

ドバルが椅子に座ったから僕はベッドに座る。

「おう、そうだぞ~」

「何勝手に人の部屋に入ってるんですか!?」

「だ、だって待っても待っても来ないから…!」

ドバルはなぜかそこにあったフォークを持って料理を食べようとしている。

「ちょ、ちょっと待って!ここが僕の部屋ならその料理も僕の…」

「んだね」

何の躊躇いもなく料理にフォークを刺す。

僕は急いでその手を止めた。

「なんで食べるんですか」

「待ってたらおなか減ったんだもん」

…まったく、何してるんだか。

「わかりました。少し残してくれれば僕はいいですから、ドバルが食べてください」

そう言うとドバルはさっきのミラさんのような顔をして料理にかぶりついた。

本当においしそうに食べるんだよな、ドバルは。

僕が施設で得られなかったことを教えてくれるのはいつもドバルなんだと今日改めて思った。

だから僕はドバルを守っていかなくちゃならない。

理由はそれだけではないんだけど…とにかくドバルには笑って人間らしく生きていて欲しいって心の底から思うんだ。

「ありがとな、ジェリー」

気付くと満足したらしいドバルが笑顔でお腹をさすっていた。

「おいしいからジェリオスも食べろよ」

「ほとんど食べたんですね…」

ドバルは席から立って僕の体を優しくつかみ、椅子へと誘導した。

「ほら、食べなきゃなんもできないぞ?」

「はいはい。今食べますから急かさないでください」

ドバルは僕が食べている間ベッドに座ってずっと僕を見ていた。

食べにくいからやめてほしかったけど、今日はなんだか気分がいいから言わないでおこう。


「それで僕の部屋で待っていた理由って何ですか?」

「マリンからミラの所に行ってるって聞いたからきっと話してきたんだろうなぁと思って…」

僕が食べ終わって椅子の向きをドバルの方に向けるとドバルもベッドに座りなおしてそう答えた。

「で、どうだった?」

「窓を見てください」

ドバルは首をかしげながら窓を見た。

「…山しか見えないんだけど」

僕は移動して窓に手をかけた。

「あの山に行くんです」

「山にっ!?」

僕の後ろでドバルが立った音が聞こえた。

「詳しくは皆と合流してからにします。ドバルも部屋に戻って準備しておいてくださいね」

ドバルは僕の隣に来て窓の外をじっと見た。

山は真っ白で高くそびえ立っていた。

ここからも距離がある…結構大変な旅になりそうだ。

いろいろと考えておかなくては…。


お昼頃、マリンさんが部屋を訪れてご飯の準備ができたので移動してくださいと言い部屋を出て行った。

いつもの服装に着替えた僕は扉を開けた。

すると何かに当たったようで扉は開き切らなかった。

「…?」

少し開いた隙間から覗くとドバルが頭を押さえていた。

「何してんですか」

「ジェリオスこそ何してくれんだよ!…痛」

僕はドバルだと分かった瞬間に思いっきり扉を開けて廊下に出た。

残念なことにドバルはそれをかわしたのだが…。

「今からお昼食べに行くとこだったのに…」

「僕もですよ」

話しをしていると他の皆も部屋から出てきた。

「おはよう…ってこんにちはの時間か。二人揃って仲良しだね~」

「ライン達の仲の良さには負けるよ」

僕の隣の部屋から出てきたのはラインさんだった。

ドバルの返事にラインさんは少し照れた様子で頬を掻いた。

「いつのまに褒め言葉上手くなったの?あー、ダイチから?」

「ダイチがどうしたって?」

「…なんだ違うのかぁ」

「呼んだ?」

もう一つの扉が開かれてダイチさんが出てくる。

彼はいつもとは全然違う服を着ていた。

「こんにちは。素敵な服ですね」

僕が言うと彼はそれを見せるように一回転してみせた。

「これ、セリアファクトの衣装らしいんだ。昨日エリウスがくれたから着てみた」

「かっこいいなぁ!!」

ドバルとラインさんが食い入るように見る。

確かに今まで見たことない模様も織り込まれていて綺麗だった。

それにダイチさんにとてもよく似合う。

「後で俺も買いたいなぁ…」

3人で盛り上がっているのを僕は見ていた。

すると廊下の奥からパタパタと足音が聞こえてきた。

「み、みなさん~!ご飯です」

慌てた様子でマリンさんが走ってきた。

「あうっ!」

すると何もないのにいきなりマリンさんが盛大に転んだ。

「危ないっ」

それを近くにいたダイチさんが受け止めた。

マリンさんは目をぎゅっと瞑っている。

「メイドさん、大丈夫?」

ダイチさんが優しく声をかけると彼女は眼をゆっくり開いた。

「あれれ?」

良く状態がわかっていない様子のマリンさんをダイチさんは立たせた。

そして笑顔でもう一度、大丈夫?と声をかけた。

「わ、私…」

一気に顔を真っ赤にしたマリンさんは恥ずかしそうにダイチさんから目をそらした。

「怪我はなかった?」

「は、はい。…ありがとう、ございました」

それを聞いてダイチさんはうれしそうに笑った。

「どういたしまして。君に怪我がなくてよかったよ」

「ドバル、ああいうのやってよ」

二人の少し後ろにいたラインさんは隣にいたドバルを肘でつついた。

「俺が言ってもダサくなるだけだと思うんだけど…」

「よくわかってるじゃん!馬鹿度下がったんじゃない?」

ラインさんがにやにやと笑ってドバルを見上げた。

「何?俺が天才だって?」

「馬鹿」

「んだとぉ!!」

僕が彼の横を通り過ぎるのと同時に一言言ってやるとドバルは両手をあげて熊みたいに言った。

それをラインさんとダイチさんが笑ってみている。

「マリンさん、遅れてすみません。今行きますね」

たぶん僕たちを呼びに来たんだろう。

「…あ、はい!ご案内します!!」

少しもとの彼女に戻ったようだったが、ダイチさんとは一切眼を合わせず下を向いて歩いていた。

そんな彼女の案内で僕たちはミラさんたちが待つ部屋へと移動した。


昼食をとっている時は先ほどの話は一切せずに、セリアファクトの観光名所やおいしい料理、お菓子など、ミラさんをはじめとしてラズさんエリウスさんが話をしてくれた。

メリッサさんもこの席にいたのだが、ラズさんの隣の席になれなかったからという理由で大人しく食事をとっていた。

そんなメリッサさんの隣に僕はいたのだが、今日のメリッサさんはいつもと雰囲気が違うように感じた。

…話をしながらの食事はあっという間に過ぎ、綺麗に空になった食器は全て下げられた。

「ラズフェルトの料理は世界一だわ~」

ミラさんが丁寧に口を拭きながら言った。

「ドバルの料理もおいしいぞ」

「え!?」

ラズさんにドバルは言われ、ちょっと焦った顔をした。

「俺はラズほどうまくねぇよ?」

「今度作らせる!!」

ドバルの言葉を無視してミラさんが喜んだ。

ラズさんは笑顔でドバルを見ていた。

「よっしゃ!!いいぜ!」

ドバルも最初はためらったようだったが乗る気になって親指を立てた。

「あ~、楽しみ増えた。…んじゃその楽しみの為に皆には少し動いてもらおうかしら」

笑顔のままミラさんは僕たちの顔を順に見て言った。

そして一通り見終わって話を始めるかと思えば何も言わずただ笑っていた。

「…」

謎の沈黙。

ミラさんは笑顔のまま僕の方を向いて目で訴えてきた。

弟が話をするところでしょ!…と。

そうだったこの人も少し馬鹿な所があったんだ。

僕は少しため息まじりに口を開いた。

「みなさん、ミラさんの後ろにある窓を見てください。山が見えますよね?あの山は世界で一番北にある山で標高も世界一の山です。これからあそこに向かいます。あそこには沢山の洞窟があるそうなんですがそのうちのどれかに星水の原水があるらしいんです。ウジ虫が昨日の襲撃にまぎれて山に登っている可能性も考えられます。僕たちはそれを確認するとともにウジ虫がいた場合は駆除、そして所有者がセリアファクトであると証明しなければいけません」

昼食までの間、部屋にあった本を読んで山の事について少しだけ知ることができた。

マリンさんに尋ねたところ、この城には大きな図書室があるようなのでぜひそちらにも行きたいと思う。

調べたいこともたくさんあるし、セリアファクトならマーリアやグズルの書物なんかもありそうで凄く気になる。

でも優先すべきはそれじゃない。

「メンバーなのですが、今回エリウスさん、ダイチさん、そしてラズさんはここに残ってください」

それを聞いて一番不満そうだったのはエリウスさんだった。

「私も一緒に行くよ!」

「いえ、エリウスさんはこっちで何かあった時に僕たちに教えに来て欲しいんです。お願いしてもいいですか?」

しばらく悩んだ顔をしていたがエリウスさんは僕に向きなおって頷いた。

それを見てミラさんは決定ね、と立ち上がった。

「それじゃ、皆、頑張ってね~」

肩手をひらひらと上げてミラさんは部屋から出て行った。

「…自分で言えばいいのに」

僕の隣でメリッサさんが彼女が出て行った扉の方を横目で見ながら言った。

「ホントだよね~」

エリウスさんも苦笑いする。

「お疲れ、ジェリオス」

ラインさんが笑って僕を見た。

「いえ、これくらい疲れることでもないですよ。ところでわからない点などありませんか?」

僕が聞くと皆は首を振った。

「それでは一度部屋に戻り、準備ができたら正門に集合しましょう。かなり大変な旅になると思うので準備は怠らないでください」

僕の言葉で皆は一斉に立ち上がり、それぞれ部屋を出た。


城の正門から山を見る。

あの山のどこに洞窟があるのかすらわからないのにそこから星水がある所を見つけろだなんて無理なことを言ってくれるよ、まったく。

まぁ、策が無いわけではないんだけど…。

それがうまくいくかどうかは天候や山の状態による。

僕も雪は初めてだから詳しくはよくわからないんだけど、少しの可能性にかけてみることにした。

僕が待っていると城に残るチームがやってきた。

「大丈夫?」

エリウスさんがかなり心配そうに僕に言った。

「先ほどあの山に詳しい方から少しだけお話いただけたので何もないよりは安心しています。危ない時は無理せずに帰ってきます」

「ジェリオス、メリッサの力は役に立つはずだ。俺からも言っておく」

「あの、メリッサさんはどのような魔法を?以前エリウスさんに結界魔法が得意だとは聞いたんですけど」

「上手く説明できないが、例えば…雪山の吹雪や寒さを妨げることは可能だと思うぞ」

なるほど、だからミラさんはメリッサさんを。

「きっと一緒に戦っていればわかるよ」

エリウスさんが笑顔で言う。

百聞は一見に如かずともいうしね。

僕が頷くとダイチさんがエリウスさんの隣に並んで僕の顔を真剣に見てきた。

「俺に何か出来ることない?」

「そうですね…」

僕は少し考えてひとつお願いしたいことを思い出した。

バックからメモを取り出し、それに文字を書く。

そして書き終えるとそれをダイチさんに渡した。

「お城の図書室でこれらに関係する書物を見つけていただけませんか?かなり量があるみたいなので無理にはいいんです。時間が空いて暇だなぁとかそういう時に探していただけたら助かります」

「…了ー解!」

彼はメモに書いた内容には一切触れずに笑顔で返事をしてくれた。

本当にダイチさんはいい人だ。

3人と話をしていると続々他の皆が集まってきた。

「みんな、気をつけて…」

エリウスさんが御祈りをしてくれて僕たちは山に向かって歩き出した。

メリッサさんはラズさんとの別れを相当悲しんでいるようだった。

いつものことだけど。

それより早く見つかればいいんだけど…。

僕は少し不安を覚えながらも山だけを見て進んだ。





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