~第一章~DOKIDOKI×2な勉強会
双子が転校してから二ヶ月が経った。
「色々あったなぁ~。」
匠がそう言うのも無理はない。というのも今、この状況を見ればわかる。
匠の隣りには双子がいるのだった。まぁ、早い話、匠と双子は同棲(同居)生活を送っているのだ。
匠は元々、一人暮らしだったが、実家の母から電話があり、双子と共に住むよう命じられた。
しかも応じない場合は仕送りをやめると脅された。匠もさすがにこの帰宅してからの出来事にはあきれてものも言えず、双子を受け入れるしかなかったのだった。
それからというものの、匠は至れり尽くせりな毎日を送ることとなった。
食事を共に摂り、一緒に登校するのはいいが・・・・・・双子は匠と共に寝、あまつさえ一緒に風呂に入ろうとする始末だった。
そして二ヶ月が経った今、匠は新たな岐路(危機)に立っていた。
追試だ。匠と美咲は期末テストで赤点を取ったため、急遽、達彦・真弓による勉強会が開かれ、夏休み保護が目的だ。達彦曰く、「お前はどうでもいいけど、美咲ちゃんという花がなくなるのはやだからな。」とのことだった。
そうして、勉強会は始まり、真弓は匠を、達彦は美咲を担当することになった。
「まぁ、あいつはああ見えて以外とおくてだから大丈夫だろ。」などと思い、真弓の講義に集中した。
真弓の授業はガンマなんかよりはるかにわかりやすく、匠はどんどん知識を吸収していった。
だが、落とし穴もあった。あまりに真弓の声が心地よかったために寝てしまった。
真弓は「全くもう、たっくんは~・・・・・・。」
とぼやいていたが達彦と美咲が買い出しに行って、今は二人きりだと気付くと、匠の頬に、そっと口付けをした。
匠は夢を見た。真弓がキスをする夢だった。しかし、それは現実だった。匠が気付くことはないが・・・・・・。
そして、勉強会はお開きとなった。
その後、匠も美咲も試験に合格し、補習はなくなった。