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クライン

 お、遅れてすいません。


 こんなだらしない作者ですが、日刊ランキングに載れるよう応援して下せぇ……。(感想だけでも可!!寧ろ感想だけでも下さい!!)

 

「ここにいるんだよな……」


 図書館の中には、昼休みだと言うのに意外と人が集まっていた。

 皆は読書に集中しているからか、俺が近くを通っても反応が無い。


 暫く探し回ってみるが、肝心のクライン兄さんがいない。

 まあ、兄弟の中で一番話した事無いからな……。いつも冷静だし、困っていたらさりげなく助けてもくれるのだが、あまり会話をする機会も無かったと思う。


「本当にどこにいるんだ?……あぁ、いたいた」


「ん……?久しぶりだな、アル。と言っても2ヵ月ぶり程度か」


「久しぶり、クライン兄さん」 


 図書館の端の方、幾つかの本が積み重ねられている真ん中にクライン兄さんはいた。

 カルロス兄さんに比べると全体的に身体の線が細く、筋肉も他の人に比べて少なめだ。 顔も目が切れ長で、髪が目にかかるくらいに長い。

 

 これだけ聞くと陰険な感じだが、やはり顔はかなり整っているし、一分の女子生徒からは熱烈な支持があるようだ。


「アルがわざわざここに来たと言う事は、何か問題でも起きたのか?」

 

「まあ、そんなところかな……」


 ついでに言うと家族の中では一番の常識人なので、皆困ったらクライン兄さんなところがある。

 


「アルの事だから、対人関係か学園の規則だと思うのだが」


「んん……どちらかと言えば対人関係かな」


「ふむ……たしかアルもA組だったな?」


「いや、今はC組だよ」


「そうか、そっちの問題はもう解決済みだったか。意外と早かったな?」


「A組に馴染めないの予想されてた!?」


 なんてこった……。まあクライン兄さんが伊達に休み時間、図書館に籠っていないとはおもってたけどさ!

 まさか俺がA組、ひいては貴族に馴染めないのを実の兄に予想されるとは。


 ちょっと傷ついた……。


「で、何があったんだ」


「あ、うん。初等部1年C組の生徒の問題なんだけど、戦闘中とかに暴走する症状なんだけど―――」


「その問題、自分で見つけなくて良いのか?」


 クライン兄さんが手に持った本に目を落としながら聞いてくる。


「そりゃ……綺麗事を言うのならそれが一番良いんだけど、そうも言ってられないだろ?」


 ちょっと悩んだが、やっぱり知るのは早い方が良いだろう。

 俺だけで見つけろって、正直永遠に見つからない可能性も見える。


 だが、兄さんは本から俺に視線を移して溜め息をつく。


「勿論、打算的な理由がある。何も知らない奴が、いきなり自分達の問題を知っている奴が解決するよりも、解決しようと努力している姿の方が共感しやすいだろう」


「うむむ……正論では、ある」


「……一つアドバイスするとすれば、C組に入る生徒達は皆、お世辞にも恵まれた環境で育ったわけでは無いと言うことだ」


「ふーむ」


 クライン兄さんがヒントと言うくらいなのだから何か関係があるんだろうが、本当にそれだけでアッシュ君みたいな暴走状態の理由になるんだろうか?


「……そろそろ戻ったらどうだ?昼食を食べる時間が無くなるぞ」


「クライン兄さんは?」


「俺はもう少しだけ残る。アルはまだ学園に不慣れなのだから、早めの行動をしておいた方が良い」


「分かった。じゃあまたね」


 クライン兄さんに言われた通り、早めに戻っておくか。

 

「アル」


 歩きだした俺に、クライン兄さんが声をかけてくる。


「何?」


「アルって合計何歳なんだ……?」


 合計?ああ、俺が転生者っていう話か。ってカルロス兄さんも言ってたけどクライン兄さんって本当にそんな事気にしてたのか。


「えーっと、16と6だから22歳かな?」


「そうか……22歳か、そうなのか……」


 クライン兄さんがショックを受けてしまったようだ。

 そんなに気にする事なのだろうか?


 まあ、人それぞれだよな……うん。


「クライン兄さん、俺そろそろ行くね?」


「あ、ああ。分かった……」


 そう言えば爺やはどこに行ったんだろうか?





















「今日の授業は引き続き、初級の基本魔法の練習をしましょ~」


 今日最後の授業は魔法理論の実習で、各自訓練用の短杖を持っている。  

 俺も借りたが、結構良い杖に見える……まあ杖を見たのはこれで2回目だけどさ。


 魔法もスキルの一種だが、殆どの例外無く覚えられる為、スキルの枠を超えた扱いをされる。

 ただまあ、以前に俺に魔法の才があると言ったヘリスの評価は合っていたようで……


「「燃え盛る炎の塊よ、我が力となりて敵を燃やし尽くせ!『ファイヤーボール』」」


「うぉぉぉ!」


「はぁぁぁ!」

 

「きぇぇぇっ!」


 ……一人凄い気合いの入れかただが、まあ何が言いたいのかと言うと、まだ1.2ヵ月程度では魔力は出ているものの、魔法と言える形までにはなっていないようだ。


「アル~、どうやってやるの?」


「そうだな、魔力の発現は出来ないといけないか」


 ミューナはまだ魔力も出せないし、授業の進行に追いつくレベルまでにしないといけない。

 リオに関しては訓練所の端の方でやっているが、誘わなくていいだろう。魔法を出す方法に関しては俺は手伝えないしな。


「まずはミューナ、身体の中の魔力を感じるところから始めよう。手を出して」


「頑張る!」


 始めはミューナの小さい手をとって、ゆっくり魔力を流し入れてみる。

 俺の場合は一人で分かったが、本来は他人に魔力を流してもらい、まずはその人の魔力を感じるところから始めるらしい。

 まあ、これに関しては一人でできる人がいない事はないとか。


「ミューナ、分かるか?」


「ん~これ?あっ!いっぱい流れてる!」


「お、自分の魔力も見つけたか!」


 魔力眼で見ると、ミューナが少しずつだが自分の魔力を動かしているのが分かる。


 まあ、なんとなくそんな気がした。仮説だが、ミューナの魔力は俺と同一なのかもしれない。これに関してはルインの言葉と、ヘリス謹製の武器がミューナにも使えた事から想像できた。


 なので、俺の魔力を感じれれば必然的に自分の魔力も感じれるというわけだ。


「じゃあ次は魔法を発動させるんだが、ここからは皆と同じようにするしかないな」


「分かった!ミューナ頑張る!」


 嬉しそうにはしゃぎながら、ミューナはリオの方に駆けて行った。

 

「ふーむ……」


 さっそく暴走状態の謎解きをしよう。


 とりあえず今のところ特に変わった事は無い。


「そう言えば、このクラスって獣人が多いよな……」


 だいたいクラスの7割くらいだろうか?たしかこのクラスは20人程なので、約14人が獣人と言う事になる。


 クラスの殆どが獣人……もしかしてこれが理由だったりするのだろうか?アッシュ君はスキルの【獣化】が原因だったし……。


「まあ、一応候補に入れておこう」


 ミューナとリオも頑張っている様子だし、周りに見えない【原初魔法】の練習でもしとくかね。
















「それでは今日の授業は終わりで~す。皆さん、お疲れ様でした~」


「起立!礼!」


「「ありがとうございました‼」」


 現在は帰りのホームルームみたいなやつ。漸く1日を乗り越えた……。


 課題はあったが、手応えとしては十分じゃないだろうか。

 

「アルー、帰ろー?」


「ああ帰るか。それにしても今日は疲れたな……まあ直ぐに慣れるだろ」


 なんたってブランクは6年あるが、学校生活10年だ。


「あ、爺や」


 教室を出ると爺やが壁際でピシッと姿勢よく待っていた。


「これはこれはアルギウス様、本日は失礼しました。旦那様が学生時代にお世話になった方々へ挨拶をしに回っておりました」


「ああ、だから図書館にいなかったのか。……明日はどうする?」


「明日からは通常通り、アルギウス様のお世話をさせていただこうかと」


「分かった。そうしてもらうよ」


 暫く3人で寮まで歩いているが、今日の残りの時間はどうしようか。

 まだ午後の2時と言ったところで、何もしないのは勿体無いんだよなぁ……。


「そうだ、俺も学園の中を回ってみるか……ミューナも行くか?」


「お昼にヘリスとエリシアの所に行く約束しちゃった!」


「分かった……爺や、一緒に行ってやってくれ」


「承知いたしました」


 さて、一人でのんびり回るとしますかね。





















「この道を……こっち!……あれ?さっき見た気がするな」


 はい、ただいま絶賛迷子中です。

 

 なんだろう、俺って迷子属性的な何のメリットも無い物でもあるのだろうか?


「たしかこの廊下だった気がするんだが……」


 正直どこも同じ道にしか見えないんだよねぇ。

 

 暫く歩いていると、何やら一軒の普通サイズの家が見えてきた。というか学園を囲う壁まで見えてきた。……迷っている間に学園の端まで来てしまったのか。


 とにかくここに人がいるなら道を聞くしかない。


「すいませーん、誰かいませんかー?」


「はーい、こっちにいるのですよー?こんな所に生徒さんが来るのは珍しいのです」


 まの抜けた返事をしながら家の反対側から来た……幼女?

 俺と同じくらいの身長、たしかショートボブ?とか言う髪型の白髪……髪の長さや顔以外に既視感が……あ、俺とヘリスか!!


 というのは置いといて。


「すいません、道に迷ったんですけど校舎にはどうやって行けば良いんでしょうか?」


「……ああ、それならこの道を真っ直ぐ戻った所の建物の周りを歩いていれば見えてくるはずなのです」


 おおぅ……まさか建物の外から探せばすぐだったとは……。


「ありがとうございます。そう言えばこんな所で何をやっているんですか?俺が言うのもなんですけど、こんな人気の無い所に女の子一人でいたら危ないですよ?」


「むぅ……女の子と言ってもらえるのは嬉しいですが、先生はもう大人なのです」


「たしかに大人かもしれませんが、外見が少し若く見えるのでやはり……」


 あれ?この人の言葉に違和感が……大人?違うな。

 たしか自分の事を先生と……先生?


 ……まさか


「ええっと……もしかしてですけど、今自分の事を先生って言いました?」


「えぇ、言いましたよぅ?……もしかして疑ってるのですか?」


 おっと、幼女にジト目を向けられてしまった。だが残念ながら俺にそっちの趣味は無い。向けるなら愛に飢えた紳士に向けてやると良い。


「いえ、学園長も似たようなものですし」


「あらら?先生がいつもこうやって恐い顔すると皆さん恐がってくれるのですがね……」


 別に皆は恐がっているわけじゃ無いと思うんだけど、とは言える状況じゃないな。

 ……恐い顔をしようと頑張って手で表情を作っている先生を見てるとさ。


「そう言えば先生はこんな所で何をやってるんですか?」


 なんとなく聞いた質問、だがこれは地雷だったようだ。



「っ!もしかして気になるのですか!?気になるのですね!!

 では詳しくお話するのでお家に来てほしいのです!!」


「えぇ!?ちょ、ちょっと!!」


 いきなり目を輝かせたと思ったら、どこにそんな力があるんだと言うくらいのばか力で引っ張られる。


「さあさあ、入って下さい!あ、この椅子に腰かけてほしいのです」


 あれよあれよと言う間に準備が整いつつある。

 

「あ、紅茶は飲めますか?ダメならミルクもあるのです」


「あ、紅茶で大丈夫です」


 ってあれ?……不味いことに完全に相手のペースに呑み込まれてるな。 

 

 そう言えば、落ち着いて周りを見てみると不思議な所があるな。

 家の中はトイレや風呂へと続くであろう扉以外はなく、大部屋が一つだけだ。


 だがその大部屋が凄い。


 部屋の中の半分を多種多様な植物が占めており、何やら薬品を扱う為の机まである。

 ちょっと不気味というか、なんとなく魔女の家を想像してしまうな。


「どうぞです。何か入れたりしますか?」


「いえ、大丈夫です……あ、美味しい」

 

 何だろう、花か何かの香りが口の中でフワッと広がる感じ。それでいて香りが口に残り続けない。

 紅茶自体は飲めるけど、初めて紅茶の美味しさを知った気がする。


「ああ、これは東南部に位置する『グレイボア大砂漠』にしか生息していない食虫植物なのです。

 虫を集める為に植物自体が甘い香りを発しているので、現地では紅茶用の茶葉としては有名だったりするのです!!」


「へぇ~凄いですね。どうやって手に入れたんですかその食ちゅ……」


 ……ショクチュウショクブツ?もしかして、虫を食べる方の食虫植物?ってそれしか無いよな……!?。


「あ、おかわりもありますよ?」


「え、いや、遠慮しときます……」


 そうか、虫食ってるのか……虫かぁ……。


 ……この話は忘れて話題を変えよう。


「そう言えば、ここで何をしてるかって話でしたけど……」


「そぉーなのですっ!……その前に、あなたは誰か他の先生に師事していたりはしますか?」


 師事?フリージア先生に師事しているようなもんだけど……それを言うなら生徒全員誰かに師事している事になるよな。

 と言うことは先生主導の部活みたいな物か?


「別にそう言うのはありませんね。そもそも一昨日この学園に来たばかりでそう言うのは何も知らないんですよ」


「そうだったのですか、では少し説明を……この学園、というか大抵の学園では生徒が授業とは別に自分が興味のある研究をしている先生に個人的に師事する事があるのですよ。

 それで、先生も一緒に研究をできる子が来るのを楽しみにしてたのですが……私が先生になってから一度も師事された事が無いのです……」


「は、はぁ……」


 まあ、そりゃ初っぱなから食虫植物の紅茶なんか出されるとな……昔からそうだったかは知らないが、正直地味というか、この世界でする研究としてはどうしても見劣りしてしまうと思う。


「……で、結局どういう研究をしてるんですか?」


「そうですね……言うなれば植物、魔物等の幅広い研究でしょうか」


 得意げに語っているが、なんと言うか……アバウト過ぎて想像しづらいな。


「研究と言うのは例えばどんな事を?」


「んー、今は植物と魔法、主に回復魔法を併用した医療の研究でしょうか……?」


 あら、魔物の研究が入ってないぞ?どちらかと言えば魔物の方が興味があるんだが。


「魔物に関しては今どんな研究をしてるんですか?」


「それなのですが……昔はやっていたのですが、今はとある事情で力を失っているせいで一人で研究するには実力不足なのです……」


 とある理由と言うのが気になるが、こう言うのは聞いちゃいけないって言うのは今日学んだばかりだ。

  

「それだけの説明では何とも……」


「な、何故なのですか!?」


「そうですね、例えば……何か成果は出ているんですか?」


 これは重要だろう。話を聞く限り何年も研究しているようだし、何も成果が出ていないのなら正直これからも期待できない気がする。


「た、たしかにそれも必要な説明なのです……最近、と言っても数年前ですが、傷口に薬草を塗ってから回復魔法をかければ、傷痕が明らかに残りにくくなるのです。

 勿論、薬草の配合が適切で無ければあまり効果は見込めないのですが、私も美容を気にする女性としては大きな研究成果だと言えます‼」


 ……それは凄い。


「かなり素晴らしい成果だと思いますね。特に女性なんかには」


「そうなのです!他にも毒素の強い植物を回復魔法で幾分か中和すると寧ろ従来の薬草なんかよりも薬としての効果が高い物もあるのです!!」


「へぇ……」


 たしかに薬も使用量を間違えれば毒になるし、その反対も然りだ。

 もしかして、どれだけ微量でも毒にしかならない物も、回復魔法で何らかの作用でも起きて薬になるのだろうか?


「後は個人的に、植物や魔物を食料や日々の生活の向上に取り入れられないか、と言った事もしてるのです。

 ……魔物に関しては言葉の前に“昔は”と付くのですが」


 聞けば聞くほど良い研究に思える。だからこそ疑問もあるのだが。


「こんなに良い研究なのに何故、誰も師事してくれないんですかね?」


「うぅ……それが謎なのです。たしかに他の先生と違って、あくまで全て個人的な物なので学園からお金は出ないですし、そのせいで研究用の素材は全て現地調達だったりするのですが……」


 研究内容を詳しく知った俺だからその程度、と思えるが他の人は詳しい研究内容を聞いていないんだからそのデメリットだけで十分だ。十分過ぎる。


「まあそうなるでしょうね」


「おおぅ……なかなか辛辣なのです」


「とにかく俺の結論としては、興味はあるんですけど学園生活で今問題を抱えてるんで無理ですね……」


 残念だが仕方ない。それにできるなら俺としては戦闘面をもっと学びたい。


「そ、そこをなんとかお願いするのです……」


 そう言われてもな……あ?


「その問題なんですけど、戦闘なんかの興奮状態なんかの状況で理性を失う人の治療なんですよ。そう言う研究ってありますか?」


 まだ問題さえ判明していないが、もしかしたら、先回りして誰もしていない方面からの回答を出すことが可能かもしれない‼

 そう言う望みがあるんだが……。


 先生は暫し考え込む仕草をしてから、ゆっくりと口を開く。


「それは……多分C組の事でしょうか?たしかにあれは歴代のC組が差別される元凶の一つではあるのですが……医学で暴走状態をコントロールすると言う発想は無かったのです」


「じゃあっ!!」


 もしかしたら俺の学年だけでは無く、他にもいるかもしれないそう言う人達から症状を根絶できるかもしれない。

 それだけでも一か八かで賭ける価値はあるように思える。


 だが先生の表情は芳しくない……。


「あれは植物関連の範囲外だと思うのです……。ですが魔物の素材を取りに行くのは今は無理なのです」


 そう言う事か。だが、その打開案ならある。


「ある程度の戦闘力があれば可能なんでしょうか?」


「そうなのです。せめてお金が出れば冒険者を雇えるのですが、この研究結果を公表すれば薬草の経済が大混乱なので個人的にしか研究できないのです……」


「そう言う事なら一つ良い案があります」


「本当なのです!?一体どうすれば戦力を確保できるのですか!!」


 やっぱり食いついてきたか。


「ふっふっふっ、俺がその戦力になりましょう!!」


「……一体どうすれば戦力を確保できるのですか!?」


「いや、俺がその戦力になるって事で……」


「一体どうすれば戦力確保でき―――」


「ストォォォォップ!!だからお、れ、が!戦力になるって言ってるんですよ!!」


 多分、いや絶対見た目で判断されてるな。


 ……まあ、先日会長に負けたばかりだが。


「流石にそんな危ない事はさせられないのです……。

 先生は小さい子に頼るほど落ちぶれていないはずなのです!!」


 はずかい!!と言いそうになったが寸前で言葉を飲み込んだ。

 また話がややこしくなる。


 ここは論より証拠、百聞は一見にしかずと言うやつだろう。


「先生、俺の実力を見て決めて下さいよ。先生が気に入らないなら即失格で良いですから」


「いえ、そう言うわけでは……どちらかと言えば先生が小さな生徒に頼っていると言う対外的な面なのですが……」


「さあっ!!やりましょう行きましょう!!時は待ってくれませんよーっ!!」


「ま、待つのです~!?」


 力で勝てないのは分かっているので、先生を抱き上げて行く。抵抗している見た目幼女を担いでいるのは絵面が大変だが問題ない。 誰にも見られなければ。


 その時、誰も開けるはずの無い扉が開いた。


「アルギウス君……何をしとるんじゃ?」


 玄関に入って来たのは、学園長だった。


「えっと、その……」


「お、下ろすのです~!無理矢理なんて酷いですよ~!」


 先程の言葉をもう一度言おう。


 抵抗している見た目幼女を担いでいるのは絵面が大変だが問題ない。


誰にも、見られなければ……。

 あーあ……作品名が『フリーダムサクリファイス』なのに次からプリズン行きかぁ……。

 作品名詐欺で叩かれるな……()。


 ……には流石になりません。

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