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ヘリスの過去

こ、これは長いぞぅ、少しメタいかもしれないけど許して…ぐふぉぁ!

「え………マジで?」


 シンは真っ白になった頭で今言われたことを考える。もしかしたら自分の聞き間違えかもしれない……


「はい。マジです」


 という線は消えた。なら残りの可能性は


・実はとてつもない電波少女

・実は凄い鮮明な夢

・……マジもんの神様


 夢……は無いだろう。ヘリスと自分の呼吸、緊張のせいでやたら早く聞こえる心臓の鼓動。


(ここまでリアルな夢は流石にありえないのは俺でもわかるな……)


 次に考えられる……電波少女の件。鎖の巻き方があれじゃあせいぜい体を揺らす程度しかできないだろう。なら犯行は2人以上……ないな……ナイナイ。

 こんな大規模な仕掛けを使える電波少女が地球にいる確率と、その人が俺を選ぶ確率を考えると天文学的数値になるだろう。……それにこんな可愛い子が電波だと思いたくない。

 それに鎖に繋がれている状態なのだが明らかに鎖が空中から出てきている。

 なんかどす黒い見るからに「危険だぞぅ!」って感じの穴から鎖が出ている。

 まぁ、結論はとりあえず疑いながらも信じる方向でいこう。


「わ、わかった。それで、あんたは俺に何が起きたのか知っているのか?」


 淡い期待を寄せながらヘリスに聞いてみる。


「はい。此処に呼んだのは私ですから!」


「さっきもそんな事を言っていたな。後、なんか俺の魂が消えるとかなんとか……」


「はい確かに言いましたね。その話をすると少し長くなりますし私の話もしないといけませんが……」


「ああ、この状況じゃあ何も出来ないしな」


「はい!ありがとうございます!」


 暗に「俺の自由を返せ」と言う意味を込めて言ってみたのだがあまり伝わらず、

 逆に満面の笑顔で感謝されたら僅かに残っていた怒りも呆気なく消えてしまった。美人の笑顔は反則だと思ったシンである。


 そして話を聞いて約2時間、ようやくヘリスの昔話が終わった。あまりヘリスは話をようやくするのが苦手なのかもしれない。

 そしてヘリスの話を要約すると、








―――――――――――――――――――――――――――――

 4000年程前、ある村で一人の少女が産まれた。

 少女は7歳まではすくすくと育っていった

変化があったのはもうすぐ8歳になるときの事だった。

 彼女は自分に力があるのを知った。その力はあらゆる「物」を贄とし、その対価を自由に貰えるという物だった。

 この能力は凄まじいの一言に尽きるだろう。何せ失われた聖剣や魔剣、果ては死んでさえいなければどんな傷、体調不良でも治せる神能薬エリクサーや、どんな魔道具でも手に入るのだ。

7歳の割には聡明な頭脳を持った彼女にもその力の恐ろしさがおぼろげながら理解出来た。

 だがまだ精神は7歳。恐れに対する理解者が欲しかったのだろう、あまり深く考えずに両親に相談した。

 少女の両親はそれを聞いて喜んだ。……少女の望んでいない理由で。

 当時、少女の村は少なくない税や数ヶ月続いた不作で困窮していた。そこに少女の力だ。だが肝心の供物なんて村に無い。ならどうするか。供物が有り余っている者に少女を売ってしまおうと考えた。

 そこで選ばれた。いや、選択肢の中でも断トツの候補だろう。


 当時その村を治めていたガリュード帝国の王。ガリュード6世だ。

 そうと決まれば決行。あまり理解していない少女を連れて首都へと行き、王に謁見しに行った。だが所詮は農民の家族。王になど謁見出来る訳がない。  

 だが謁見の申請を申し出ているところにたまたまその国の文官が通る。文官は少女の顔を見て


(なんて美しいんだ…)


 そう思った文官は王に報告する事に決める。今年10歳になる王子の妾に相応しいと思ったからだ。

 その文官は農民風情でも入れるような所に一人で来ている時点でそこまで、高い地位ではない事が分かる。

 そのため、文官でも国王に報告するのにある程度の手間がかかるので少し時間がかかった。

 そしてとうとう申請が通り、謁見。王は少女を気に入り少女の両親に村への援助と農民なら20年は生きていける褒美を渡した。

そして両親は村に帰りのんびりと暮らした…

 が問題は少女である。初めは王子の妾になるはずだったが両親が力のことも言っていたため直ぐに力が露見。国は少女を幽閉し毎日毎日金銀財宝を贄にしてはその時代では作れないような物を作り出していく。しかもその力は聖剣や神能薬エリクサーに対する価値観がその時代の人々のよりも大分低くたちまち国は繁栄した。

 だが腐っても国。いや、腐っているから国なのか、次第に増長していきいろんな国と戦争を起こす。そうなれば必然的に少女の力の使用回数も増える。しかしその力は少女の体に合わなかった。

 いや、力がこの世界に合わなかった。


 次第にこの世界の住人である少女の体は蝕まれていく。

 だが当時の全能神であるレグサスは少女が死んだ後、その力が世界に与える影響を危惧し、少女の事を不憫に思ったこともあり少女を最下級神に転生(と言っても実際に生まれ変わるわけでは無いが)させて、200年程彼女に神としての仕事や、してはいけないことを教えた。

 200年は長いかも知れないが、7歳の少女で、しかも欲望の多い人間という種族である。鋼の理性を身に付けようと思えば仕方の無いことである。

 そして約2000年後、世界で神、人、亜人、動物、魔物、魔族…その他にも全ての生物を巻き込んだ戦争が起きた。

 当時のヘリスは下級神。何が原因で何のために神まで巻き込んだ戦争が起きたのかは知らなかった。

 そして戦争が起きて直ぐに、レグサスに「昔、神について教えた所に隠れていろ」と言われ、戦争が終わるまでの50年、ずっと一人で隠れ続けた。そして戦争が終わった頃、あらゆる神々がヘリスのもとに来てこう言った。

「「この戦争はお前のせいで起きた」」

 ヘリスは訳がわからなかった。たまに練習でレグサスの監視もとい、孫を見守るお祖父さんのような眼で見守られるなか力を使うくらいだ。

 だが、神々は理解しきれず混乱したままのヘリスに更なる衝撃を与える

「レグサスが消えた。恐らく死んだだろう」

 そして、茫然自失になったヘリスに神々は神級魔法 


 神封之牢獄コキュートスを使いヘリスを封印した。厄災の種が再びこの世界に解き放たれないように………

復活!!

次でシンに何が起こったのか、その次にこの世界の説明で

神封之牢獄コキュートスから出るはずです!!

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