手に入れた力の数々と、油断
感想無いね~。
誰も予想してくれなかった……。
……元気出してこう。
……とりあえずヘリスの万物之贄は贄を使ってアイテムを創り出すんだっけ?
俺のは少し毛色が違うらしいけど基本は一緒だろ……。
てか、かっこよくセリフを言ったは良いけど、流石に万物之贄を操作する余裕が無いな……。
「爺や、後ちょっとだけ時間稼いで!」
「承りました‼」
俺は残りの魔力の殆んどで執事長を癒してから後ろに下がる。
さて、とりあえずどういうやつか調べて見るか……。
俺は2,3分ほど急いで調べて、以下の事が分かった。
・俺のはヘリスのようなアイテム創りと違いスキルの習得、ステータスの改変などの、能力的なのが使えるらしい。そして、供物は自分の物なら大抵は良いらしい。後、ログ画面があり、気になったが後回しにする。
・供物はポイントとして貯まるらしく、何故か俺には82ptあった。多いのか少ないのかよく分からない。
・そして、『初回限定!!才能開花キャンペーン!!』なんていうふざけたものがあった。……でも才能の開花、超気になる。……残念ながら200pt必要らしく今この状況で後の120ptなんて待ってられない。
よし、執事長もまだもつとはいえ大分苦しそうだし早くスキルを取らなければ……。
更に1分ほど探していると変な物を見つける。
【アイギスの盾】0pt
0ptって供物が要らないって事か?というよりアイギスの盾って地球の神話だろ?なんでこの世界のスキルにこんなのがあるんだ?
……だけど、本能がこれを選べといってくる。なんていえば良いのか、聞こえるわけではないけど体がそれを催促しているかのように勝手に動きそうになる感じ。
一か、八かだな……。
俺は【アイギスの盾】を習得した。
ピロリ~ン
『神世スキル【アイギスの盾】を習得しました。』
これはスキルを覚えたときになるやつだ。それと同時に【アイギスの盾】の使い方が頭の中に無理矢理流れ込んでくる。
(いだだだだ!他のスキル覚えたときにはこんなこと無かったぞ!?)
でも、使い方が手っ取り早く分かった今この時は感謝だ。
……強すぎだろ。
なんと、この盾、魔力を発動中常に馬鹿喰い、更に行動不可の代わりに、操作自在の盾が出るらしいのだがなんと、あらゆる攻撃を防ぐという超絶技だ。強力な火力を持った仲間が居ればとても心強い。仲間が居れば。……そう、執事長にそんな火力はない。
ヘリス……お前を自由にしてやれないかもしれん……。
そんな事を思ったとき俺はあることを思い出したのだ。
ヘリスが前にアイテムボックスを取得すればこれまでヘリスが創った道具をもらえると。
俺は早速万物之贄でアイテムボックスを探す。
「アイテムボックス……あった、50ptか……」
仕方ない、取得するか……。
ピロリ~ン
『レアスキル【アイテムボックス】を取得しました。』
俺はまた頭に使い方が流れ込むのかと歯をくいしばりながら待っていたのだが、いつまでたっても来ない。
……神世スキルとやらが特別なのか?
まあ、いいか。それよりも早速俺はアイテムボックスを開けようとする。
とりあえず『開け』と念じてみるとステータス画面に似たものが前に出てきて、その中に幾つかの名前が出ている。
……少ない。
なんとアイテムボックスの中には刀、銃、服の3個しか入っていない。ヘリスが何か間違えちゃったのかな?
とりあえずその3個を調べて見るか。
まず刀から、
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【*名付けられていません*】
レア度:SSS+
種類:魔刀
固有能力:切った相手のHPをMPに変換し、この刀に貯めておく事ができ、いつでも持ち主が取りだし可能。また、MPを消費する事で不可視の斬撃を飛ばすことも可能。更に、MPを込めれば込めるほど一時的に切れ味強化
付与能力:破壊不可
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……お次は銃、
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【*名付けられていません*】
レア度SS
種類:魔導銃
固有能力:MPを1消費する事で発射可能。威力は、装備者の魔力のステータスが上限で、それ以下なら調整可能。調整は念じるだけで良い。また、MPを5消費させる事もでき、その場合は気絶、麻痺、催眠の何れかを付与可能。
付与能力:破壊不可
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……さ、最後に服
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【*名付けられていません*】
レア度SSS+
種類:魔導コート
固有能力:全ての状態異常を防ぎ、装備者の持ち物や本人に鑑定の一切が効かない。また、地形、気候、温度などの自然要因の影響を受けない。更に、装備者の魔力のステータスが高いほど、服の防御力が上がる。
付与能力:破壊不可
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……少なくない。むしろこの数ですんで良かっただろう。
……幼竜雑魚じゃね?
いやいや、慢心はダメだ。慢心は後で手痛いしっぺ返しが待っている。
……とりあえず着替えるか。
しばらくして、着替え終わったので執事長と交代する。
「爺や、もう大丈夫だ。代わってくれ。」
「ハァ、ハァ、分かりましたぼっちゃ……どうされたのですかそのお姿は!?」
俺の姿は全身漆黒のコートに黒と赤が入った刀、そして白と黒が入った銃と、the厨二病患者スタイルだ。
……まさか装備者に常時精神ダメージを与えるとは……さながら呪いの装備だな。
だが、この世界は武器や防具を平気で着けている奴等がいるんだ。これくらい許容範囲だろう。
「まあまあ、それは後で話すから。後、手は出さなくて良いよ。」
「私もっ……いえ、ぼっちゃまがそう言うのなら大丈夫なのでしょう。ですが……お気をつけください」
なんか変な信頼をされてるけど……まぁ良いや。
とりあえず……
「死合おうか?」
そう言うと俺は直ぐに銃を抜き撃つ。魔力でできた弾丸は敵に当たるが余り効果がない。
――攻撃力は余り無いようだが防御力が桁違いなようだ。
そう思っていると幼竜が爪で俺を引き裂かんと振るってくる。
だが、俺も防御手段の方が強力だ。
「『アイギスの盾』」
俺がそう唱えると、青白い半透明の盾が空中に出てくる。
(うぉっ、魔力が滅茶苦茶減るな!!)
大体秒間500位だろうか。
幼竜も自分の攻撃を手も使わずによく分からない物体で防がれたのにビックリしたらしく、表情筋の無さそうな顔が心なしか驚いている様に見える。
幼竜が衝撃で少し後ずさったので俺はアイギスの盾を解き、すぐさま幼竜を、今度は刀に魔力を全て流して斬りかかる。大盤振る舞いだ。
ズシャァァァ!
幼竜も俺も驚愕に目を見開く、いや、幼竜も驚いているだろう。驚愕の理由、俺の斬撃が余りにも簡単に幼竜を切り裂いたからだ。いや、全魔力込めたけどこうもあっさりといくとは……。
そして、幼竜はそのまま倒れて動かなくなる。
後ろを向くと執事長は驚愕に目を見開きながらも
「無事の討伐、おめでとうございます……」
と言ってくれた。
「爺や、今怪我を治すよ。」
そう言って俺は爺やの傷を治していく。
この時、俺は普通の冒険者なら絶対にやらないようなミスを犯していた。
―――敵の生死を確認していなかったのだ……。
「ぼっちゃま!!」
執事長はそう言うと俺を全力で突き飛ばす。
そして、その意味を悟った俺は慌てて幼竜を見ると、幼竜は執事長の所に向かって口から炎の塊を撃ち出そうとしていた。
(くそっ!)
俺は慌てて執事長の所に駆け寄る。アイギスの盾は魔力が無いので出せないがこのコートの防御力で何とかなるかもしれない‼
「とお~!」
俺が執事長の所に駆け寄っている時、そんなまのぬけた女の子の声が聞こえた。
「え?」
ズドォォンッ!
俺が振り向くのと幼竜の頭が爆発するのはほぼ同時だった。
そして、煙が晴れるとそこには、
「にゃー!!」
と、焼け爛れて今度こそ確実に死んだであろう幼竜の頭の上にガッツポーズをしながら叫んでいる、
――水色の髪をした幼女が居た。
次回!幼女の正体は!?
力を見せてしまったアルギウス(6歳)はどうなる!?




