武具
ガルフォリオの正面にライトが陣取り、その背を見守るようにロッディゲルスが少し離れて待機している。イリアンヌは相手の背後に回り込み、様子を窺っている。
「ふむ。全員が油断出来ぬ相手か。三対一では少々厄介なことになりそうだ」
「その割には余裕があるように見えますよ」
ハルバートの柄で肩を軽く叩く姿は、焦っている様には間違っても見えない。
攻撃の速さ威力は不意打ちの対応を見て、ある程度の目途がついている。あれが全力であるなら何とかなるとライトは計算している。
一番の問題は、ライトがここで神力を使うわけにはいかないということだ。まだ、二体の上位悪魔が残っている状態で、行動不可能になるのは避けたい。
そうなると、三人で力を合わせ何とか倒すしかない。
「小手調べといきましょうか」
ライトは無造作にハルバートの間合いへ踏み込む。
巨大な鉄塊が付いているとはいえ、メイスのリーチ自体は一般的な物より少し長い程度だ。全長五メートルを超えるハルバートがギリギリ届く距離で立ち合うのは、無謀以外の何者でもない。
「自ら飛び込んでくるかっ!」
石突に近い部分の柄を背中に回し、右腕のみで巨大なハルバートを横薙ぎする。
多人数戦で攻撃後の隙が多い振り下ろしはしてこないであろうと、見当をつけていたので、ライトはその一撃を読み切り――紙一重で躱す。
眼前すれすれを刃が通り過ぎると下半身強化の威力を上げ、前傾した姿勢を取り一気に飛び込もうとするが、通り過ぎた筈の刃が頭上から降ってくる。
「ふっ」
鋭く呼気を吐き、腹部に力を込め、無理やり上体を起こすと後方へ飛ぶ。
前髪の数本が切り落とされるが、それ以外に傷はない。
そのまま、間合いを広げたかったライトだったが、ガルフォリオの追撃がそれを許さなかった。今度は反撃の隙が発生しない鋭い突きが繰り出される。
メイスで何とか弾くが、何度も素早く突き出される穂先をこのままでは避けきれないと判断し、メイスを手放す。
「これは、きついっ」
両手の手甲で何とか凌いではいるが、全てを捌くのは不可能だと判断し、動きに支障が出ない程度の傷を負わされる攻撃は無視する。
法衣を切り裂き、浅い傷が幾つもライトの体に刻まれ鮮血が霧のようにライトの体を覆う。
「ライト! 手を貸す!」
その光景に焦り、後方に控えていたロッディゲルスが十本の黒鎖放つ。
あらゆる角度から先端が鋭く尖った黒鎖がガルフォリオに襲い掛かるが、突きの攻撃を止めることなく――それどころか更に速度を上げ、ライトへの攻撃を緩めることなく、ロッディゲルスの黒鎖を穂先で砕いていく。
「背後はどうかしらっ!」
イリアンヌは前方に集中しているガルフォリオの背後を取ると、短剣を首筋目掛け切り込もうとしたところで、足元から伸びてくる何かを察知し、後方へ宙返りをする。
イリアンヌはガルフォリオの一挙手一投足を見逃すまいと集中していたが、こちらに攻撃を仕掛けてはこなかった。ならば、今の一撃は何だったのか。
判断がつかぬまま、さっきまで自分がいた場所に視線をやると、そこには大きな白い蹄がある。
騎乗している白骨の馬が、後ろ脚の蹴りをイリアンヌへ放ったようだ。
「我が愛馬よ、良くぞやってくれた。まあ、障壁や鎧で防げば済んだ話なのだが、それでは味気ないだろうっ!」
黒鎖を全て破壊し、ライトへ捻りを加えた最速の一撃を叩き込むが、それを何とか両手を交差させ防ぎ切る。
「ほう、その手甲……今の一撃でも砕けぬどころか、傷一つ付いていないというのか」
「名工が作った逸品ですから、そう簡単には砕けませんよ」
『やだもう、褒め過ぎじゃないの。もっと言って、もっと言って』
メイスから照れながらも満更ではない感じの声が響いてくる。
「む、今の声は聞き覚えがあるぞ。もしや……カーマインか」
意外なところから、キャサリンの声に反応した呟きが聞こえてくる。
ガルフォリオはハルバートの切っ先を地面に向け、芝居ではなく本当に驚いた様子で兜がメイスへ向いている。
『お久しぶりね。ガルフォリオ王。元気にはしていなかったようね』
「ワシもかなり変わったが、カーマイン、お主もかなり変わってしまったようだな。武器防具に命を懸けたお主が武器になる。らしくはあるが」
二人は昔馴染みの様で言葉を交わしてはいるが、ライトには二人の口調から良好な関係ではないようだと読み取る。
「キャサリンさん、お知り合いですか」
『まあね、以前話したことがあったかしら。とある国の王から専属になれってしつこくて兵まで向けられたって話。それがガルフォリオよ。あんまりしつこいから、その鎧とハルバートだけ作って逃げてやったわ』
やはり仲は険悪の様で、キャサリンは思い出したくもないと、吐き捨てるように言い放つ。
「性格に難はあったが、その腕は確かだったようだな。カーマイン、お主の作った武具は素晴らしい出来であった。今もこうして健在である」
ガルフォリオが現在に身に着けている防具とハルバートは、五百年もの昔から使用され続けている事になる。大きな傷のない白銀の鎧は光輝き、五百年の歳月を一切感じさせない。
「カーマイン、いえ、キャサリンさん。本当に五百年もの間」
『ええ、本当よ。あれは五百年前、依頼され作った私の子供たちよ。それも金に糸目をつけず、最高の素材を使い作った私の最高傑作だったわ。あの鎧、実は殆ど魔石で出来ているのよ。それもAランク以上の魔石を贅沢に使ってね』
魔石とは魔物が体内に持つ魔力の源、人間でいうところの心臓に当たる部分である。それは魔物の死後も魔力を含んだまま残り続け、魔道具の貴重な魔力供給源となる。魔物のランクが上であればあるほど強度も高く、残存する魔力も多いとされている。Cランク程度の魔物魔石は鉄より少し強度があるぐらいなのだが、Aランクの魔石ともなると、この世界に存在する最も硬い鉱石に匹敵する。
だが、魔石を武具に転用した事例は聞いたことがない。それもその筈、まず魔石というのは強度が高すぎて加工が難しく、かなりの腕が無ければ扱えないということ。
そして、魔石というのは十メートル近くある魔物から採取したとしても、子供の拳程度の大きさしかないので、小さな短剣ならまだしも、鎧を作るとなると莫大な量が必要となる。それに加え、魔石はランクが高ければ高いほど金額が跳ね上がる為、全身鎧を作るとなると国が破産しかねない金額を必要とされる。
「二つの魔境で手に入れた魔石を全て使い切ってしまったが、それだけの価値に見合う武具を手に入れることが出来た。今でも感謝しておるぞ」
『どういたしまして。でも、厄介ね。自分で作っておいてなんだけど、あの武具かなり性能いいわよ。ライトちゃんが全力で殴っても壊せるかどうか……ひびが入るかどうかも怪しいわね』
自画自賛しているわけではなく、キャサリンの正直な感想なのだろう。
ならば、守られていない継ぎ目を狙えばいいのだが、そこはキャサリンの手腕により、動きを妨げることなく関節部を守る工夫が随所に取り入れられている。
関節を伸ばした際には、腕や肩に収納されている大きな鱗のようなパーツが飛び出し、関節部を保護する。その他にも所有者が最も得意とする攻撃方法を研究し、攻撃の際に無防備になる個所の強度をできるだけ高めるという凝りようである。鉄壁と名乗るにふさわしいキャサリン最高傑作の鎧であった。
「鎧の問題もよりも一つ気になる点がありまして。キャサリンさん。以前、自分は百年前に死んだと言っていませんでしたか」
『い、いいじゃないの! 乙女はいつだって若く見られたいのよ! ほんの四百年若く年齢をごまかしただけじゃないのっ』
「ほんの……なんだ……」
キャサリンの言い訳を聞き、ロッディゲルスが何度も頷いている。イリアンヌは豪快すぎる年齢詐称に呆れているようだ。
「昔話はこれぐらいにするとするか。カーマインとの積もる話は、お主たちを倒した後にゆっくりするとしよう」
『カーマインじゃなくて、キャ、サ、リ、ン。前々から言っているでしょ。ライトちゃん、そこのバカ叩きのめしちゃっていいから……もう二度と、戦わなくて済むようにしてあげて』
愁いを帯びたキャサリンの声にライトは「はい」と簡潔に力強く応えた。
一国を買い取れるような値段がついてもおかしくない鎧を着たガルフォリオを、イリアンヌはじっと見つめている。目つきは真剣なのだが口元がだらしなく緩んでいる。
「イリアンヌ。倒した後、鎧剥ぎ取ろうなんて思っていませんか。涎が垂れていますよ」
「あひゃっ! な、な、何のことかしら。でも、魔石の鎧ってことは魔法への耐性も強いってことよね。詳しくは知らないから、ロッディ解説よろしく」
「了解した。生半可な魔法では魔石に含まれている魔力に防がれてしまう筈だ。魔法に対する防御力というのは、体内に秘めている魔力容量によると言われている。魔力が多ければ多いほど魔力に耐性が付くからな。属性の相性もあるが、魔力容量が膨大であれば魔法の効果は激減してしまう」
魔石で作られた鎧。その鎧に含まれている魔力の総量は尋常ではない。ライトが不意打ちで遠距離から放った聖光弾も鎧で充分防げたのではないかと見ている。
「ワシは魔法が一切使えぬ。いや、使う必要がないとも言えるが。この鎧があらゆる魔法を防ぎ、あらゆる斬撃を弾く。戦う前から勝敗は決まっているのだがな」
それに加え、隙のない動き。武具に頼り切ってはいない武人の佇まいに二人は圧倒されている。正直、勝ち目が全く見えない状態だった。
「ライト、あの鎧を前にしたら私の短剣なんて何の役にも立たないわよ。あんた何か必殺技とかないの。ほら、防御を無視して体内にダメージを与える技とか」
「ただの聖職者に使えるわけがありません。それは、俗にいう浸透系と呼ばれる技ですよね。確か発勁でしたか。格闘家の奥義らしいですよ。ギルドマスターが使えた筈です。これは……担当間違えましたか」
どんな強敵も一撃必殺で葬ってきたライトにとって、破壊できぬ相手ほど厄介なものはない。何もせずに鎧で受けてくれると言うのなら、身体強化の威力を限界まで高め渾身の一撃を叩き込めば、壊せるのではないかとライトは考えている。
だが、上位悪魔が常に張っている障壁や悪魔そのものの耐久力をも打ち破れるかというと、自信はない。
「そろそろ、神力を使う気になってくれたかね。余力を残して勝とう等と考えないでもらおうか」
ライトたちが相談している間も一切攻撃をせずに待っていたガルフォリオの想いは、ただ勝ちたいのではなく、本気のライトと戦いたい。それだけしか頭になかった。
「神力は反動と副作用が凄まじいのであまり使いたくないのですよ」
ここで使ってしまえば、半日、いや、永遠の迷宮で鍛え上げ、他の特別な贈り物が体に馴染んできている今なら、最短、四、五時間で復帰できるかもしれないが、それでも南や東の状況を考えると長すぎる。
負けるわけにはいかない、しかし、使う訳にも。ライトの思考は袋小路に陥っている。
「ライト、後の事よりも今の戦いに集中しろ。死んでしまっては元も子もないのだ。らしくないぞ」
思考のループから抜け出せないライトの肩をロッディゲルスが力強く掴むと、ライトの顔を覗き込み正面から見据える。
瞳に映る苦悩の表情を浮かべる自分の姿を見て、情けなく感じ大きく息を吐くと、いつもの薄い笑みを顔に貼り付けた。
「やらないで後悔するより。やって後悔しましょうか。本気でいかせてもらいますよ『神力開放』」
ライトの全身を白銀の光が包み込む。いつもの薄い笑みも、この状態だと威厳に満ちた表情に見えてしまう。
放たれる光の神々しさに、白骨の馬が後退る。
「ふはははは、これが神の力! 待ち焦がれていたぞ! お前は下がっておれ。ここからは我が身一つで充分だ。さあ、一騎討ちと洒落込もうではないか!」
歓喜の叫びを上げ馬上から飛び降りると、白骨の馬に離れるよう指示を出す。
「イリアンヌ、ロッディゲルスも下がっていてください。柄ではないですが、この戦い私に任せてください」
二人は顔を一瞬だけ見合わせると、黙って後方へと退く。
ハルバートを両手で握りしめ摺り足でライトとの間合いを詰めていく。ライトもメイスを肩に担いだ状態のまま、徐々に前へ進む。
「ライトアンロックよ、感謝する。我との一騎討ちに応じてくれたことを」
「馬はいませんが、こういう戦いは男の浪漫でもありますから」
ライトは会話に応じながらも、同時に頭で計算をしている。
一騎討ちに乗ったのにも理由があり、決して相手に敬意を表し雌雄を決する為に正々堂々と戦う、という崇高な目的ではない。
一騎討ちの初撃は相手に渾身の一撃をぶつけるというのが暗黙の了解で認められているのだ。相手の一撃をまずは受け切るか躱すと連続で攻撃はせずに防御へ移り、次は受けた方の攻撃を攻め手が凌がなければならない。それ以降は、好きに戦ってよいとされている。
勿論、ルールで定められているわけでもなく、戦場においての作法のようなものだ。
仮にも英雄王と呼ばれた男。確実にこの方式にのっとって攻撃してくるとライトは踏んでいる。
「では、まず、ワシからいくぞっ! 山をも切り裂く、この一撃。防げるものなら防いでみせよっ!」
頭上でハルバートを何度も回転させると、そのまま大きく踏み込み、柄を手の中で滑らせ石突付近を掴むと、回転力を生かしたまま、斜め上からライトの肩口を目掛け振り下ろす。
まさに目にも留まらぬ速度で振り下ろされた一撃は、数多の強敵と戦い続けたライトの目をもってしても捉えることは不可能であった。
だが、ガルフォリオが予備動作で時計回りにハルバートを回していたことにより、威力を生かすにはライトから見て、左上からの振り下ろしになると予想がついていたので、半ば勘でメイスの先端を上向きにして石突を地面に突き刺し、柄が体の右側面を這うように置き、体を斜めに傾かせる。
「うおおおおおおっ!」
叫ぶ声と刃先が柄にぶつかる音が混ざり合う。ハルバートの斧の刃部分が柄を滑り、地面へ深々と突き刺さる。
「はああっ!」
ライトは全身の力を込めメイスの先端を地面へと押し込む。地中深く潜ったハルバートの上にライトのメイスが重しとして載せられ、引き抜ける状態ではなくなる。
「お主はこれを狙っていたのかっ!」
どうにか引き抜こうとしているガルフォリオを尻目に、ライトは瞬時に間合いを詰める。懐に滑り込んだライトは膝を落し、腰を捻り右腕を後方に引く。
「だが、この鎧を無手でどうしようというのだね!」
鎧の防御力に信頼を寄せているガルフォリオは、神力状態で手甲に覆われているとはいえ、拳で突き破られる可能性はないと確信していた――キャサリンの声が聞こえてくるまでは。
『ライトちゃん、左わき腹を斜め下から抉るように打って!』
「了解しました!」
ライトの背後からの叫びに答え、ライトは全身のバネを生かし限界まで捻じっていた体を開放する。左足の踏み込みにより地面がひび割れ、右腕を伸ばすと同時に左腕を後方へと引っぱる。
弾き出された右腕は、肩を抉り込むように回転させ螺旋の軌跡を描く。
拳が鎧の左わき腹部分と衝突し、腹の奥まで響いてくる鈍い音が距離を置いているイリアンヌたちにまで伝わってくる。
みしりっ、と小さく軋む音が続いて聞こえたかと思うと、今度は
「ぐうううおおおおおおおっ!」
というガルフォリオの苦悶の叫びが街道に響き渡る。
ライトの右腕が鎧を貫き肘の辺りまで、ガルフォリオの体内へと潜り込んでいた。
「何故だ、何故……何度もワシを救ってきたこの鎧が、砕けたというのだ……一度たりとも破壊されたことのない、この、鎧がああああっ!」
ライトの右腕を強引に引き抜き、貫通された部分に手をやりライトへ兜を向ける。
相手の目は見えないが、兜の奥から睨みつけられているのが良くわかった。
『その鎧は確かに完璧に近かったわ。でもね、誰もが壊すことのできない鉱石を破壊する方法って知っているかしら。同じ素材を使えばいいの。貴方の得意とする、右斜め上からの振り下ろし。その時にほんの少しだけど左わき腹の鎧接続部同士がどうしても擦れてしまうのよ。でも、貴方が人として生きている間なら、問題はなかった筈だったわ。何百年も使われていくうちに、少しずつ、目に見えない範囲で削られ脆くなっていたのよ』
使用者ですら気づくことのなかった、目に見えない破損個所。製造者であるキャサリンだから知っていた鎧の欠点であった。
「そうか、そうか……ふははははははっ! 悪魔となり長年生きたことが仇となるとは! ライトアンロックよ、見事だった! 余は満足だ。武人と死ねることを誇りに思うぞ! さらばだ皆の者。我の願いここに成就されたし!」
心の底から満足したかのように哄笑し、駆け寄ってきた白骨の馬を愛おしそうに撫でる。
全身の色が薄れていき、体中から光の粒子が立ち昇っていく。それは、隣に寄り添う白骨の馬も同様で一人と一頭は天を見上げ、何か言葉を交わすように顔を近づけると、この世界から完全に消滅した。
「敵なんだけど、何だか憎めない相手だったわね」
「そうだな。敵ながら天晴と言うべきところか」
二人はしみじみとガルフォリオがいた場所を眺めている。
ライトは何も言わず、胸の前で両手を組み合わせると偉大なる英雄王に祈りを捧げる。
「感傷に浸っている場合ではありませんので、次の行動を決めな……けれ……ば」
いつもの副作用である疲労による急激な眠気と、全身の不具合が一気に襲ってくる。一撃しか放っていないので体への負担は最小限で済み、骨や関節に異常はないのだが、極度の筋肉疲労により体を動かすことが出来ない。
受け身も取れないまま前向きに倒れ込み、体を地面へ強打する。痛みを感じないライトは体がぶつかったことよりも眠気と戦うことに必死だった。
「まだ、眠るわけには……南に向かわないと……いけま……せ」
「ライト安心して眠っていい。我らが責任をもって南まで運ぶ。だから、それまで眠るのだ」
「そうよ。あんたは自分独りで何でもやろうとしすぎよ。ちゃんと起こしてあげるから、今は眠って」
ライトは力の全てを瞼に集中し、何とか抵抗していたのだが、二人の仲間を信じ安心して目を閉じる。今自分にできることは少しでも回復を早めることだと言い聞かせて。