友達。
『あっつい…』
季節は夏の終わり。もぅ秋になるハズなのに。
何でこんな暑いのかな……
「毎日それ言うね、百合w」
『だって暑いじゃない』
…私が会話してるのはハルシラ君。
アレ以来、ハルシラ君は私の事を名前で呼ぶようになった。
私は、ハルシラ君のお陰でイジメの方が軽くなったので感謝している…
そぅ思ったので1度お礼を言った…ら。
「なら、百合お願いしてもいい?」
と、上目遣いて頼んできたこの子。
…顔整ってる人がやると反則だと思った…
「俺と毎日登校して下さい…」
一瞬耳を疑った
つい癖で『何で?』と聞いてしまったのだが…
その理由がまた…可愛い。
「道とか覚えられないのっ!だから…その…」
まぁ、この時思った事と言えば、私じゃなくてもいい気が…とかだったけど、一応お礼はしたいと思っていたから、了承した。
なので、アレ以来私は毎日学校に行っている事になる。イジメも軽くなったしね。
…とか思い出していると顔に出ていたらしい。
「百合、何で笑ってるの?w」
…そんな君も笑ってるじゃないかw
『別に~』
ちなみに、帰りも私と帰っている。
だから、もうありきたりな噂は流れているんだけど、本人全く無関心。だから私も気にしない事にした。
…そうそう。
ハルシラ君と登下校してるおかげか、変わった事がある。
一つ目は、少なくなったと思っていたイジメがスグに全て無くなったこと。まぁ、理由はハルシラ君に嫌われたくないからだとは思うけども。
で、二つ目はというと…
「ゆーりちゃーんっっっっ!」
どわっっ!!
『…おはよ、美夕ちゃん』
…そう、この子が話し掛けてきたのだ。
朝日奈 美夕(あさひな みゆ)。
ウェーブがかかった腰まである長い赤茶色の髪。
嫌っていう人もいるかもしれないけど
私はこの色合いは大好きだったので、第一印象は最高だった。
背は145。本人気にしてるらしいが女子なんだからそれぐらいが丁度良いと思った。
性格は…なんて言えばいいんだろう…天然…かな。
まぁ、一言で言うと『女子の良い所どり』ってトコ。
「おはよ、美夕ちゃ…「ねぇ、百合ちゃんっ♡」」
…あ、ハルシラ君の声遮った。
「百合ちゃんって身長なんぼなの??」
本人気にしてない様子。
『160だよ』
気のせいか、ハルシラ君が落ち込んでいる気がする…w
「高いっ、良いなぁ♡」
「俺、172」
「アナタニハキイテイマセン」
カタコトっ!?
ってか良いなぁハルシラ君。高いや。
ハルシラ君は、顔整ってて背高くて、髪の毛の色はちょっと色素が薄い、黒色。色素が薄いって言っても光が直で当たると全体的に金に見える。私だけかもしれないけども。
「美夕ちゃんヒドイ…」
…多分、美夕ちゃんは男の子が嫌い…何だと思う。
最初、私に近づいてきたのはハルシラ君目当てだと思った。けど、ずっとハルシラ君にはこんな態度。それはそれで誤魔化してるのかなとも思ってるので、今はまだ読み取り中。
…二人の相性はともかく。
この二人が並ぶと見た目は凄く完璧で。
私がココに居る事がおかしく感じるのだ。
髪の毛は肩にギリギリつくぐらいで色は真っ黒。
お世辞にも良いとは言えないスタイル。
そして、普通な顔。
特に秀でてる所もないから普通としか言い様がない。
…今更だな。
もぅ何年この顔で生きてるんだか。
気にしないと決めたのに。
『ハルシラ君、美夕ちゃん、はよ行かないと遅刻だよ?』
よくよく考えたらまだ登校中だしね。
「「はーい…!!」」
人に囲まれて登校する事にも少し慣れた。
そんな中、嫌なイベントの到着。