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23話

 ■■■


 気が付けば、僕の頭の上で目覚ましが僕に早く起きろと言わんばかりに声を張り上げていた。


 僕はのそのそと体を起こし目覚ましの頭に手をやった。


 確かな感触を手に伝えて、目覚ましはようやく静かになった。



 「あれ・・・・・・」


 僕は辺りを見渡した。先ほどまでいたはずの学校の図書室なんかではなくて、確かにここは僕の部屋だった。

 時間も夕方ではなくて、太陽が頂点へ上りかける朝方だった。

 服も制服なんかではなくて、寝る時によく来ている紺色のジャージだった。



 「さっきのは・・・・・・夢?」




 僕は混乱しながらベッドから起き上がった。

 ふと壁に掛かっている月めくりカレンダーを見て僕は驚愕した。


 なぜなら、そのカレンダーは4月のだったのだから。


 そう、今日は4月26日。


 僕が風華さんから告白される約8か月前の日を示していたのだから。

 そして、その日はちょうど暴力的なまでに僕を夢の世界へ引きずり込む睡魔を感じ始めた日なのだから。



 「えっ・・・・・・!?」



 僕はカレンダーを前にして立ち尽くした。







 ■■■


 ぼぉっとしたままではいけないと自分を叱咤して僕は学校へ向かった。

 道の周りにある木々が青々と葉を輝かせ、空は多く澄み渡り太陽はさんさんと照らしていた。


 僕は歩きながら昨日からもっと前のことを思い出していた。


 たしかにあれは現実だった。

 僕が暴力的な睡魔に誘われて灰色の世界へ行ったことも、風華さんと一緒に過ごした日々も、僕にとっては現実だったといえる。

 あれはたしかに僕が体験したことなんだ、と声を大にして言える。

 なのに、これはなんなんだろう。

 なぜ、日付が戻っているのか。

 これは夢なのだろうか。

 しかし、こちらも夢とは思えないほど鮮明且つ現実味がある。

 僕には到底夢とは思えない。

 では、あちらが夢だったのだろうか。

 昨日までの日々が、夢だったのだろうか。

 風華さんの告白が夢だったということなのだろうか。


 そういえば、僕は風華さんの告白を受けた後どうしたのだろう。

 僕は全くあの後覚えていない。

 僕は風華さんの告白に答えて抱きしめたところまでは覚えている。だけど、そのあとすぐに目の前が真っ白になって目覚ましの音が聞こえたんだ。

 いったいどういうことなんだ・・・・・・?





 僕は戸惑いながら学校へたどり着いた。


 もしも今までが夢だというのなら・・・・・・



 風華さん・・・・・・








 

どうなるんでしょうかね……?

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