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22話

凄いお久しぶりです。

いよいよ完結へ……

 ■■■


 そして、夜へ経て朝が来た。

 僕は眠い目をこすりながらカチャカチャ音を立てるの目覚ましを叩いた。いつもいつもカチャカチッと音を立てて僕を起こしてくれる目覚ましだ。かれこれ10年の付き合いになるだろうか。長く使っているがこれといった傷はなく買ってもらった当時のままの姿を残している。


 「・・・・・・ぅあう」


 僕は大きくあくびをしながらベッドから飛び起きた。


 カチャ


 「ん?」


 たしか目覚ましは止めたはずなのに、と僕は思いながらそれっきり音がしなかったことに、気のせいかと思い直し僕は学校へ行く準備をした。








 学校はいつも通りだった。

 いつも通りにチャイムが鳴り、いつも通りに授業が行われる。生徒たちもいつも通り授業を受け、いつも通り休み時間で自由を謳歌する。

 いつも通りの光景。変わり映えのしない風景。

 取り立てて何か気に掛けることのない“日常”。


 それが目の前で繰り広げられていた。


 (あぁ、何事もなくて平和だよな)


 僕は唐突にそんなことを考えていた。

 僕の頭の中に昨日のことがあったからかもしれない。


 風華さんの顔が頭の中で何度も浮かび上がる。




 そして、いつしか放課後を迎えていた。





 「亘くん」

 「うん」


 僕たちは夕日に照らされる中、誰もいない図書室で二人っきりだった。

 橙色の暖かな光が風華さんを照らし、元々目を見張るほど美しく愛おしい風華さんがより魅力的に見えた。



 カチッ



 「私ね、亘くんのことがね」

 「うん」


 僕はうつむきながら指と指をもじもじさせて顔を赤らめている風華さんをじっと見つめた。

 照れながら僕へ言葉を届けようとしている風華さんをじっと待ち続けた。


 「私、亘くんのことが、好きなの」



 その瞬間、僕には時間が止まったように感じた。

 図書室の風景と、風華さんの姿が何か現実でないもののように思えた。

 予想していたとはいえ、言葉にして言われるとなんだかじわじわと幸せな気持ちが湧いてくるのがわかった。

 そして、僕は返事を待っている風華さんへ僕自身の想いを伝えた。


 「うん、僕も風華さんのことが好きだよ」


 風華さんはその言葉を聞いてすぐに、俊敏な動きで僕へ抱き付いてきた。

 どしっと僕にしがみつく風華さんの重みと、ふわりと香る女の子の匂いが僕に現実味を与えた。




 そして、僕は






 カチャ


 カチッ



 カチャカチッカチャカチッカチャカチッカチャカチッ





 そこで目が覚めた。







 




まだ終わらないですよ。

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