表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

1話


 時に退屈な授業を受けていたり昼ご飯を食べた後などに、睡魔を感じることがあるだろう。だんだんと眠くなっていくアレだ。

 睡魔とは引きずりこまれるような眠気を魔物に例えていう言葉なんだが、まさに意を射ている。一旦睡魔を感じるとずっと付き纏ってきて、一瞬でも気を許すとそのまま夢の世界へ旅立たせられてしまう。そして気付いたら時間が経っていて板書が消されちゃているものだ。


 ここまでが普通の睡魔のお話。僕がこの前体験した睡魔はそんなものじゃなかった。



 あれは、今から一週間前のこと。その時僕はちょうど古典の授業を受けていた。古典の先生がそれまたおじいちゃん先生で、しゃべっている言葉はぼそぼそっとしていて聞き取りにくいのだった。元々古典なんて眠くなる授業だし(古典が好きな方はごめんなさい)、授業自体が受ける気を失うようではまして眠くなる。

 授業は中頃。僕はなんとか起きていたけれどクラスの半分以上はもうすでに夢の世界へ旅立っていた。そこまでくるとこの古典の先生の眠くさせる技術すごいなーとなるのだがそれはさておき。

 何を言っているのか必死に聞き取ろうとしている僕に睡魔がやって来た。

 だけど、いつもと違う睡魔だった。普段の睡魔だったらだんだんと眠くなっていくのだが、この時の睡魔は一味違っていた。まるで狼か何かのように、現れたと思ったらあっという間に襲い掛かってきて。

 僕は暴力的な睡魔に襲われ眠ってしまった。


 時間にしてどれくらい経ったのだろうか。体感で30分だろうか、そのくらい眠っていた。

 僕はばちりと目を覚ました。


 僕はむくりと上体を起こし、何事もなかったかのようにペンを持ち先生の方を見た。

 その時、僕はまだ頭が覚醒していなかった。そのためすぐには気が付かなかった。

 僕の目の前の世界が灰色になっていたということ。全ての音が途絶えていたということ。そして誰も身じろぎ一つしなかったということ。



 僕は少ししてやっと気が付いた。辺りがおかしいことに。

 まだ夢の続きかとその時の僕は思っていた。


 そして僕は再び暴力的な睡魔に襲われ、机に突っ伏した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ