【ジェロット】
チョッチルさんに着いていき、少し少年心のくすぐられる良くある異世界ファンタジーな風景の村を横目に村長さんのいる村役場へ歩いていく。
道中でチョッチルさんが
露店の店主から「今日はかなり早いな、サボりか〜?」とか
通りかかった人から「おーいチョッチル!今度の休みに大掃除するんだが手伝ってくれねぇか〜」とか
「チョッチル……お前そう言う趣味が……」とか声をかけられていた。最後の人は何か酷い誤解をされているきがする……。
「顔が広いんですねチョッチルさん」
「顔が広いちゅうかこの村で唯一の"シンボル"持ちやさかいけ〜?」
私がそう聞くとチョッチルさんはこっちを少し見てよく分からない事を言ってまた進み始めた。
シンボル持ち?何か称号でも持っているのだろうか?私がそう考えているとチョッチルさんは立ち止まり1つの建物を指さした。
周りの建物よりは大きく立派ではあるが、それでもこじんまりとした建物があった。
「あこに見える建物に村長さんがおる、今はおるかどうか分からんさかいちょっこし聞いてくるさかい待っとってよ〜」
チョッチルさんがそう言って中に入って行き、私達は外で待つこととなった。
「なあナギサ、さっきチョッチル?であってるんだっけ?まぁいい、なんて言ってた」
「ん?あぁ村長さんに話をつけに行ってくるからしばらく待ってて、って言ってたよ」
言葉が分からないため風雅が私に聞いてきた。言葉が分からないのはそこそこ不便だな、何か翻訳的な物はないのだろうか。
そんなことを二人で考えていると中からチョッチルさんが出てきた。
「村長さんとの話ついたさかいこっちに来てくれ、村長さんが会うてみたいそうやさかい」
チョッチルさんの言葉を聞き、私達は村役場の中へ入って行き、村長さんのいる部屋に通された。
中は木材を基本とした空間に少しの観葉植物と白色の壁、村長さんの居る部屋はそこに小さな本棚と書斎机、大きめの窓があった。
「君たちがチョッチルくんの言っていた異人種の子供達だね?」
部屋の中には白髪で白いシャツにレッドブラウンのかっちりしたズボン、紺色のベストに金色のボタンをつけた初老より少し老けた男がそこにはいた。
「まずは自己紹介を、私の名前は【ブライン】この村の村長であり生産資源の管理もしている、そちらの名前を伺っても?」
村長のブラインさんがそう聞いてきたので私達は自分の名前(風雅は話せないので私が代弁した)とここまでの出来事を話した。
私が話終わる頃にはチョッチルさんは退出しており村長さんが顎に手を当てて考えていた。
「ふむ、風雅さんは典型的な異人種ですね、ただナギサさんについては今まででも片手で数えれる程度の情報しかないのでなんとも言えませんね」
なんでも3年~10年の間のどこかで1人か2人異世界の人間が迷い込んでくるようである。
「ひとまずはこの役場の部屋をお2人にお貸しします、あなた達の世界とは異なる言語や種族、その他必要な基礎を学べるように手配しましょう」
「ありがとうございます、ですが何故そこまでしていただけるのでしょうか?私達は見ず知らずの異世界の人であり何か、利益となる物も無いと言うのに…」
「目の前で学ぶ機会もなく右も左も、なんなら前後すらも分からない人が居て、それを利益のみで見捨てるほどの器ではこの世界で村の運営なんてできませんよ」
何処までも広くそしてとてつもなく優しい人である。あの時、あの化け物の後をついて行きここにたどり着けて良かったと心から思った。
「では改めてようこそ、森と農業を主として発展してきた私達の村、【ジェロット】へ、私達は君たちを歓迎しましょう」
to be continued……
友人にこの物語の完結までのプロットを見せたら「あまりにも人の心が無さすぎる」と言われたためプロットを大幅修正しました。
暫くは大丈夫だと思いますがおそらく第二公演くらいで文才のなさとプロットの変化によって乱れが発生する恐れがあります、ご了承ください。




