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伊200号潜水艦艦長就任

 そんな事やこんな事もあり、本山とひとみは上陸のタイミングで合間をぬって、交際を進めた。そして1940年12月25日、二人は晴れて夫婦となった。

 「おめでとう。良かったなモト。」

 谷山は我が事の様に本山の入籍を祝福した。それから数日後、本山は帝国海軍少佐に昇進した。

 「公私ともに絶好調やな。」

 「ああ…。」

 「どうした暗い顔して?ひとみさんと何かあったのか?」

 「明日明日の命の保証もない軍人が、妻を持って良いのかと真剣に思ってな。そう思うと簡単には喜べない自分がいてな。」

 「人間、いつ死ぬか何て事は神様しか知らない筈。だからそんなしょげるなって。」

 「お前がいつも呑気で羨ましいよ、タニ。」

 「モトはちょっとネガティブな所があるからな。人間死ぬ時は死ぬ。御国の為に死ねるなら帝国海軍軍人として本望じゃないか?」

 「そう言われちゃ敵わないな。」

 「お前の事だ。子作りも抜かり無いんだろ?」

 「実はひとみのお腹の中には赤ちゃんがいるんだ。」

 「やはりな。じゃあまだ死ぬ訳にはいかないな。」

 「陸軍は中国と戦争しているが、これは他人事ではない。戦火が広がり米国と戦争にでもなったら、これは大変な事になる。そうならない様に願うばかりだな。」

 「開き直ってドンと構えていれば良いんだよ。日本男子たるもの何があっても開き直ってドンと構えていれば良いんだよ。」

 谷山という男は海軍兵学校時代から、こうした気っ風の良い爽やかな人間であり、本山は谷山に励まされている事が何度もあった。

 世界は広い。そして深い。深い海中を行くサブマリナーにとっては谷山の様なムードメーカーが、必要不可欠なのだろう。

 そして数日後1941年を迎えた。

 「おい、モト!起きろ、交代の時間だ。」

 「あ~あすまん。今行く。」

 相変わらず寝起きが悪いのは、少佐になっても変わっていなかった。

 「おい、本山。君に話がある。」

 永山艦長から呼び出された本山は、重大な事を告げられる。

 「大本営からの辞令により、私は戦艦長門へ転任する事になった。その為、この伊200号潜水艦の艦長は本山、貴様が成る事になった。」

 急すぎる(焦)。

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