エピローグ
「父ちゃーん!」
「お、ユウサク!?そんな所で何してるんだ?」
「父ちゃんを迎えに来た。」
「それは嬉しいな。」
「ほら、見てみろ!今日の釣果だ!」
ドサッ。
「なーんだアジやイワシばっかじゃん。」
「ま、そう言わず、ママに美味しく調理してもらおうぜ。」
「もう、ユウサクったらどこに行ってたの?」
「漁港まで俺を迎えに来たらしい。」
「これ、今日の釣果。調理よろしく。」
「母ちゃん、今日はなめろうが良い‼」
「何言ってるの?今日はアジフライとイワシのつみれ汁よ。」
「なめろうが食べたいなら自分でやりなさい。」
「え?さばけるの?」
「だって自分でやりなさいって言うから。漁師の息子が魚さばけないなんて笑われるよ?」
「手は切らない様にね?」
「はいはい。」
2時間後…。
「出来た!ママ、味見して?」
「んーん!?美味しいわ。」
「父ちゃん、まだかな?」
「そうね。漁協の人に聞いてみるわ。」
「ああ、そうですか。はい分かりました。すぐ行きます。」
「事故??」
「ああ、海上自衛隊の護衛艦おおすみと衝突したんだって。で、漁船は大破したんだけど、ケイジの奴は海上自衛隊の人に助けられたって。」
「今、横須賀基地にいる。と言う連絡が入ったわ。ユウサク急ぐわよ。」
「フミコ!ユウサク!心配かけたな。父ちゃん漁師もうできなくなっちまった。」
「これからはどうするの?」
「あのぉ?」
「はい。」
「私、海上自衛隊横須賀基地司令のクラモトと申します。この度の事故については大変申し訳ありませんでした。」
「いや、クラモトさん?俺も煙草吸ってて前方不注意だったんだ。」
「クラモト司令!あの漁師、潜水艦おやしおの初代教育長の本山ケイジ海曹長、あの伊400号潜水艦艦長本山五十八氏の御子息ですよ?」
「そうか。本山さん?また海上自衛隊で働きませんか?」
「よろしくおねがいします。家族を養うためですが、年齢制限に引っ掛かるのでは?」
「そこは特別に許そう。」
「なるほど。で、階級は?」
「准海尉でどうだ?」
「分かりました。」
「と言う訳で、また海上自衛隊の世話になる事になった。」
「そう…。」
「父ちゃんカッコいい。」
「ねぇ、貴方?危険な任務につくの?」
「分からんが、家の事は任せた。」
「ユウサクも大きくなったら海上自衛隊で働くんだぞ?」
「うん、僕大きくなったら海上自衛隊に行く。」
「頼もしいな。」