月月火水木金金
「おい、ケイジ?今日は非番なのか?」
「今日は土曜日だぜ親父?ボケてないか?」
「ああ、そうだったな。でも、そんなにくつろいで緊急召集が来たらどうする?」
「呼び出しなんてコネェよ。」
「何故そう言いきれる?」
「今のおやしおは大幅な人員交換をしたため、最低3ヶ月は訓練する必要がある。だから、くつろいでるの。」
「時代は変わったのだな。」
「ああ、もう昭和の日本海軍ではない。」
「おまけに150人の定員に対して147人が新入りなんだぜ。しかもこの春から練習潜水艦つまり、訓練用の潜水艦に格下げだよ。おやしおが出張らなきゃならないようなら、海上自衛隊も終わりだな。それに今は月月火水木金金の時代じゃねーの。」
「つーか、何でこんな事親父に話さなきゃならねーんだ?」
「分かってるなら良いんだ。休みのところ邪魔して悪かったな。」
「別に良いけど。大切な事だし。」
「伝統墨守唯我独尊だぞ!」
「分かってるよ。」
ぷるぷるぷるぷる「ん?誰だ?」
「モシモシ、本山ですが?」
「本山ケイジ海曹長の御自宅でしょうか?」
「ああ、そうだ。」
「至急横須賀基地に戻って下さい。おやしお新入りの顔合わせをします。」
「はぁ?そんな事で呼び出すなよ。」
「諸事情は御察ししますが武蔵坊一佐の命令ですので。」
ガチャン「弁慶め!折角の非番の日なのに。」
「いつ何があるか分からんぞ?ケイジ?」
「そう言う組織に入ったが運の尽きだな。じゃあ、おふくろにはよろしくな。」
「ああ、行ってこい。」
「あ!本山海曹長だ。本物はイケてるな。あの伝説の本山五十八潜水艦隊司令伊400号潜水艦長の御子息。」
「武蔵坊一佐、総員揃いました。」
「みんな、非番の日にすまない。始めに副官長の後藤久彦二佐、それから水雷長…。」
「とにかく話が長いんだ、この弁慶は…。」
「それから、本山海曹長には新人教育の責任者になってもらう。」
「うす。」
「返事が小さいぞ!最先任の下士官がそんな事でどうする?」
「はい!よろしくお願いします!」
「よーし、やれば出来るじゃないか。以後よろしく。」
「へぇ…。だる。」
こうして練習潜水艦おやしおの顔合わせが終わった。