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ダーティマリーン

 「人間と言う生き物は忘れる事が得意らしい。」

 「だが、戦争が好きな現場の人間はいない。」

 とは言え、指揮官の中には国家間同士の利害関係等から、戦争を選択すると言うカードとして不必要な争いを好む者もいる。

 民間人のレベルでも武器製造会社は存在し、武器ビジネスは先進国が積極的に推し進めていると言う現実がある。米国等では、銃や弾丸がタバコや酒と言った嗜好品よりも安く手に入るから驚きである。

 伊400号潜水艦を元に作った戦略原潜は、究極の潜水艦になるだろう。日本人だけで約300万人以上が亡くなった大東亞・太平洋戦争から、約80年。朝鮮戦争の勃発により、結局米国は日本に後方支援を依頼してきた。

 日本の近海には日米両軍の撒いた機雷が山のようにあり、警備隊(海上自衛隊の前身組織)は、日本海軍から受け継いだ機雷処理のノウハウで、日本近海の機雷を次々と処理した。中には、北朝鮮の撒いた機雷を処理する為に派遣された警備隊員が、殉職する事例も発生したが、日本政府はそれを公には発表しなかった。

 機雷は潜水艦にとっても脅威である。少しでも蝕雷すれば、鉄鋼の薄い艦船や潜水艦は跡形もなく吹き飛ぶ。日本海と太平洋に撒かれた機雷の処理は、正常な海洋貿易をする上で絶対に必要不可欠であり、海上自衛隊の仕事は機雷処理から始まった。触れても爆発しない木造の掃海艇や、信管に触れなければ爆発しないという機雷の性質を利用して、多くの機雷が安全に処理された。

 マサオ・バージル中将は、元々掃海屋の出身であった。入隊時は海兵隊員として、勇猛果敢に戦っていたが、日本に勝利した後は海軍の掃海部隊に補充されていた。やがて掃海母艦の艦長になり長年米国海軍の掃海部隊を牽引してきた。

 米国と日本が撒いた機雷のせいで、日本国民の食糧事情に多大なる影響を与えた。石油や石炭と言った資源の輸入も出来なくなり、機雷は最も使われたくない兵器と言われた。結局米国は、終戦までダーティマリーン(機雷)作戦は米国の勝利の影の立役物となった。史上稀に見る数の機雷と、航空機や、空母機動部隊を巧みに利用した米軍の圧倒的勝利であったと言える。

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