第一次米国海軍原子力潜水艦
「そんな大事な事を何で今まで隠してた?」
「すまんタニ。だが、俺もさっき言われたばかりなんだ。」
「お前も一緒に行くか?
「やめとけ。」
「山田中佐!?」
「そんな悪しき伝統はもう時代遅れだ。」
「あんなに大事にしてた伊400号潜水艦が核兵器の標的になるんですよ?」
「老兵は只死に行くのみ。それは潜水艦も同じ。」
「確かに山田中佐の言う通りだ。ごもっとも。」
「そう言われると、尚更行きたくなるが、今は海上自衛隊の潜水艦隊司令官と言う責任のある立場にいる。軽率な行動はできない。」
伊400号シリーズの潜水艦達は日本に返る事なく、核兵器実験のターゲットにされた。
「ふん。まだこんなところでお茶会を開いていたのか?」
「ホワイト中将!?」
「伊400号シリーズの潜水艦ならさっき終わったよ。」
「本当ですか?」
伊400号潜水艦は立派な潜水艦であった。と、ホワイト中将は言いたかった。
「光栄に思うが良い。米国海軍の新規第1次原子力潜水艦は、伊400号潜水艦をモデルに作られた。核兵器も搭載可能な戦略原子力潜水艦である。我が国の誇る水素爆弾で、苦しまず一思いに儚く散って行ったよ。」
「水素爆弾?」
「原子力爆弾の数十倍の威力がある。ソ連も中国もっていない最新鋭の兵器である。まぁ、米国の猿真似だよ。」
「お言葉を返す様ですが貴方方の原子力潜水艦も日本海軍の猿真似ではないのでしょうか?」
「助けられている恩も忘れたのか?」
「貴方方GHQなせいでそうなってるだけですよ。でも良かったのは伊400号潜水艦が米国の潜水艦のもとになった事です」
「今に見ていろ‼どこの国も到達出来ないsubmarineを作ってやる。」
「ホワイト中将、伊400号シリーズの潜水艦はまだ、現役盛りの潜水艦のはず?何故壊したんですか?」
「ホワイトハウスの意向だ。情報漏洩を恐れたらしい。」
「なるほど。ではもう本当に伊400シリーズはこの世に存在しないのですね?」
「しつこい男だな。とにかく厄介な艦長と潜水艦だったよ。まぁ、これからは仲良くやろうじゃないか?」
「はい。分かりました。」