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アイオワの憂うつ

 1944年に入ると、神風特別攻撃隊の出撃は、さらに増した。当然犠牲者も増し大勢の戦死者を出した。

 その頃、伊400号は再度米国本土攻撃作戦にトライしていた。しかし物量とクォリティにおいて勝る米国海軍を前にして、伊400号は散発的な攻撃しか出来ずにいた。

 「おい、モト?一回引き返そう。今の状況じゃ孤軍奮闘も出来やしない。せめて護衛の潜水艦でもいれば状況も良くなる。って、んなこたぁお前が一番良く知ってるじゃないか?」

 「タニ、貴様の言う通りだ。呉に戻ろう。」

 本山と谷山は作戦中止を決めた。

 「そうかぁ、米国海軍には天下無双の日本海軍も敵わないか…。」

 米国海軍には敵わない。そう言う噂や憶測が日本の世論を揺るがし始めていた。

 「公には出来ないが、自爆攻撃はすべきではない。そう言う見解で良いのかね、谷山少佐?」

 「本山大佐と同じ意見であります。」

 プライベートの時はニックネームで呼び合うが部下の前ではきちんと敬語を使うコミュニケーションをとっていた。

 そんな事とは露知らず米国海軍第5艦隊のウィリアム・ハルゼー提督は、伊400号を日本海軍最後の切り札と断定。艦隊をあげて探していた。

 「で、ナタリー少佐伊400号はどこにいる?」

 「現在太平洋を横断して、日本に向かっているものてあると、推測されます。」

 「なるほど。案ずる事はない。また、奴等はノコノコと米国領海に現れる。」

 ハルゼー提督には自信があった。伊400号は自分が仕留めると。だが、伊400号も馬鹿ではない。そう易々と激戦になるとは限らない。敵はあくまでも潜水艦だ。手持ちの魚雷が無くなれば話しは別だが、雷撃戦となればハルゼー提督の乗る戦艦アイオワではちと部が悪い。ハルゼー提督は、伊400号と言う日本海軍最後の伝家の宝刀の息の根を止める為に、情報収集に躍起になっていた。

 「なぁ、モト?米第5艦隊の旗艦アイオワにハルゼー提督が乗ってるらしいぞ?」

 ハルゼーの名は日本海軍の中では有名であった。

 「あの猛将が?キルジャップス、キルモアジャップス!だろ?」

 「第5艦隊さえなければ、米国本土攻撃なんて楽勝なんだけどな…。」

 本山と谷山は再度米国本土攻撃計画を模索していた。

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