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猛牛

 「何ィィ!?ウルシー泊地だと?一体大本営は何を考えている?」

 「ウルシー泊地に停泊している米国海軍機動部隊及び随伴艦空母を殲滅する事になった。」

 「いや、する事に成ったじゃねぇよ。」

 「日本からウルシー泊地まで何㎞あると思っているんだ?」

 「この作戦は伊400号にしか出来ない任務だ。良いじゃないか。国内で指をくわえて、座して死を待つよりは全然良い。」

 「それで、作戦開始はいつになる?」

 「2日後に日本を出港し、昭和19年1月8日にウルシー泊地に到達する。」

 「で、断ったんだよな?」

 「いや、引き受けた。」

 「何故?どう考えたって無謀な作戦じゃないか?対空援護も無いんだろ?」

 「ああ、無い。」

 「こんな良い潜水艦で、特攻?馬鹿か。」

 確かに谷山少佐の意見は的を得ていた。敵将は米国海軍の猛牛と恐れられた、ウィリアム・ハルゼー提督率いる米第5艦隊で、米国海軍最強の部隊である。

 晴風があるとは言え、この米第5艦隊を持ってしてみれば、伊400号など絶好の獲物であるとは言えるだろう。たとえ伊400号がフル火力で戦ったとしても、米国本土攻撃は現実的ではない。

 地球一周半の航続距離のある伊400号とて、この難局を乗り越えるのは至難の技である。とは言え、仮に米国本土攻撃を出来たとしても、伊400号が無傷で帰投できる可能性は限りなくゼロに近い。

 米国海軍が日本海軍よりも、優位に立っていたこの時代、日本海軍はミッドウェー海戦で虎の子の空母を殲滅されており、日本海軍の切り札は伊400だけとなった。

 ウルシー泊地への攻撃は、晴風の魚雷攻撃が主軸となるだろう。懸念されるのは、攻撃を終えた晴風の回収だが、そこは谷山少佐を中心にランデブーポイントを割り出さねばならなかった。

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