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臨戦体制

 「米国海軍と本気で交戦するだと!?」

 大本営にそう報告した本山が、通信士官に怒られた。

 「伊400号にそんな命令は出てないぞ?」

 またしても通信士官に怒られる。本日2回目だ。

 「交戦はなるべく避けるルートで現在精査中です。」

 「日本海軍虎の子の伊400号はまだ、実戦投入出来る状況にはなっていない。」

 「御言葉ですが、我々は既に作戦準備を終え、直ぐにでも始められる体制を整えてあります。」

 またしても通信士官を苛立たせる様な事を本山はヌケヌケと言ってしまう。

 「とにかく、勝手な行動は許さんぞ?」

 「はい、かしこまりました。」

 本山は大本営の決定だから、米国本土攻撃計画を中止せざるを得なかった。

 「タニ、本当にこれで良かったのか?」

 「大丈夫。大本営が駄目って言ってんだ。米国本土攻撃計画は一旦白紙だろう。」

 「でも、このまま終戦を迎えたらきっと後悔が残るぞ。」

 「大丈夫。日本海軍は負けやしないさ。」

 「そうだと良いが…。」

 「俺達はその為にいるんだ。負けない為に。」

 「米国海軍や英国王立海軍は、今の大日本帝国の一番の敵だ。俺の見込みじゃあ勝てる可能性は40%程度ってとこだな。」

 「その見込みは日本が負ける道理にはならないだろう?」

 「俺はな、モト。リアリスト(現実主義者)なんだよ。」

 「だったらもう、四の五の言ってないで、米国本土攻撃を実行すべきではないのか?」

 「上(大本営)が駄目って言ってんだ。国内で哨戒活動するしかない。」

 「このままで良いのか?」

 「良い訳あるか。」

 「伊400号をもって、米国海軍に打ち勝つ。大前提はそこにあるんじゃないか?」

 「朕の命令とあらば、今すぐにでも太平洋を越えて米国本土攻撃の準備はしておくように。だってさ。」

 「何だかんだで、大本営も実施してんじゃねーか。」

 「引き続き兵の士気を下がらない様に指導を徹底しろとさ。」

 命令があれば今すぐにでも出撃出来る臨戦体制を整えていたが、伊400号に対して米国本土攻撃の命令が出される気配は見られなかった。

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