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極秘計画

 「伊400号潜水艦。それが軍肝入りの巨大潜水艦建造計画だ。」

 細山は開口一番会うなりいきなり、極秘計画について触れた。

 「この伊400号潜水艦が劣勢になる日本海軍を救う物に成るのか?」

 「ああ、米国側にも知られていない。伊400号潜水艦はこの呉で建造される予定だ。」

 「特段の戦果も上げていない私に、その伊400号潜水艦の艦長と言う大役が、務まるのでしょうか?」

 「君は帝国海軍軍人だろ?何回も同じ事を言わせるな。」

 「分かりました。やります。と言うかやらせて下さい。」

 本山がそう言うと、細山は待ってましたと言わんばかりに、伊400潜特型と書かれた一枚の設計図を取り出してこう言った。

 「これが大日本帝国を救う切り札になると、自分は信じている。」

 「これは!?こんな潜水艦見た事無いですよ。このカタパルトデッキは?」

 「偵察機を3機搭載出来る世界初の潜水空母、それがこの伊400号通称潜特型の正体だ。」

 「人員はどの様に選抜されるのですか?」

 「伊200号潜水艦、つまり今君が艦長を務めている乗組員を中心に編成する予定だ。伊400号潜水艦の完成はあと1年はかかる。それまでは伊200号潜水艦で国内の海域を哨戒して欲しい。」

 「この事は口外無用ですよね?」

 「当たり前だ。完成してからも海軍の一部しか知らない極秘計画(トップシークレット)だ。」

 「一人だけ伝えておきたい男がいるのですが?」

 「誰だ?」

 「伊200号潜水艦副長の谷山少佐です。」

 「ソイツの口は固いのか?」

 「私が全幅の信頼を置く只一人だけの私の右腕であります。」

 「一人だけだぞ。副長ともなれば、計画を知らない訳にはいかないからな。仕方あるまい。」

 「ありがとうございます。そろそろ、帰隊時刻なので失礼します。」

 本山がそう言うと、細山は設計図を上手く折り畳み素早く鞄にしまった。

 「谷山以外には絶対口外しない様に、くれぐれも細心の注意を払ってくれ。」

 本山は何事も無かったかの様に伊200号潜水艦が停泊している呉の港に戻っていった。


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