表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/15

レシピ作りは楽じゃない?

 もう、……それくらいで、真っ赤になっちゃって。そういう私も、ほっぺた熱いや。


「冗談なのはわかってるでしょ、……ちょっとからかってみただけだって」

「そうだけどさ……、一応、『恋人どうし』になっちゃったわけだし……」

「やっぱりごめんね?ちょっと意地悪だったかな」


 夏樹ちゃんといると、普段の『お姉ちゃん』でいようとしちゃうわたしはどっか行っちゃう。中学のときから一緒な子はほかにもいるけど、……こんな風になるのは、夏樹ちゃんくらい。


「もー……、他の人が美咲のことお姉ちゃんって言うの信じらんないよ」

「そこまで言うー?……そうだったとしても、こんなとこ、夏樹ちゃんにしか見せてないと思うんだけどなぁ」

「そういうとこだよ、美咲は。……いつも通りでいいって言ったじゃん」


 そう言って、わざとらしく視線を逸らす。ほっぺが真っ赤なの、見えちゃってるよ。……いつも通りなんて、やっぱり無理かな。わたしもだし、夏樹ちゃんはもっと。今更、両手で頬杖付いたって、顔真っ赤なの隠せてないし。わたしも、ほっぺがにやけてるのわかっちゃう。同じように両手で頬杖をつくと、顔、すっごく近づく。


「そんな事言ったってさ、やっぱり意識しちゃうよ」

「……美咲も、顔赤いね、そういえば」

「夏樹ちゃんほどじゃないと思うけどなぁ……、こんなんじゃうまくごまかせるかわかんないよ?」

「言わなくていいじゃん、そんなの……」


 初々しい、って言っても、ちょっと照れすぎだよ、いくら何でも。フリって言っても、わたしに恋人になってほしいって言ったのは夏樹ちゃんのくせに。……なんて言っても無理か。夏樹ちゃん、恋バナ苦手だもんね。クラスでももちろん、修学旅行でも、寝たふりしてごまかしてたもんね。


「……夏樹ちゃん、かわいいね。憧れてくれてる子がこんなとこ見たら、もっと好きになっちゃうんじゃないかな」

「もー、いじわるしないでって言ってるでしょー?……こんないじわるな美咲とかみたら、幻滅されちゃうのかな」

「大丈夫だって、いじわるするのは夏樹ちゃんにだけだよ?」

「そういう問題じゃないって……っ」


 そういうとこ、やっぱりかわいい。そんなだから、意地悪なわたしが出てきちゃうんだよ。


「……にしても、どうしよっか。二人きりでもこんなに変になっちゃうのにさ」

「そうだけど……っ、無理だよ私……」

「……部活のときでももう広まってそうだし、もし恋人だって証拠見せてとか言われちゃったりとかしたら」

「うぅ……ちょっと考えたくないよ……っ」


 すごい勢いでお弁当を平らげていく。あんまり急いでも体によくないよ、とは言いつつも、わたしも、つい放った言葉に乱れてる。恋人らしいこと、……とか、する事になっちゃったら。……どうすればいいんだろう、わたし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ